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犬の避妊手術は2通り!手術方法やメリット・デメリット、注意点を解説!

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避妊手術はメスの愛犬が将来患いやすい病気予防のためにも、出来れば受けておきたい手術の一つですよね。

ただ、実はこの手術方法には、2通りの方法があるってご存知ですか?

今回は、犬の避妊手術方法について、その主な2通りの方法やそれぞれのメリット・デメリット、また、注意点についてもご紹介します。

今まさに手術検討中の飼い主さんは、愛犬の無理のない手術のためにも、ぜひ参考になさってみてくださいね。

犬の避妊手術とは?

犬の避妊手術とは、簡単に言えば子宮や卵巣を摘出する手術です。

飼い主さんが愛犬の妊娠を望まず、且つ病気予防のために手術を検討していた時には、メス犬にある卵巣、卵管、子宮、膣、外陰部の生殖器の内、子宮と卵巣、または卵巣のみを取り除くことで、愛犬の妊娠・生殖器疾患を防ぐことが出来ます。

犬の生殖器の働きは、卵巣では主にエストロゲン(発情ホルモン)とプロジェステロン(黄体ホルモン)の生産・分泌を行い、子宮では受精した卵子(受精卵)の着床、胎仔の発育を促します。

また、膣は子宮と外陰部を連絡する管上の器官となっていて、出産の時の産道としての役割があります。

これらの構造は、人の女性の体とほとんど変わらない構造です。しかし、犬の場合には発情前期、発情期、発情休止期、無発情期とある4期の段階中、発情期にオス犬と交尾が出来なかった時には、それは発情休止期に移行し、エストロゲンの分泌は減少し、代わりに乳汁分泌などの役割を担うプロジェステロンの増加と生産がされることになります。

ただ、この時点でメス犬に妊娠の兆候が見られなかった時には、プロジェステロンの消失と共に、無発情期を迎えます。

しかし、この発情休止期の間にプロジェステロンの影響によって起こる免疫低下や感染リスクは、生殖器疾患へのキッカケになってしまう場合が多いのです。

これはメス犬の場合だと、発情期が来る度に発情前期~無発情期を繰り返すため、妊娠をさせない場合には尚更、避妊手術をして生殖器疾患へのリスクを低減することが大切になってきます。

犬の避妊手術で使われる2通りの主な手術方法

メス犬の避妊手術を行う方法には、上記で少し触れた子宮と卵巣、または卵巣のみを取り除く方法の2通りが存在します。

それぞれの主な手術方法を以下で確認してみましょう。

卵巣・子宮全摘出手術(OVH)

文献や歴史から紐解くと、1900年代初頭のアメリカやヨーロッパから知られていた卵巣・子宮全摘出手術は、その名の通り卵巣と子宮を全摘出して、犬の望まない妊娠、生殖器疾患発生の予防を図る手術です。

卵巣・子宮全摘出手術は、一般的に子宮の全貌を確認してから、膣に近いところまで摘出する方法が主流とされているため、皮膚や腹膜への切開創が長いという特徴があります。

アメリカや日本では、まだこの方法の方が、術式が開腹ということもあって主流で、受診する動物病院によっては、「避妊手術=卵巣・子宮全摘出の開腹手術」となることも多いです。

日本の場合、1950年代~60年代頃に一部の大学や動物病院で試みて、その後一般化されてきたようなので、特に今でも卵巣・子宮全摘出手術はスタンダードなケースと言えるでしょう。

卵巣摘出手術(OVE)

卵巣摘出手術は、1970年代以降に徐々に知れ渡るようになった手術で、メス犬に備わっている左右の卵巣のみを摘出することで、望まない妊娠、生殖器疾患の予防を図る手術方法です。

卵巣摘出手術は、子宮を残したまま両方の卵巣のみを摘出するため、開腹手術であっても切開創が短くて済みます。

また受診する動物病院によっては、腹腔鏡手術で卵巣摘出手術が行われる場合もあるため、手術創への負担や手術時間の負担が軽減されます。近年欧米では、卵巣摘出手術が主流となりつつあるようで、ヨーロッパ諸国では特にこの傾向が強く、スタンダードなケースだとされています。

それぞれのメリット・デメリットとは?

犬の避妊手術の方法が2通りあることが分かったところで、それぞれのメリットとデメリットをここではご紹介します。

犬の避妊手術は、これまで長年に渡って様々な研究が行われていて、その数は非常に膨大な量だと言われています。そんな中でも、卵巣・子宮全摘出手術(OVH)と卵巣摘出手術(OVE)では、その術式にある程度の違いはあっても、侵襲性やその後の合併症、また生殖器疾患に対するリスクなどについては、さほど差がないと報告されています。それぞれのメリット・デメリットを事前に知って、ご自身の愛犬の判断材料にご活用くださいね。

卵巣・子宮全摘出手術のメリット・デメリット

卵巣・子宮全摘出手術で愛犬の避妊手術を行なう場合には、主に以下のようなメリットとデメリットが存在します。

まずはメリットから見ていきましょう。

▽『卵巣・子宮全摘出手術の主なメリット』

・子宮にまつわる病気のリスクがほぼなくなる
・卵巣摘出手術よりも安価で行える場合がある
・発情に伴うストレスや興奮を予防できる
・子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの予防に繋がる

続いて、デメリットについても見ていきましょう。

▽『卵巣・子宮全摘出手術の主なデメリット』

・手術時間が卵巣摘出手術よりも長い
・切開創が大きく、疼痛を感じやすい
・全身麻酔へのリスクがある
・尿失禁や太りやすくなる

卵巣・子宮全摘出手術の場合、犬にとって発症しやすい乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの生殖器疾患のリスクから、実施時期にもよるものの、70%~90%以上発症のリスクを予防(子宮蓄膿症の場合、場合によって100%予防)してくれます。

しかし一方で、卵巣・子宮全摘出手術は、卵巣摘出手術と比べて、手術時間の長さや疼痛の感じやすさなどについては、どうしても負担が大きくなってしまうデメリットが生じます。

卵巣摘出手術のメリット・デメリット

近年主流で、推奨されることも多くなってきた卵巣摘出手術で、愛犬の避妊手術を行う場合には、以下のようなメリットとデメリットが存在します。

まずはメリットから見ていきましょう。

 ▽『卵巣摘出手術の主なメリット』

・手術時間が卵巣・子宮全摘出手術よりも短くて済む
・切開創が開腹でも腹腔鏡でも最小限で済み、疼痛も少ない
・発情に伴うストレスや興奮を予防できる
・子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの予防に繋がる

続いて、卵巣摘出手術の主なデメリットはこちらです。

▽『卵巣摘出手術の主なデメリット』

・手術費用が割高になる可能性がある
・全身麻酔へのリスクがある
・尿失禁や太りやすくなる

卵巣摘出手術は、手術時間の短さ、切開創の短さや疼痛の少なさなど、生殖器疾患の予防が出来つつ、愛犬に対する心身への負担も最小限に抑えられるのがとても魅力的です。

しかし一方のデメリットでは、動物病院の自由診療及び腹腔鏡などの技術側面によって、手術費用の割高感があったり、また、全身麻酔や尿失禁、肥満などになりやすかったりする点は、卵巣・子宮全摘出手術とほぼ変わらないため、しっかりと押さえておかなければなりません。

犬の避妊手術をする際の注意点

犬の避妊手術は、卵巣のみの手術であっても卵巣・子宮の全摘出手術であっても、望まない妊娠や患ってほしくない生殖器疾患の予防になるため、大変有効な手術の一つです。

どちらの手術で卵巣、または卵巣及び子宮を取り除くにしても、しっかりとその内容を知っておく必要があります。

特に卵巣摘出手術に関しては、『ごく稀に子宮蓄膿症が発症してしまうリスクがある』点には注意が必要です。

通常、犬の子宮蓄膿症が発症する原因というのは、主にプロジェステロン(黄体ホルモン)の影響によるものだと考えられており、このプロジェステロンが完全に分泌されなければ、残っている子宮自体は徐々に縮小(退化)、結果的には子宮の疾患も起こらないとされています。

しかし、手術をする上で誤って卵巣の一部分が体内に残ってしまっていたという場合には、発症リスクは否めないのが現状です。

また、卵巣・子宮全摘出手術においても、子宮を摘出してしまったことによる尿失禁については、卵巣摘出手術よりも比率が多いと言われているため、犬の避妊手術をする際には、両方の注意点をしっかりと獣医師さんと相談した上で、ご自身と愛犬にとって最善の選択を心掛けるよう注意しましょう。

まとめ

現在では、愛犬の心身への負担を考慮して、卵巣摘出手術を推奨する動物病院も多くなっているようですが、皆さんはいかがだったでしょうか?

我が家の3代目柴犬は、卵巣摘出手術で避妊手術をして、現在何も問題なく健康に過ごしています。

人でも犬でも、手術という一大イベントについては、やはり慎重にならざるを得ない部分があるでしょう。

心配なことや不安なことがあった際には、事前に獣医師さんとしっかり相談して、納得した上で愛犬の避妊手術に臨んであげてくださいね。

<参考書籍>

愛犬の病気百科 気になる初期症状から最新医療までがわかる

<参考サイト>

避妊手術の術式|めぐり動物病院元代々木
>https://www.meguriah.jp/2523/

犬の避妊手術 徹底比較!腹腔鏡手術VS開腹手術|日本動物医療センターJAMC
>https://jamc.co.jp/dog_colum/1189/

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
犬の避妊手術は2通り!手術方法やメリット・デメリット、注意点を解説!
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