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「社会化を逃した犬はどうなる?」「犬の社会化はいつまで?」犬の社会化に関する疑問6選

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「犬の社会化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

子犬には社会化期と呼ばれる時期があり、この時期に外の世界や物と接触することが、犬の精神的な成長に関わっていると考えられており、しつけやトレーニングもこの時期が向いていると言われています。

では、この社会化期に何もしなかったら、犬はどうなってしまうのでしょうか。

今回は「犬の社会化」に関する疑問を6つご紹介します。

「社会化は子犬の時だけすればいいの?」「何回くらい社会化させればいいの?」といった疑問も解説して行きますので、ぜひ最後までご覧ください。

犬の社会化に関する疑問①「犬の社会化は何をすればいいの?」

よく「犬の社会化」という言葉を聞きますが、具体的に何をすればいいのでしょうか。

子犬の周りは初めての音や物であふれています。

子犬には経験値がないので、それが「安全なのか」「危険なのか」の判断がつきません。

そのため、初めて見る物や音に対して警戒したり、怖がったりすることがあります。

それを「怖くないよ」と教えていくのが、犬の社会化です。

例えばドライヤーに慣れさせたい場合、「ドライヤーの周りにおやつを撒いて食べさせる」「ドライヤーの音を聞かせた後におやつを与える」など「ドライヤー=良いことが起こった」という経験を増やして、ドライヤーに対する警戒心を減らしていきます。

つまり社会化では、初めて出会った物や音、人に対して「子犬にどういい印象を持ってもらうか」が大事なポイントになります。

犬の社会化に関する疑問②「犬の社会化はいつまで?」

犬の社会化とはいつのことを指すのでしょうか。

犬の社会化期を下の図にまとめました。

▼犬の社会化期はいつまで?

犬の社会化期は「生後3週齢~12週齢」と言われています。

ペットショップやブリーダーなどでは、子犬が生まれてから8週齢を経過するまでは販売をしてはいけないと定められているため、飼い主さんが子犬と過ごせる社会化期は約1ヶ月と非常に短いです。

社会化期を過ぎると、警戒心や恐怖を感じやすい時期に入ります。

愛犬に慣れさせたいことをピックアップしておき、たくさんの人や物や音と触れあわせて、愛犬が生きていきやすいベースをこの時期に作ってあげましょう。

犬の社会化に関する疑問③「犬の社会化は何回くらいすればいいの?」

社会化は初めて見る物や音に対して「怖くないよ」と教えていくこととお話しました。

では、こういった慣らし行動は何回くらいすればよいのでしょうか。

人間側はつい「〇回したから慣れたよね」と思ってしまいがちですが、犬の中で「怖くないことなんだ」と学習できていなければ意味がありません。

社会化は何回やったから大丈夫というものではないのですね。

そのため、慣れさせる内容によっては数カ月かかる場合もあります。

犬が「もう大丈夫」と自信をもって行動できるまで、飼い主さんがサポートしてあげましょう。

犬の社会化に関する疑問④「子犬のときだけ社会化をすればいいの?」

先ほど、社会化期は「生後3週齢~12週齢」とお話しました。

そのため、社会化は子犬の時だけすればOKと思うかもしれませんが、社会化期が終わった後も社会化を続けていく必要があります。

近年、研究によって犬にも人間と同じような「思春期」があることがわかってきました。

思春期は警戒心や恐怖心が高まったり、自己主張が強くなる時期です。

そのため月齢6~9カ月ごろになると、飼い主さんのいう事を急に聞かなくなったり、落ち着きなくそわそわするといった行動がみられることがあります。

子犬のときに社会化をしっかりやったからと、急に社会化をやめてしまうと今後の生活に支障が出る可能性があります。

犬の社会化は一時的な物ではなく、一生涯行うことが大切です。

犬の社会化に関する疑問⑤「社会化をしたのに苦手な物があるのはなぜ?」

・掃除機に慣らしたのに、他の場所で掃除機を見ると吠えかかる
・家のドライヤーは平気だけど、トリミングサロンのドライヤーは嫌がる

上記のように社会化で苦手な物に慣らしたはずなのに、物や場所が変わると怖がったり警戒したりすることがあります。

どうして社会化をしたのに、こういったことが起きるのでしょうか。

私たち人は、家にあるドライヤーと旅館にあるドライヤーは形や色や音は違うけれど、同じドライヤーだと認識して使うことができますね。

このように同一の物ではないけれど、同じような物だと認識できることを専門用語で「般化」といいます。

この般化が犬はとても苦手です。

そのため、例えば社会化で家のドライヤーに慣らしたとしても、他の場所で出てきたドライヤーを同じ物だと認識できず「初めて見るもの、怖い」と恐怖を抱いてしまいます。

そのため、社会化を進めるときは、色々な形や音のドライヤーと接して慣らす必要が出できます。

この般化を知らずに社会化を進めてしまうと、たくさん練習をしたのに苦手な物がたくさんあるという状況に陥ってしまいます。

犬の社会化に関する疑問⑥「社会化を逃した犬はどうなるの?」

これまでの内容を見ていくと、犬が生きていくうえで社会化は非常に重要ということがわかります。

では、この社会化期に社会化をしなかった犬はどうなってしまうのでしょうか。

社会化を十分できていないまま成長してしまうと、色々な音に敏感に反応して吠えたり、初めての物や場所を怖がるといった行動が現れやすくなります。

ただ、社会化期を逃したからもうすべて手遅れなのかというと、そうではありません。

社会化期の後でも色々な音や物に慣らしたりすることは可能です。

ただ、物事を受け入れる柔軟さは社会化期に比べると劣るので、環境設定をしっかりしたり時間を十分にかけるなど、根気強く進めていくことが大切です。

犬の元々の気質や学習が関係していることもあるので「社会化できていない=問題行動の原因すべて」というわけではありません。

ただ、社会化期にどんな経験をさせるかで、その犬の生き方が大きく変わってきます。

社会化に関して正しい知識を身につけて、飼い主さんも愛犬も生きやすい環境を作ってあげたいですね。

<参考URL>

Teenage dogs? Evidence for adolescent-phase conflict behaviour and an association between attachment to humans and pubertal timing in the domestic dog
>https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2020.0097

<参考書籍>

こころのワクチン 村田香織 (著)

ドッグ・トレーナーに必要な「子犬レッスン」テクニック ヴィベケ リーセ (著), 藤田 りか子

<画像元>

canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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