愛犬が他の犬と仲良くしている姿を見ると、飼い主としても嬉しい気持ちになりますね。
でも一方で「初対面の犬とうまく挨拶できない」「ケンカになったらどうしよう」と悩む方も少なくありません。
犬同士の挨拶は意外と難しく、人から見ると仲良くしているように見えても、どちらかが我慢していたり、ストレスを感じている場合もあります。
では、犬同士を無理なく仲良くさせるために、飼い主さんができることはなんでしょうか。
今回は「犬同士のコミュニケーションサイン」や「初対面で失敗しないコツ」を紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<目次>
「好意はある?ない?」相手の犬に好意があるときのサインは?

初対面の犬に挨拶をさせるときは、まず自分の犬が相手に好意を持っているかを確認しましょう。
相手の犬に興味がある場合は、下記のような仕草をします。
▼愛犬が相手の犬に好意があるときのサイン
・甘えた声で「クンクン」鳴く
・尻尾をゆっくり優しく振る
・体に力が入りすぎていない
・目元が緩んでいる
・口元が緩んでいる
・接した後にお尻の匂いを嗅ぎ合う
・接した後にプレイバウ(遊びに誘うおじぎ)をする
相手の犬に好意があるときは、体に力が入りすぎず、目元や口元が緩んでいるといった全体的に柔らかい仕草をします。
また、尻尾を自然に振りながらゆっくり近づいたり、弧を描くように相手の近づくのは「あなたに敵意はありません」という犬同士のサインです。
愛犬が上記のような近づき方をしたり、耳や目元、口元がリラックスして少し開いている状態であれば、相手に好意があるサインなので、うまくコミュニケーションをとれる可能性は高いでしょう。
「見落とし注意」相手の犬が嫌がっているときのサインは?

自分の犬に好意があっても、相手の犬が同じように好意があるとは限りません。
相手の犬が嫌がっているのに、自分の犬を近づけてしまうと、ケンカに発展する可能性もあります。
では、相手の犬が好意を持っていない場合は、どんなサインが出るのでしょうか。
▼相手の犬が嫌がっているときのサイン
・体の動きが一瞬ピタッと止まる
・表情や耳の動きが硬い
・後ずさりやその場から去ろうとする
・顔を背ける
・あくびをする
・お尻の匂いをかがせるのを嫌がる
・鼻の頭をなめる
・地面の匂いを嗅ぎ始める
・尻尾が下がる・ピンと上がる
上記のようなサインが見られたときは、挨拶をさせるのを諦めましょう。
犬は嫌なことがあっても、いきなり怒るわけではなく「これ以上はやめてほしい」というサインを事前に何度も出しています。
例えば「顔を背ける」「あくびをする」「地面のにおいを嗅ぎ始める」といった仕草はカーミングシグナルといい、犬が自分や相手を落ち着かせようとしているときに見せるサインです。
さらに注意したいのが「体の動きがピタッと止まる」「視線をじっと固定する」「表情や口元がきゅっ固くなる」といった変化です。
一見、何の問題ないように見えますが、実は緊張が高まっており「それ以上は近づかないで」というサインなので、うっかり近づくと威嚇やケンカに発展する可能性があります。
こういったサインを見落として「まだ吠えていないから大丈夫」と愛犬を近づけてしまうと関係が悪化してしまうかもしれません。
「ちょっとまずいかも」と感じた時点ですぐに対応できるかが、トラブルを未然に防ぐポイントになります。
「仲良くさせるコツは?」犬同士を仲良くさせるために飼い主ができること

これまでの内容で、犬同士の挨拶を成功させるには「嫌がっているサインを見落とさないこと」「犬同士が好意を持っていること」が大切ということがお分かりいただけたと思います。
では、飼い主さんの振る舞いはどうなのでしょうか。
実は犬同士を仲良くさせるために、飼い主さんにできる手助けがたくさんあります。
犬同士を仲良くさせるために、飼い主さんができることを5つ紹介します。
▼「犬同士を仲良くさせるために飼い主ができること5つ」
①「愛犬が落ち着いた状態で挨拶させる」
②「正面から近づけない」
③「リードをピンと張らない」
④「飼い主さんもリラックスして会話」
⑤「相性が悪そうだったらすぐに移動」
①「愛犬が落ち着いた状態で挨拶させる」
よく見かけるのが、前のめりで興奮しながら挨拶にくる場合です。
興奮した状態は、飼い主のコントロールが効きにくいだけでなく、吠えやケンカに発展しやすいです。
相手の犬も身構えて警戒しやすくなってしまうので、一度愛犬を落ち着けてから、挨拶させるようにしましょう。
②「正面から近づけない」
先ほどもお話しましたが、正面から近づくと犬同士目が合いやすく、威圧感があるのでケンカに発展しやすいです。
なるべく横から弧を描くように相手の犬に近づきましょう。
③「リードをピンと張らない」
犬同士がケンカにならないようにと、リードを短く持ってしまいがちですが、実はこれは逆効果です。
「リードを付けられている=動きが制限されている」状態なので、リードを付けられての犬同士の挨拶は少なからずストレスがかかっています。
それをさらに短くピンと張ってしまうと、犬の動きはより制限されるので逃げ場がなく、嫌なことをされると攻撃するしか逃げ場がなくなってしまいます。
よりケンカに発展しやすい状況を作っているのと同じなので、すぐに動けるリードの長さにしつつ、なるべくリードは緩めておきましょう。
④「飼い主さんもリラックスして会話」
初対面の犬の場合「大丈夫かな」「ケンカにならないかな」と不安になってしまいがちですが、飼い主さんの緊張は犬にも伝わります。
飼い主さんの様子も犬は見ているので、思い切って飼い主さんもリラックスして接するようにしましょう。
⑤「相性が悪そうだったらすぐに移動」
相性が悪そうだなと感じたら、すぐに距離をとって移動しましょう。
ケンカにならなくても、何度も嫌な経験を繰り返すと、その犬の印象が変化しケンカに発展してしまうことがあります。
何度かすれ違っている内にタイミングや気分が合って、挨拶できることもあるので、無理に毎回挨拶させず、犬同士嫌な印象を作らないように気をつけましょう。
「無理に仲良くさせないで」愛犬が嫌がるときの守り方

愛犬が嫌がっているのに相手の犬が近づいてきたり、相手の飼い主さんが気づかずに犬を近づけてくる場合もありますね。
そんなときは、「まぁいいか」と見守るのではなく、飼い主さんが介入してあげましょう。
先ほどもお話ししたように、最初は問題なくても嫌な経験を繰り返すことで、印象が変わりケンカに発展することもありますし、「他の犬は怖い」という印象が強くなり、犬嫌いになってしまうこともあります。
「うちの子、怖がりなんです」と挨拶を断るのでもいいですし、断るのが難しい場合は、愛犬と相手の犬の間にそっと入り、さりげなく視線を遮ってあげましょう。
視線が遮られると愛犬は「守ってもらえた」と感じやすくなりますし、相手の犬は「ダメなことしたのかな?」と距離をとってくれやすくなります。
犬同士にも相性がありますし、すべての犬と仲良くなる必要はありません。
無理に仲良くさせるより、安心できる経験を増やすことが、犬同士の挨拶を成功させるポイントです。

犬にはそれぞれ性格や相性があり、誰とでも仲良くなれるわけではありません。
ですが、飼い主さんが愛犬や相手の犬の仕草を見落とさないことで、トラブルはぐっと減らせます。
無理に距離を縮めなくても、愛犬が心地良いと感じる犬に接していくことで、上手に挨拶ができる犬に育っていってくれます。
愛犬が「他の犬といるのも悪くないな」と思える経験を少しずつ積み重ねてあげましょう。
<参考書籍>
・ドッグ・トレーナーに必要な「子犬レッスン」テクニック
ヴィベケ リーセ (著) 藤田 りか子
・犬の行動学入門 鹿野正顕、中村広基 (著), 森 裕司 (監修)
・動物看護のための動物行動学 森 裕司 (著)
<画像元>
canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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