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温暖地域に適した犬種はいる?比較的暑さに強い犬種や飼養する際の注意点、暑さ対策ポイント

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犬は基本的に暑さに弱く、寒さには強い動物と言われています。

そのため、多くの飼い主さんが夏場には愛犬のための暑さ対策を徹底していることでしょう。ただ、人にも暑さに強いタイプと暑さに弱いタイプが居るように、犬にも似たような違いというのはないのでしょうか?

今回は、比較的暑さに強い犬種や、それら犬種を飼養する際の注意点、そして暑さ対策のポイントなどをご紹介します。

暑さに強い犬種の特徴って?

犬の体温調整は多くの場合、口を開けて舌をハァハァとさせるパンティングという動作によって、気化熱を発生させ、体温の低下を図ります。

それは、どんな犬種であっても変わらないため、『全くもって暑さなんてヘッチャラ!』という犬種は、そもそも存在しません。

しかし、そんな中でもある特定の犬種や暑さに強い特徴を持ち合わせた犬種の場合には、暑さへの耐性をある程度備えていることがあります。

まずはその特徴をいくつか確認してみましょう。

熱い地域原産の犬

暑さに比較的強い耐性を持ち合わせる犬種の特徴の一つに、その犬種の原産地が関係していることがあります。

例えばエジプトやメキシコ、中央アフリカなど、気候がどちらかというと暑い地域原産の犬種では、シベリア原産のシベリアン・ハスキーやサモエド、アラスカ原産のアラスカン・マラミュートといった犬種よりもだいぶ暑さに耐性が強いと言えます。

短頭種ではない犬

フレンチ・ブルドッグやパグ、ボストン・テリアといった短頭種に分類される犬種ではない犬は、そもそも気道が確保されており、短頭種と比べるとだいぶ暑さに強い傾向があります。

マズル(口吻)が長い犬では、気道の長さのおかげで呼吸がスムーズにしやすいことに加え、効率の良いパンティングが行えるため、体温を下げやすいということもあって、比較的暑さに耐性が強いと言えます。

持病のない犬

例えば熱い地域原産の犬であっても、心臓病や肥満といった持病があるような犬種の場合、病気によって代謝が落ちてしまっていたり、呼吸器系等が弱まってしまっていたりした際には、体温調整がスムーズに行えず、暑さに弱くなってしまいます。

しかし、そのような持病も特にないような健康的な犬の場合、暑さへの耐性は比較的強いと言えるでしょう。

比較的暑さに強い犬種5選!

それでは、上記の特徴を踏まえた温暖地域でも比較的暑さに強く、適応しやすい犬種をここでは5犬種ご紹介します。

暑さに比較的強い犬種①:バセンジー

一年を通して気温が比較的高い地域の中央アフリカのコンゴを原産とした犬種のバセンジーは、比較的暑さに強い犬種と言われています。

シングルコート且つ短毛という特徴を持ち合わせていることもあって、高温多湿の環境下が多い日本の風土は、バセンジーの故郷とされているコンゴとも通じる部分があるため、比較的適応しやすい犬種だと言えるでしょう。

ただし、ごく短い短毛でもあるため、紫外線などには注意が必要です。暑さに強い犬種と言っても、陽の高い時間の散歩は避けるよう注意しましょう。

暑さに比較的強い犬種②:サルーキ

冬は温暖で、夏場は暑い気候の多いエジプトを原産としたサルーキは、古くから鹿(レイヨウ)狩りや鷹狩り、ジャッカル、キツネ、野ウサギ、イノシシなどの狩りに活躍してきた犬種で比較的暑さにも強いと言われています。

またサルーキは、エジプトにおいてもカイロという高温多湿の地域で生活してきたため、日本の風土と似たような環境にも比較的適応しやすい犬種と言えるでしょう。

ただし、この犬種は耳や尻尾、四肢の飾り毛以外の体毛はごく短毛の犬種でもあるため、直射日光などには注意が必要です。

暑さに比較的強い犬種③:ジャック・ラッセル・テリア

日本と同様四季がありつつも、日本と比べると比較的穏やかな気候が多いイギリス原産のジャック・ラッセル・テリアは、このような穏やかな気候ではあるものの、比較的暑さにも強い犬種だと言われています。

その理由はジャック・ラッセル・テリアが、元々一年を通した狩猟犬として作出された犬種だからです。

ただし、原産国のイギリスの夏は、どちらかというと涼しくカラッとした日が多いため、日本の高温多湿という風土で生活をする場合には、湿度管理は徹底することが大切です。

暑さに比較的強い犬種④:ビーグル

ジャック・ラッセル・テリア同様、イギリスを原産とするビーグルは、ヨーロッパの多くの国でウサギ狩りの猟犬として活躍してきた犬種で、比較的暑さにも寒さにも耐性があると言われています。

小型犬でダブルコートの毛質ではあるものの、短毛のため通気性はよく、身体も基本的に丈夫なため、日本の高温多湿化の環境下にも適しやすい犬種と言えるでしょう。

ただしビーグルは食欲旺盛な一面を持ち合わせているため、しっかりとした運動量と体重管理が必要です。

暑さに比較的強い犬種⑤:柴犬

日本原産の土着犬で、尚且つ日本の高温多湿環境下の元、生活を共にしてきた柴犬は、比較的暑さに強い犬種と言われています。

日本犬の中では唯一の小型でビーグル同様ダブルコートではありますが、程よい短毛で且つしっかりとブラッシングを行なえば、通気性の良さで暑さへの耐性を持たせつつ、紫外線への影響も最小限にすることが可能です。

ただしブラッシングを怠ってしまうと、柴犬の豊富な被毛の奥に残った死毛が通気性を悪くして、かえって熱中症を招く可能性があるため、しっかりとしたケアは怠らないよう注意しましょう。

暑さに強い犬種でも飼養する際の注意点

ただ、基本的に犬はどんな犬種であっても暑さを苦手とする動物であることに変わりはありません。

特に暑さに強い犬種の場合、「暑さに強いから湿度にも強いだろう」と勝手に思い込んでしまうと、思わぬ事態を招いてしまう可能性があります。

暑さに強い犬種の特徴は、あくまでも『暑さ』にのみフォーカスしているものであって、【湿度】に対してはまた別物です。

アメリカのアイオワ州では、ビーグル4頭による暑さへの順応に関する研究を行ったデータが存在します。

随分古い文献ではあるものの、その研究では、4頭のビーグルに暑い環境下(38℃±2℃)で1日1時間の運動をさせた場合、最初の曝露から10日以内に熱順化(運動後の心拍数と体温の低下)の証拠を示したという結果が得られたそうです。

これは仮に人間に置き換えた場合、「暑さに慣れることで発汗を促し、暑さに対する耐性を付ける」という【暑熱順化】の状況が、ある程度犬にも備わっていることを示したものでした。

けれどこの研究内容も、あくまで『暑さ』に対して向けたものであって、【湿度】に対して向けたものではありません。

私たち人でもカラッとした湿度の低い暑さなら、汗の蒸発によって生まれる気化熱で涼しさも感じられますが、ジメッとした湿度の高い暑さだと汗の蒸発も見込めず、蒸し暑いまま涼しさが感じられない状況となってしまいます。

しかしこれは、犬の場合でもあまり変わりありません。

むしろ犬の方が豊富な被毛に覆われているため、しっかりとした温度管理・湿度管理を徹底しないと、熱中症や夏バテなどの原因となってしまう可能性が高いです。

そのため、どんなに暑さに強い犬種だからと言っても、日本の高温多湿の気候で犬を飼養する際には、暑さだけではなく湿度にも注意するよう心掛けましょう。

暑さ対策の基本ポイント

暑さに比較的耐性がある犬でも、やはり年々暑さが増しているため、しっかりとした暑さ対策は必須です。

以下は、月並みではあるものの最低限押さえておきたい暑さ対策の基本ポイントです。以下のポイントを守ることで、犬の快適な夏の過ごし方の参考になさってくださいね。

こまめな水分補給

暑さと湿気が厳しくなる梅雨~夏場にかけては、こまめな水分補給が出来るように、常に清潔な水が飲めるような環境を整えておいてあげましょう。

また、もしも水分をあまり摂らないことがあるような時には、ウェットフードや鶏肉を茹でた煮汁などを冷まして与えるでも構いません。どんな形であっても、夏場の暑い時期のこまめな水分補給は欠かさないようにしましょう。

ブラッシングを欠かさない

梅雨~夏場のブラッシングは、他の季節よりもこまめに行うことで、通気性を高めます。

特に暑さに強い特徴を持ちつつもダブルコートの被毛を持つ犬種には、毎日のブラッシングを欠かさないことで、通気性の良さをしっかりと保ってあげましょう。

散歩時間の調整

いくら暑さに耐性が強い犬種と言っても、散歩時間が日中では元も子もありません。

暑い日の散歩をする際は、朝は大体5時~6時頃までを目安に、夜は日没後一時間以上を経過した後を目安に、散歩へ出掛けてあげましょう。

温度管理・湿度管理の徹底

日本の高温多湿環境下では、どうしても梅雨~夏場は蒸し暑さが増してしまいます。

ご自身も愛犬も熱中症にならないためには、エアコン・扇風機の使用やサーキュレーターの使用をしっかりと活用し、常に室内の温度を一定に保てるようにしておきましょう。

まとめ

今回は、温暖地域でも比較的暑さに強い犬種の特徴、その主な犬種や注意点、対策ポイントについてご紹介しました。

暑さが比較的強いと言われる犬種には、他にもいくつか存在します。しかし、例え暑さに強くても、湿度との兼ね合いを忘れずに、愛犬の暑さ対策はしっかり徹底してあげてください。

<参考サイト>

Acclimation to heat of the beagle dog|ビーグル犬の暑さへの順応
>https://link.springer.com/article/10.1007/BF01440680

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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