「犬が麦茶を飲んだり舐めても大丈夫？」 犬への効果や注意点を解説

夏の定番の飲み物といえば「麦茶」ですね。

カフェインレスで口当たりもやさしく、赤ちゃんからお年寄りまで幅広く飲まれている麦茶ですが、ふと犬にも与えていいのかなと思ったことはありませんか?

今回は「犬に麦茶を与えて大丈夫なのか」や「麦茶を与えるときの注意点」を解説します。

「麦茶を飲ませるのがNGな犬」も合わせて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

犬は麦茶を舐めたり飲んだりしても大丈夫？

結論からいうと、犬が麦茶を少量舐めたり飲んだりしても基本的には問題ありません。

麦茶にはカフェインやカテキンといった犬に有害な成分が含まれていないため、中毒などを引き起こす心配はありません。

夏場は熱中症予防に水分補給が重要ですが、なかなか水分を取ってくれないことがありますね。

そんなときに麦茶を与えると香ばしい香りに惹かれて飲んでくれる場合があるので、水分が不足しがちな夏場に与えるのもオススメです。

ほとんどの場合、麦茶に添加物などは含まれていませんが、まれに砂糖や香料が含まれているものもあるので、原料表示を確認したうえで与えるようにしましょう。

「こんな犬は麦茶を飲むのはNG！」麦茶を与える場合の注意点

麦茶は犬に与えてもいい飲み物ですが、一方で注意しなければならないこともあります。

犬に麦茶を与える場合の注意点をまとめました。

・尿路結石・腎臓病を患った犬には与えない

「尿路結石」「腎臓病」を患ったことがある犬や「結石ができやすい」と言われたことがある犬は麦茶を飲まないようにしましょう。

麦茶にはカリウムやミネラルが含まれているので、過剰に接種した場合、尿結石などを引き起こす恐れがあります。

健康な犬であったり少量与える分には問題ありませんが、過去に腎臓病などにかかったことがある場合、控えておいたほうがよいでしょう。

持病があるけれど麦茶を与えたい場合は、事前に獣医師さんに相談してからにしましょう。

・アレルギーを持っている犬には与えない

小麦やイネ科の植物にアレルギーを持っている犬は麦茶を飲まないほうがよいでしょう。

麦茶の原料は大麦ですが、同じイネ科の小麦には「交差抗原性」があるのでアレルギーが起きる可能性がゼロではありません。

小麦アレルギーの原因であるグルテンが麦茶に含まれているわけではないので、過剰に心配する必要はありませんが、愛犬にアレルギーがあることがわかっている場合は、避けておいた方が安心です。

・お茶バックの誤飲に注意する

麦茶を作るときはお茶パックを利用する方が多いと思いますが、愛犬がお茶パックを誤飲しないように注意してください。

香ばしい匂いに惹かれてゴミ箱をあさって誤飲したり、飼い主さんがうっかり落としたお茶パックを犬が拾い食いしてしまうことがあります。

パッグごと誤飲すると、パックが腸に詰まり腸閉塞を引き起こす可能性があります。

もし誤飲をしてしまった場合、経過時間によって動物病院で取れる処置が変わってくるので、誤飲を発見した時点ですぐに動物病院に連絡をしてください。

・水で薄める

犬に麦茶を与える場合は、水で2～3倍に薄めてから与えましょう。

人には丁度よい濃さですが、犬には濃すぎる場合があります。

また頻繁に麦茶を与えていると、味がついた飲み物に慣れて水を嫌がるようになることがあるので、注意しましょう。

犬に麦茶を与えたらどんな効果があるの？

犬に麦茶を与えると、どんな効果があるのでしょうか。

麦茶を犬に与えると期待できる効果を一覧にまとめました。

・胃粘膜の保護に役立つ

ラットの研究ではありますが、麦茶のエキスで胃粘膜の損傷を抑えることができたと報告があります。

そのため、ラットと同様に麦茶を与えると犬の粘膜を保護に役立つ可能性があります。

・血液をサラサラにする

麦茶の香ばしい香りは「アルキルピラジン」という成分によるものですが、この「アルキルピラジン」は血行促進やストレス緩和の働きがあると言われています。

そのため、犬に麦茶を飲ませると血液をサラサラにする効果が期待できます。

・ミネラル補給

麦茶にはナトリウムやカリウムなどのミネラルが含まれているので、効率的にミネラルを接種することができます。

犬はミネラルを体の中で合成することができないので、食事から接種する必要があります。

過剰摂取は病気を招いてしまいますが、適度に接種すると歯や骨の形成や体液バランスの調整など、生理機能のサポートに役立ちます。

・抗酸化作用でアンチエイジング

麦茶には「カテコール」と「ゲンチシン酸」というポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールには抗酸化作用があるので、犬のアンチエイジング効果が期待できます。

犬に麦茶以外のお茶を与えていいの？

犬に麦茶を与えていいと聞くと、他のお茶も与えていいのか気になりますね。

犬に与えていいお茶と与えてはいけないお茶を一覧にまとめました。

犬はカフェインを接種するとカフェイン中毒を引き起こします。

脈拍や心拍数の上昇、興奮などを引き起こし、重篤な場合は死に至ります。

そのため、犬にお茶を与える場合は「カフェイン」が含まれていないかをチェックしましょう。

上記のお茶には犬が中毒を起こすカフェインが含まれていないので、犬に与えることができます。

ただ、ブレンドティーの中にはカフェインが含まれるお茶がブレンドされていることがあるので、原材料表示を必ず確認するようにしましょう。

私たちの身近にあるお茶ばかりですが、上記のお茶にはカフェインが含まれているので、犬に与えることはやめましょう。

特に緑茶の一種の玉露は含まれるカフェイン量が多いので、飼い主さんが飲む場合は犬が口にしないように注意しましょう。

麦茶は与え方や体質に注意すれば犬にも与えることができるお茶ですが、あくまでも水分補給のサポートとして考えることが大切です。

常飲させると水を飲まなくなる可能性もあるので、時々のご褒美やアクセントとして使うようにしてくださいね。

＜参考書籍＞

動物看護のための小動物栄養学 改訂3版　阿部又信(著者), 日本小動物獣医師会動(著者)

＜参考URL＞

嗜好飲料として注目されている麦茶の成分と機能
＞https://www.jstage.jst.go.jp/article/sst/10/1/10_53/_pdf

からだにいいこといっぱい、麦茶のススメ
＞https://www.hakubaku.co.jp/omugi-lab/maintenance/mugicha/

＜画像元＞

canva

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• この記事を書いた人
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伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会　動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

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