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シャンプーだけじゃない!愛犬のスキンケア8つの方法【動物看護師が解説】

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梅雨や夏になると皮膚トラブルを起こすわんちゃんが多くなります。皮膚トラブル予防や改善に大切なのが「スキンケア」です。

でも、犬の「スキンケア」って具体的に何をすればいいのでしょうか。

どうしてスキンケアが大事なの?

皮膚病で悩むわんちゃんは年々増えてきており、アニコム損保の調査によるとわんちゃんの保険請求数が一番多かった病気は3年連続で「皮膚病」でした。約4頭に1頭のわんちゃんが皮膚トラブルに悩んでいる計算になります。

皮膚トラブルは特別なことではなく、どんなわんちゃんにでも起こる可能性があります。そんな皮膚トラブルを予防する、改善するために重要なのが「スキンケア」です。

皮膚には本来、自分自身で綺麗に保つ力が備わっていますが、その働きをサポートするのがスキンケアです。人では日常的に行っていることですが、最近では犬のアトピー性皮膚炎の治療に取り入れられるなど、わんちゃんにもスキンケアを行うという考え方が重要視されるようになりました。

「犬のスキンケア=シャンプー」のイメージがありますが、シャンプーだけでなく内側からも外側からもたくさんのアプローチがあります。どれか一つだけより、トータルスキンケアで取り入れることが大切です。

外からのスキンケア①シャンプー

皮膚や毛の表面には、生活する中でたくさんの汚れが付着します。また、皮膚の新陳代謝によるフケや皮膚の分泌物も蓄積します。そのままにしていると、皮膚トラブルをまねく恐れがあります。

ゴシゴシこすると、皮膚の負担になるので泡立てたシャンプーや泡で出てくるシャンプーで優しく洗いましょう。

シャンプーするのが難しい場合は、ワイプ剤(犬の汚れ拭きシート)を活用しましょう。

外からのスキンケア➁保湿

もっとも重要な皮膚の機能のひとつはバリア機能です。バリア機能によって、内側からの水分が逃げるのを防ぎ、外から菌やアレルゲンが侵入するのを防ぎます。

保湿剤や閉塞剤(水分に蓋をする役割)を日常的に使って、皮膚の保湿やバリア機能をバックアップすることは、皮膚バリア機能の維持にとても重要です。

人と同じようにわんちゃんも毎日保湿してあげましょう。

外からのスキンケア➂皮膚を保護する

わんちゃんの全身は毛に覆われていますね。この毛が皮膚を守る役割をしてくれているのですが、ダメージを受けた毛では皮膚を十分に守ることができません。

毛は生え変わり以外でダメージを修復することができないため、ヘアオイルやトリートメント、ブラッシュアップ剤で毛のダメージを修復してあげましょう。

また、紫外線が強い季節は皮膚を傷めやすいので、犬用の日焼け止めや服で紫外線をカットしてあげましょう。

外からのスキンケア④ブラッシング

なじみのあるスキンケアですね。

古い毛やダメージを受けた毛がずっと皮膚の周りにあると、通気性が悪くなり皮膚病を招きやすくなります。ブラッシングは皮膚の通気性をよくするだけでなく、血流の改善にも役立ちます。血流改善は皮膚の働きをよくするので、ブラッシングに加えてマッサージすることもオススメです。

内からのスキンケア➄栄養摂取

人も肌が荒れると食事内容を見直したり、サプリメントを飲んだりしますね。栄養素が不足したり、栄養バランスが崩れると皮膚病を起こしやすくなります。

また、食品添加物によって皮膚トラブルを引き起こす可能性もあります。ペットフードやオヤツ、サプリメントが原因で皮膚病をまねくこともあるので、質の良い食事を選ぶこともスキンケアに大切なことだと覚えておきましょう。

内からのスキンケア⑥皮膚の休息

私たちも寝不足が続くと肌の状態が悪くなりますね。十分な睡眠をとること、適度に休息をとることは皮膚にとって重要なケアになります。

皮膚の休息ために、リボンなどの装飾品をむやみに使用しない、寝ているときは首輪を外してあげる、洋服を長時間着せない等を意識してあげましょう。

内からのスキンケア➆ストレスケア

ストレスによって皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。特に、分離不安や物に対する恐怖など問題行動がある場合、不安を紛らわそうと毛をむしる、執拗に手をなめる、掻き壊し(ひっかいて皮膚を傷つける)をする恐れがあります。

また入院や投薬、災害がきっかけで大きなストレスがかかり、皮膚トラブルを起こすこともあります。

私たちは日常で起きる変化や出来事を理解することができますが、言葉が伝わらないわんちゃんにとってはちょっとした変化がストレスになる場合もあります。

ストレスの原因を取り除く、遊びや散歩などでストレス発散させることが一番ですが、ストレスの原因がわからない、問題行動がひどい場合は、動物行動学や犬の心理学専門の獣医師さんと連携して改善策を探ることが必要になります。

内からのスキンケア⑧環境を整える

皮膚にとって快適な環境を作ってあげることが大切です。

例えば、わんちゃんが居る場所の気温や湿度に気を配ってあげる、こまめに掃除してアレルギーの原因になりやすいダニやほこりを取り除いてあげることも、皮膚にとって良い環境になります。

また、わんちゃんが休む場所の床やマットも皮膚の摩擦や刺激が少ないものにしてあげましょう。

外に出るときに、紫外線対策や時間帯の調整をしてあげることも大切です。

わんちゃんのスキンケアというとブラッシングやシャンプーのイメージがありますが、人と同じようにたくさんのアプローチ方法があります。

わんちゃんをブラッシンクするときに、こんなスキンケア方法があったなと思いだして取り入れてくれると嬉しいです。

<参考文献>

・飼い主さんに知っていて欲しい『保湿の話』 どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科

・家庭どうぶつ白書 動物疾病統計

・アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

<画像元>

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Pixabay

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。