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犬の季節性アレルギーって?主な原因や症状、対策について解説!

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乾燥や花粉が気になりだす秋の季節。

敏感肌の方はもちろん、アレルギーを持つ犬も肌トラブルにはなかなか頭を悩ませてしまう季節だと思います。

今回は、犬の季節性アレルギーの主な原因や症状、対策方法について解説します。

犬の季節性アレルギーってどんなもの?

犬の季節性アレルギー、一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

しかし、犬の皮膚疾患には様々な原因、名称が付けられていて、どの原因、どの症状が季節性アレルギーに該当するのかは、よく分からない部分だと思います。

簡単に申し上げますと、『季節性アレルギー』とは、決まった季節に発生するアレルゲン物質(ここで言えば花粉)によって、フケや痒み、赤みが起こる現象のことを言います。

動物病院で症状を見てもらい、獣医さんから診断された時に出される診断名は、【花粉をアレルゲンとするアレルギー性皮膚疾患】というような形になるでしょう。

これが俗に、犬の『花粉症(季節性アレルギー)』と言われる所以です。

また、この花粉が主な要因となる『季節性アレルギー』の免疫グロブリン(免疫抗体)は、IgEと言われる免疫抗体で、抗体量としては最も少ない量だと言われています。

そのため、『季節性アレルギー』が疑われる犬の場合、まずはその犬がどのアレルゲンに反応しているかをIgE検査(血液検査)によって見当を付け、可能性の高いアレルゲンを絞り込んだ上で、治療が行われます。

春だけでなく、秋の季節が到来すると決まって犬が痒がりだしたり、目やにが多かったりした場合、それはもしかしたら『季節性アレルギー』に罹ってしまっているかもしれません。

散歩コースの変更やアレルギー検査によるアレルゲン物質の確認など、その季節が本格化する前に、出来るだけ対策するように心掛けましょう。

季節性アレルギーの原因となる植物とは?

それでは、犬が『季節性アレルギー』になる主な原因とは一体何なのでしょうか?

先程、花粉がその要因となっているとお伝えしましたが、ここではその要因となる花粉を飛散する植物について、特に春と秋で気になる種類の内容を詳しくご紹介します。

季節性アレルギー原因植物①:スギ(ヒノキ科)

飛散量が多く、また、日本で最も花粉症の原因として多いと言われるスギは、花粉飛散時期が1月~4月頃と春の季節中、ほぼ花粉に気を付けたい植物です。

スギは、飛散距離が長く、飛散が始まってから7日から10日後くらいから花粉の量が多くなり、その4週間後程度が花粉の多い時期と言われています。そのため、この期間内に、「晴れて気温が高い日」、「空気が乾燥して風が強い日」、「雨上がりの翌日や気温の高い日が続いた後」といった条件が整うと、さらに飛散率が増すことが分かっています。

スギの花粉は、毎年多く花粉症患者の方の悩みの種となる植物でもあるため、愛犬の散歩ルートにスギがある際には、避けて通るように心掛けましょう。

季節性アレルギー原因植物②:ヒノキ(ヒノキ科)

スギ同様花粉症の原因となりやすいヒノキは、花粉飛散時期が3月~5月と、スギよりも少し遅れて花粉が飛散する植物です。

スギ花粉が飛散し終わる4月中旬ごろに飛散ピークを迎えます。

飛散距離はスギと同じく長く、広範囲で発症するため、スギ花粉症を持っている飼い主さんは、ヒノキ花粉症にも発症している場合が少なくなく、その場合は重症化しやすいというリスクがあります。

ヒノキの花粉も、スギ花粉同様毎年多くの花粉症患者の方の悩みの種となる植物なので、散歩ルートを変更するなど、出来る限り愛犬をヒノキに近付けさせないように注意しましょう。

季節性アレルギー原因植物③:ブタクサ(キク科)

早くて夏の7月~10月頃まで飛散時期が続くと言われるブタクサは、日本ではスギ、ヒノキに次いでアレルギー症状が多い植物です。人と違って、犬の花粉症の原因の多くがこのブタクサと言われています。

ブタクサは背が低い植物で、飛散距離もそこまで長くないため、近付かなければそこまで被害はないかもしれませんが、早朝の風が強い時間帯には集中して飛散する傾向にあり、また、特に関東では、状況によって12月頃まで飛散が続く場合もあるようなので、ブタクサが生えている河川敷や堤防などが散歩コースの飼い主さんや愛犬は注意しましょう。

季節性アレルギー原因植物④:カナムグラ(アサ科)

花粉飛散時期が8月~10月のカナムグラは、道端などに生えていることが多い一年生のツル植物です。

葉や茎に下向きの細かい棘があり、木や電柱、ガードレールなどに絡みつきます。

飛散距離は数十メートルと短く、花粉の量自体はそこまで多くはないようですが、道端に生息しやすい点を考えると、発見した際には愛犬を近寄らせない方が無難でしょう。

季節性アレルギー原因植物⑤:ススキ(イネ科)

秋を象徴とするススキも、花粉飛散時期の8月~10月には注意しておきたい植物です。

日本全国の道端や土手など、様々なところで見られる多年草で、秋の七草のひとつにも選ばれています。

飼い主さんや愛犬に『季節性アレルギー』の疑いがある場合には、イネ科のススキに気を付けると共に、5月~6月頃に花粉の飛散を迎えるイネ花粉にも注意し、それらが生息している場所は避けて通るように心掛けてください。

季節性アレルギー原因植物⑥:ヨモギ(キク科)

秋の花粉症ではお馴染みのヨモギも、花粉飛散時期が8月~10月と涼しくなる頃に発生するため、注意しておきたい植物です。

ヨモギは繁殖力が強く、雑草の生い茂っている河川敷や空き地などに多く生息しているため、河川敷などを散歩コースにしている飼い主さんや愛犬は特に注意しましょう。

犬の季節性アレルギーで起こる代表的な症状

花粉が飛散する季節に起こる『季節性アレルギー』で、犬が見せる代表的な症状は以下の通りです。

【犬が見せる季節性アレルギーの主な症状】

・皮膚のかゆみ・炎症(一番多い症状)
・くしゃみ・鼻水
・咳
・目やに

以上が犬が季節性アレルギーに罹ってしまった際に見せる主な症状です。ただし、犬の場合、人と違って同じ花粉を原因としたアレルギー症状でも、皮膚のかゆみや炎症が最も症状として多いと言われています。

その理由として、これまでの研究によって犬は鼻や目ではなく、皮膚が花粉に反応して『季節性アレルギー(花粉症)』を発症することが分かっているからです。

どうやら犬の鼻は、様々な物質に対して過剰反応しない機能がしっかりと備わっているから症状があまり出ない、のだとか…。

とはいえ、人であっても花粉を吸いこんでむずむずしない人はまず居ないと思いますので、この研究結果がどこまで信憑性のあるものかは分かりません。

そのため、仮に愛犬の症状で皮膚の痒みが目立たず、くしゃみや鼻水ばかりが目立つというような場合であっても、それはもしかしたら『季節性アレルギー(花粉症)』の可能性、または別の病気の可能性も考えられるため、動物病院を受診するよう心掛けましょう。

犬の季節性アレルギーの対策方法はある?

犬の『季節性アレルギー』への対策方法は、結論から申し上げれば【アレルギーに強い身体作りを心掛ける】ことです。

通常犬の皮膚疾患は、どのような疾患内容であっても、根本的治療が難しいと言われています。

それは『季節性アレルギー』でも変わりはなく、動物病院で「季節性のアレルギー性皮膚疾患」と診断された時でも、処方薬としてステロイド剤や抗ヒスタミン剤などが処方され、その後は対処療法で治療が行われます。

しかし、犬の『季節性アレルギー』の対策方法が全くないかと言われればそうではなく、それら対処療法と並行して、以下のようなことに気を付けることで、愛犬の皮膚の痒みや炎症を最低限押さえることが可能です。

【犬の季節性アレルギーに対する対策方法】

・飛散率の高い朝9時~午後2時、午後4時~午後6時の時間帯の散歩を避ける
・帰宅時には玄関先で愛犬にブラッシングをして花粉を落とす
・アレルギーの原因となる植物を避けた散歩コースを歩く
・万一草むらに入っても平気なように愛犬に洋服を着せる
・セラミド成分の入った保湿ローションで愛犬を保湿する
・シャンプーの回数を増やす(限度は週2回まで)
・ドライワイプ(シャンプータオル)で身体を拭く
・サプリメントや乳酸菌などで免疫力を上げる
・部屋に空気清浄機を設置する

以上が犬に試してあげたい『季節性アレルギー』の対策方法です。

ちょっとでもご自身の愛犬が、特定の季節になると皮膚を痒がりだすようなら、早目に対処してあげましょう。

まとめ

いかがでしたか?

人であっても、見ていてとてもツライものを感じる花粉症の症状。

その症状と似た症状が、犬で見られる『季節性アレルギー(花粉症)』というものです。

愛犬がもしも、特定の季節だけに皮膚の痒みや炎症、くしゃみ、咳、目やになど、普段見せない症状を見せるようなら、動物病院を受診して、適切な薬を処方してもらうと共に、上記のような対策で症状の緩和を試みてあげてくださいね。

<参考書籍>

最新版 愛犬の病気百科 気になる初期症状から最新医療までがわかる

<参考サイト>

花粉症環境保健マニュアル|主な花粉と飛散時期|環境省
>https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/2_chpt2.pdf

花粉症を引き起こす種類とは?~スギ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉には要注意!~|アレジオン
>https://www.ssp.co.jp/alesion/hayfever/plant/#ac_yomogi

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。