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犬の食の好みが違うのはどうして?基本的な味覚から嗜好性、食のこだわりが強い犬種をご紹介!

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皆さんは、愛犬の食べ物の好き嫌いを把握されていますか?

ワンコの中にはアレルギー体質のせいで「好き嫌い云々」が関係ない子も多いかもしれませんが、そうでない子の場合は、意外にもドッグフード選別に悩まれている方は多いと思います。

では、なぜそのような現象が起こってしまうのでしょうか?

今回は、犬の食の好みについて、基本的な味覚から嗜好性への違い、食のこだわりが強い犬種などをご紹介します。

犬が感じられる味覚は主に4種類

人の場合、舌で感じられる味覚の数は主に、『甘味』、『酸味』、『苦味』、『塩味』、『旨味』の5つだと言われています。

しかし犬の場合、犬が舌で感じられる味覚の数は、『甘味』、『酸味』、『苦味』、『塩味』の4つです。

まずは、4つの味覚の具体的な違いを見ていきましょう。

①甘味

犬にとって最も感じ取りやすく、糖に反応する受容体が一番豊富な味覚が甘味です。

甘味の代表ともいえる糖は舌先で感じ、その多くは犬が最も好みやすいものだと言われています。犬が感じ取っている甘さには、果物や砂糖などの甘さだけではなく、肉や魚などのたんぱく質が分解された時に出来るアミノ酸も甘味として含まれているため、多くの犬が肉類や魚類を好むのは、この受容体の多さが関係しています。

②酸味

甘味の次に受容体が多く、犬の舌で感じやすい味覚が酸味です。

酸味は、食べ物自体が酸化したり腐りかけていたりする場合に感じやすい味覚ですが、犬にとってもこの判断をする時の指標として舌の中央全体部分に備わっています。現在人に飼養されている多くの犬は、酸化してしまった物を食べる機会が極端に減っているため、味覚よりも先に感じる嗅覚で酸っぱさを感じれば、酸味が感じられる物を率先して口にしようとする素振りは見せないかもしれません。

しかし食に執着のある子については、この限りではない場合もあるため、拾い食いなどには注意が必要です。

③苦味

苦味は犬の舌の奥側中央部分に位置し、発達もそこまでしていないと言われている味覚です。

基本的に苦味を感じる多くの食べ物は、毒性があるものという傾向が強いため、多くの犬はこの苦味を苦手とします。また、感じ方としても甘味や酸味と比べ感じづらい、鈍感だとされる味覚のため、噛み癖矯正のために購入したしつけスプレーなどでは、最初こそ効いても後々効果が薄れてしまう傾向が強いものでもあるでしょう。

④塩味

甘味の一部に重なるように舌の両端に位置する塩味は、苦味同様あまり感じない味覚で、鈍感だと言われています。

しかし犬が好む肉や魚には適度な塩味が含まれているため、塩分が多くなければ犬はある程度の塩味を好む傾向にあると言えるでしょう。

犬はどんなものを「美味しい」と感じる?

犬にとって味を感知する味蕾細胞の大切な役割は、危険な食べ物を素早く感知し、危険を回避する事です。

食性が雑食寄りにある犬の場合、最低でも酸味のある食べ物の選別さえ出来れば、基本的に【美味しさ】に対する重要性はそこまで高くありません。

犬が持つ味蕾自体の数も、人の9,000個に比べたら約1/5の1,700個しかないため、納得だと感じます。

しかし、そんな中でも取り分けたんぱく質に対しては、犬は植物性のたんぱく質よりも肉食性のたんぱく質を好み、加えてその順位もある程度決まっているとされています。

犬の場合、肉に対する【美味しさ】の尺度は、主に『牛肉>豚肉>ラム肉>鶏肉>馬肉』という順に、好む傾向が強いのだとか。ただし、この尺度は嗅覚が正常に働く場合とそうでない場合で、違いが生まれてくる点に注意が必要です。

嗅覚が正常であれば、牛肉と豚肉などの違いを嗅ぎ分けることが可能ですが、嗅覚に異常があるとその判断は鈍るため、食への好みにも影響してくる可能性があります。

犬は、当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、肉の香りがしないものよりか肉の香りがするものを好みます。

また、嗅覚、食感、経験、美味しさがセットになって初めてその子特有の嗜好性が関係してくると言われているため、食の好みを知る際は、総合的な観点からドッグフード選びを心掛けることが大切です。

犬の嗜好性は母犬の好みと経験が影響する

犬の食べ物に対する嗜好性を知るには、その犬が胎児だった頃まで遡ることが必要です。

それはなぜかと言えば、犬の食に対する好みは、体内に居た時の母犬の好みと経験が影響するからです。また、この影響は授乳中の母犬が食べたものが、母乳の風味に影響すると離乳後には、それらと同じ香りがするご飯を好むようになることも分かっています。さらに、あるラットの実験では、妊娠中の母親の羊水にシトラール(レモンのような香り)成分を注入した結果、生まれた子がシトラールへの強い好みを示すようになったというデータも存在します。

子犬の舌は、成犬ほど発達しているわけではありません。しかし、それでも生まれた時点できちんと機能しているため、母犬の食の好みを知ることは、ご自身の愛犬の食の好みを知る一つの手段でもあります。

ただ、現在日本で子犬を迎える手段の多くをペットショップが賄っている現状では、母犬の食の好みを知る術は、ほぼ不可能です。

しかし、離乳後、母犬から離された子犬であってもある程度の嗜好性の好みを知る方法はあります。

それが、上記でも少し触れた経験です。

犬を迎える場所が例えばペットショップやブリーダーさんの元だった場合、多くは特定の味で育てられている可能性が高いと言えます。すると、その状態であった場合には食べ物への嗜好性は固定される傾向が強くなります。

一方、一般家庭から子犬を譲り受けたり、保護施設から保護犬を迎え入れたりしようとした場合には、それまでの飼い主さんの食餌の与え方などで様々な物を食べて育っている可能性が考えられるため、このような場合は、決まった食べ物よりも目新しい食べ物を次から次に食べたがる傾向が強くなります。

また、好みの中には食感も経験として含まれているため、それまでのドッグフードの食感も目安にすると良いでしょう。

食へのこだわりが強い犬種

イヌ科の動物は、基本的に一度に大量の食べ物を溜め込むことが出来る消化器官を持ち合わせています。

ただ、この傾向が一部の愛玩犬や大型犬では、食べ物に対する強いこだわりや食い意地に繋がっていることがあります。

▼【食へのこだわりが強い主な犬種】

・柴犬
・ビーグル
・ラブラドール・レトリバー
・ミニチュア・ダックスフンド
・セント・バーナード
・フレンチ・ブルドッグ

上記の犬種は、一概には言えないものの、比較的食に対するこだわりが強いことで知られています。

特に柴犬やセント・バーナードなどは、飼い主には従順で家族と認めた人たちに対しては、しっかりと愛情を向けてくれる性格の犬種である一方、興味のないことやこだわりを見せたものに対しては、とことん譲らない頑固な一面も持ち合わせています。

このため、この傾向が食に対する好き嫌いに直結してしまうと、適正体重の維持などに弊害が出てきてしまうことも…。

加えて柴犬に関しては、そのあまりのこだわりの強さで、時に『フード・アグレッシブ』を引き起こしてしまう危険性があるため、注意が必要です。

食にこだわりがあって、定期的にドッグフードを変えないと満足しないという状態に陥ってしまうことはもちろん問題ですが、それが度を越して『フード・アグレッシブ』にまでなってしまった場合には、それは定期的にフードを変えること以上に早急な対策が必要となる事態です。

人の場合でも「美味しい」と感じたものと「まずい」と感じたものとでは、その食べ物に対する嗜好性の続き方は全く違うと思います。

しかしそれは、犬でも同じで新しく食べるものがその子にとって好みの食べ物であれば、その嗜好性はかなり長続きするはずです。しかし、あまり好まない食べ物であった場合には、それは当然長くは続かないことでしょう。

そのため、食へのこだわりが強い犬種を迎えた時には、早めの内からその子に合う嗜好性を見つけてあげられるように、色々な食事を試してみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

野生で暮らしていた時代の犬にとって、元々味覚という機能は専ら危険な食べ物かそうでないかを知るためが、大半を占めていました。

しかし人に飼養されるようになった現在においては、こだわりが強いと好き嫌いにも影響して、ドッグフード選びで頭を悩ませてしまうことも多いことでしょう。

ただ、犬が持つ食への好みは、人の好き嫌いの概念と似ている部分も少なくないと思います。

そのため、愛犬のドッグフードを選んであげる際には、私たち人と同じ味覚だけではなく、生まれ育った環境や経験、その子の性格にも着目した上で選んであげてくださいね。

<参考書籍>

教養としての犬 思わず人に話したくなる犬知識130

気持ちを知ればもっと好きになる!犬の教科書

<画像元>

Canva

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。