大きいからって怖がらないで！大型犬オーナーの本音

　大型犬を連れていると、出会う人やわんちゃんから実に様々な反応を受けます。我が家の愛犬がフレンドリーで知られているゴールデン・レトリーバーという犬種のためか、ほとんどの場合好意的なものではありますが、時には思いがけない言葉に傷つくことも…。

わんちゃんのサイズにかかわらず、同じ愛犬家として分かり合えたらうれしいなという気持ちで、今回は大型犬オーナーの本音をお伝えしたいと思います。

大型犬あるある！

　我が家の愛犬は現在3歳、体重37㎏。初めて見た方にはまず「大きい！」と言われることがほとんどです。

もちろんもっと大きな犬種はありますが、そう頻繁に見かけることはありませんし、小型～中型犬オーナーさんにとっては十分すぎるほどの大きさでしょう。

飼い主さんの驚きや恐怖を感じ取るのか、小さなわんちゃんに吠えられたり噛みつかれそうになったりすることがしばしばあります。そんな時よく聞くのが「大きくて怖いね」「食べられちゃいそう」「そんな大きな子には勝てないよ！」という言葉。

また、あからさまに避けたり飛びのいたり、急いでわんちゃんを抱き上げたりする行動もありがちです。小型犬オーナーさんにも何らかの理由はあるのかもしれませんが、そんな様子を見聞きするたび悲しい気持ちになってしまう大型犬オーナーさんは少なくないのではないでしょうか。

我が愛犬は確かに大きいけど、吠えられたらシュンとなって私の後ろに隠れてしまう気弱な性格です。売られたケンカを買うタイプではないし、万が一にでもそんなことにならないようトレーニングもしています。

他のわんちゃん、特に小さい子が大好きであいさつしたがりますが、大きな足で踏んでしまわないように非常に気を遣ってもいます。ボディサインを読めば我が愛犬が危害を加えるつもりがないことは明らかなのですが、どうもそれが伝わらないことが多いんですよね。

大型犬オーナーの気持ち

　「ジェントル・ジャイアント」である愛犬が、大きいというだけでいわれない恐怖心を持たれてしまう時、大型犬オーナーはどんな気持ちになるでしょうか？

　まずは、見た目だけで判断され怖がられてしまうことに対して残念だなぁと感じます。しかし日本で飼育されているのは圧倒的に小型・中型犬が多いため、同時に仕方がないという思いもあります。

大型犬と触れ合ったことがないというわんちゃんや飼い主さんもいることでしょう。すれ違う大型犬が優しいとかトレーニングがしっかり入っているとかいうことは分かるはずもないし、中には他の子と仲良くできない大型犬もいるので、小さな命を守るため「危うきに近寄らず」という選択をするのも理解できるのです。

ただ、こちらが何もしていないのに勢いよく吠えかかってくる小さなわんちゃんに「大きくて怖いねー！」と言う飼い主さんの言葉には、正直なところ理不尽さを感じてしまうことも！

　怖いからといって無害な相手に攻撃をしかけて良いというわけではありませんよね。また、威嚇している小さなわんちゃんを近寄らせるのもやめてほしいなと思います。

私の愛犬は以前小さい子に噛みつかれて怪我をしたことがあります。たいした傷にはなりませんでしたが、それでも大切な愛犬に怪我はさせたくないものです。

もちろん、中には体が小さくても仲良くできるわんちゃんもいます。ふとした拍子に怪我をさせてしまわないよう、愛犬にはなるべくフセをさせるなど、サイズが違う子とも上手に触れ合えるように教えるのは大型犬オーナーの務めだと考えています。

大小問わず、愛犬の飼い主として大切なこと

　自分の愛犬がどんな性格をしていて、何を怖がり、何に過剰に反応するのか、その時飼い主としてどのような対応をすれば良いのかきちんと把握しておくことは、大型犬・小型犬にかかわらず、飼い主として大切なことです。

大型犬の場合、子犬の頃から社会化や基礎トレーニングをしっかりおこなう飼い主さんが多いのですが、それは他人に迷惑をかけないようにするためだけではなく、わんちゃんの精神衛生上、必要なことでもあるのです。怖いものはなるべく少ない方が生きやすいのは、大型犬も小型犬も同じですよね。

　また、飼い主さんの心情は愛犬に必ず伝わります。大型犬を見て「怖いね」「食べられそうだね」などと小さなわんちゃんに話しかければ、その負の感情が伝染し、本来怖がらなくて良いものを怖がったり、不必要に威嚇したりするきっかけになることでしょう。飼い主さんが大型犬をむやみに怖がらないことも大切なのではないでしょうか。

　愛犬の体の大きさに関係なく、すべての飼い主さんが犬という生き物を正しく理解し、お互いを尊重し合える世の中になるといいですよね。