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愛犬が抜歯をした後に注意すること!食事や口内ケア・元気がないときについて【動物看護師が解説】

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「愛犬が抜歯をしてからなんだか元気がない」「たくさん抜歯されたけど大丈夫かな?」など、犬の抜歯に関するお悩みは多いですね。

抜歯後に後悔をしないために、犬の抜歯をした後に注意することをまとめてみました。

「抜歯を検討している」「近々、抜歯の予定がある」という飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にして「抜歯後に気をつけること」を覚えてくださいね。

そもそも犬の「抜歯」って必要なの?

歯石除去に行って「歯がダメになっているから抜きましょう」と言われることは多いです。

思ったより多く抜かれると「そんなに抜いて平気なの?」「抜歯してかわいそう」と思ってしまうのが飼い主さんの心情ですね。

でも獣医師さんもむやみに抜いているわけではなく、きちんと基準をもって抜歯を行っています。

抜歯が必要なときはどんなとき?
●乳歯と永久歯が並んで生えており、乳歯が抜け落ちないとき
●歯が折れてしまって修復できないとき
●歯があることでトラブルの根本的治療ができないとき
●歯周病が悪化して、歯を支える骨が溶けているとき
●歯周病が悪化して、あごの骨が折れているとき
●歯のぐらつきがひどいとき

抜歯の前にはレントゲンを撮って歯の状態をより詳しく診るので、目視や触診で見つけられなかった歯のトラブルを見つけることもあります。

今後深刻なトラブルに進行する可能性が高いと判断されると、飼い主さんが思ったよりも多く抜歯されてしまうこともあります。

しかし抜歯対象の歯を無理に残すと、口内の血管から体の中に菌が入ったり、歯周病が進行して頬や鼻に穴が空いてしまうなど、更に深刻なトラブル引き起こすこともあります。

残せる歯はできるかぎり残すというのは大前提ですが、あまり抜歯に否定的になりすぎないようにしましょう。

犬の「抜歯後」の食事はどうすればいいの?

さて、抜歯が終わった後のご飯はどうすればいいのでしょうか。

「歯が無いからご飯が食べられないのでは」と思うかもしれませんが、人と違って犬の歯は喉を通る大きさに食べ物をちぎることがメインなので、歯が無くてもご飯を食べることができます。

ただ、抜歯の後は歯肉を縫っているので、その部分に物が当たると非常に痛いです。

あまり硬い物を与えると食べかすが傷口に入りやすいですし、傷口も開きやすくなるので、抜歯から2週間くらいはドッグフードをお湯でふやかすなど、柔らかめのご飯を与えるようにしましょう。

抜歯後、愛犬の食欲がないときはどうすればいいの?

<痛みで食欲がわかない場合>

麻酔が切れると、痛くて食欲がわかないこともあります。

どうしても食べたがらない場合は、無理に食べさせず食欲が出るまで待ってあげましょう((ただし水分はなるべく取らせてあげてください)。

当日は食べられなくても、翌日の朝になると少し食べられるようになることもあります。

ただご飯を食べた方が回復は早いので、好きなオヤツを柔らかくしてあげる、ドライフードをお肉のゆで汁でふやかしてペースト状にして与えるなど、1口でも食べられるように工夫をしてあげましょう。

お水も常温やぬるま湯など、傷口に刺激を受けにくいようにしてあげましょう。

<歯が無いので食べにくい場合>

「今まであった歯」が無いので、食べ物が食べにくくなり、食欲がわかない場合もあります(特に前歯がないと物を咥え上げたりつかみにくいです)。

慣れるまではご飯を手であげたり、お皿を斜めにして一カ所にご飯を集めるなど、食べやすくなるように補助してあげましょう。

犬が「抜歯後」に元気がないときは、どうすればいいの?

愛犬が抜歯の後に元気がなくてぐったりしているという事もよく聞きますね。

痛みに敏感な子(小型犬や柴犬が多い)は、特にぐったりしている事が多いです。

抜歯の痛みもありますし、術前検査や麻酔のための絶食をしているので、抜歯後は元気がないという子が多いですが、3日ほどするとだいぶ回復してきます。

痛み止めと抗生物質が処方されていると思うのでしっかりと与えて、ケージにタオルをかけて薄暗くするなど、ゆっくり休める環境を作ってあげましょう。

3日経ってもぐったりしている、食欲もないという場合は、別のトラブルが起きている可能性もあるので、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

抜歯後の散歩や遊びはどうすればいいの?

抜歯後に激しい運動をすると、血行がよくなり痛みや出血が激しくなります。

抜歯から3日ほどは、家の周りやお庭での匂い嗅ぎや排泄程度にとどめておきましょう。

また、噛む遊びや引っ張りっこなどの激しめの遊びは、縫合場所からの出血や痛みを誘発させる可能性があるので、3週間ほど避けてください。

犬の「抜歯後」の生活で気をつけること

今までの内容で「抜歯をした後の食事」や「元気がないときの注意点」などはお分かりいただけたと思います。

それでは「抜歯をした後の日常生活」で気をつけていくことはなんでしょうか。

抜歯後の生活で気をつけること
口の周りをきれいにしてあげる
●歯磨きや口腔ケアに力を入れよう
●硬すぎるオヤツを与えない

口の周りをきれいにしてあげる

抜歯の数が多かったり抜歯した場所によっては、食事のときに食べこぼしが増えたり、よだれなどで口の周りが汚れることが多くなる事があります。

汚れたまま放っておくと、皮膚炎を起こしたり雑菌がついて毛が黒くなりがちです。

口の周りが汚れていると感じたら、濡れタオルで拭いてあげるなど清潔を保つように心がけてください。

歯磨きや口腔ケアに力を入れよう

歯石除去や抜歯をしても、口内ケアや歯みがきをしないとまた同じ状態になってしまいます。

ほとんどの歯を抜歯したとしても、食事後に口の中の食べかすを取ったり、口内ケアのスプレーをして口の中を綺麗に保つことはとても大切です。

いつまでも歯で物を噛めるという事は脳へのいい刺激になりますし、犬にとっても生きがいになります。

残った歯を大事にケアしてあげましょう。

抜歯後の歯みがきの注意点!
抜歯後は3日後から歯みがきを開始してもOK。
ただし、縫合している箇所は出血や痛みをまねく恐れがあるので、2週間ほどは触らないようにしてください。

硬すぎるオヤツを与えない

歯みがきに苦手意識がある方は、硬めのオヤツをあげて歯のケアをしている場合がありますね。

硬すぎるオヤツ(ヒヅメや鹿のツノなど)は歯が折れたり、割れたりする可能性があるので、オヤツ選びは十分注意してください。

硬さの目安としては「手でちぎれる」か「ハサミで切れるくらいの硬さ」のオヤツがオススメです。

抜歯後に愛犬がぐったりしていたりすると、「この選択は正しかったのかな」と不安になることも多いですね。

麻酔を使うので非常に悩む選択ですし、術後に容体が悪くなる可能性もゼロではありません。

しかし犬にとって「食べる」という事は、犬生の中で大きな楽しみの一つであり、抜歯を含めた歯科処置を行うことで食べる事を快適にしてあげるのは、とても大切なことです。

いつまでも自分の歯で物が食べれるように、抜歯後は口内ケアに力をいれてあげましょうね。

<参考URL>

pet_dental 2021年3月7日 歯科インスタライブ サーカス動物病院 院長/歯科担当 平塚彰吾
>https://www.instagram.com/p/CMHVwZGplzV/

<参考書籍>

基礎から学ぶ小動物の歯科診療 Vol.1 藤田桂一  (著)

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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