食欲が落ち、夏バテになりやすい夏の暑い時期。
人だけでなく、犬もまた気になるのが熱中症や夏バテですよね。
そんな時、ビタミンやミネラルが豊富な夏野菜を愛犬にも与えることで熱中症対策に役立てられます。
今回は、熱中症対策に!夏バテ対策に!そして栄養補給にも!
愛犬にもオススメな夏野菜7選について、与え方や注意点を含めてご紹介します。
<目次>
愛犬にオススメな夏野菜①:ピーマン
ピーマンは、血液サラサラ効果をもたらしてくれる野菜で、ピーマンに含まれるカリウムやβカロテン、ビタミンCは愛犬の夏バテ回復効果や対策、疲労回復などにピッタリです。
愛犬にピーマンを与える時の与え方
愛犬にピーマンを与える時の与え方としては、細かく刻んで、サッと湯通しして与えるか、消化不良を起こしやすい子であれば、煮込んでから与えると食べやすくなります。
基本的にピーマンに含まれるビタミンCは水溶性ビタミンですが、熱に強い特徴を持っているため、そこまで大きく栄養価が変化することはありません。ただし、ビタミンCについては水に溶けだしてしまうため、茹で過ぎないようにしましょう。
愛犬にピーマンを与える時の注意点
ピーマンの種やワタには香り成分に加え、血行促進作用があるピラジンや利尿作用があるカリウムが豊富に含まれています。
そのため、種は別としても、ワタについてはあえて取り除かなくても基本的には大丈夫です。ただし、腎機能に不安があるワンちゃんについては、カリウムは体内に蓄積してしまうので、ワタは取り除くように注意しましょう。
愛犬にオススメな夏野菜②:サヤインゲン
夏バテ予防に効果的なアスパラギン酸が豊富に含まれているサヤインゲンは、愛犬が食べても大丈夫な夏野菜です。
サヤインゲンには他にも葉酸やビタミンB2、βカロテンなども含まれていて、疲労回復効果も期待できます。
愛犬にサヤインゲンを与える時の与え方
愛犬にサヤインゲンを与える時には、サッと炒めてから5分~10分煮て、柔らかくなったところで細かく刻んで与えてあげましょう。
子犬やシニア犬に与える際には、ミキサーやフードプロセッサーでペースト状にしてから与えてあげるのもオススメです。
愛犬にサヤインゲンを与える時の注意点
サヤインゲンには「レクチン」という成分が含まれており、誤って愛犬が生で食べてしまうと、嘔吐や下痢などを伴う食中毒を起こしてしまう可能性があり、とても危険です。
見た目こそ生でも食べられそうですが、愛犬に与える時には必ず加熱するように注意しましょう。
愛犬にオススメな夏野菜③:冬瓜
名前こそ『冬の瓜』と書いて、トウガンと読みますが、冬瓜は、体を冷やし、むくみ解消や夏バテ回復に効果的で、愛犬に与えても大丈夫な夏野菜の一つです。冬瓜のほとんどは水分で出来ており、水分補給としてもオススメなので、熱中症対策にも効果的です。
また、冬瓜に含まれているサポニンやビタミンCは、抗がん作用、抗酸化作用も期待できます。
愛犬に冬瓜を与える時の与え方
冬瓜は愛犬が生で食べても問題のない食材ではありますが、皮が少し固いため、よく加熱してから与えてあげましょう。加熱すると皮も実も柔らかくなって食べやすくなるだけでなく、胃にも優しくオススメです。
カリウムは水溶性なので、スープにして与えると、余すことなく冬瓜の栄養を摂取することが出来ます。
愛犬に冬瓜を与える時の注意点
冬瓜はその水分量の多さから水分補給にピッタリな夏野菜ではありますが、与え過ぎはかえって下痢の原因となってしまうため、与え過ぎないように注意しましょう。
また、冬瓜は薬膳の観点から見ると腎臓病に効果的と言われる一方、種やワタについては、ピーマン同様カリウムが豊富に含まれているので、腎臓病を患っているワンちゃんは、種やワタを取り除いた上で注意して与えるようにしましょう。
愛犬にオススメな夏野菜④:ゴーヤ
ブロッコリーと同じくらいのビタミンCを含み、カリウムが豊富で、夏バテなどの暑さを取り除く代表的な野菜であるゴーヤも、愛犬が食べて大丈夫な夏野菜です。
ゴーヤ独特の苦み成分であるモモルデシンという成分は、苦味の元に加えて胃液分泌の作用もあるため、その結果として食欲増進作用も期待でき、食欲不振にも効果的です。
愛犬にゴーヤを与える時の与え方
ゴーヤは生のままでは消化に悪いので、愛犬に与える時にはしっかりと加熱して、細かく刻んで与えるようにしましょう。
ゴーヤの苦味は薄く切れば薄く切っただけ軽減することが可能です。
その上で、少量の油と共に炒めれば、脂溶性のビタミンKを効率的に吸収できて、夏バテ防止だけでなく、骨の強化にも効果が期待できます。
愛犬にゴーヤを与える時の注意点
ゴーヤには食物繊維がトマトの約2.6倍、ジャガイモの約2倍と、比較的多く含まれていると言われています。
いくら栄養価が高く、夏バテ防止、栄養補給になるからと言っても、与え過ぎは消化不良や下痢の原因になるため注意しましょう。
また、種やワタについてもしっかりと取り除き、出来るだけ愛犬の苦味に対する対処を心掛けるようにしてあげてください。
愛犬にオススメな夏野菜⑤:モロヘイヤ
「王様だけのもの」と言われるほど、桁違いのβカロテンやビタミンB群、ビタミンC、ミネラルなどの高い栄養価を持つモロヘイヤは、夏バテ防止、腎機能強化、肝機能強化、免疫力強化が期待できる、愛犬が食べても大丈夫な夏野菜の一つです。
葉っぱを刻むと出てくる粘り成分のムチンは、水溶性の食物繊維で血糖値上昇を抑えてくれる効果も期待できます。
愛犬にモロヘイヤを与える時の与え方
モロヘイヤを愛犬に与える時には、2~30秒ほどサッと茹でた上で水にさらして細かく刻んで与えるか、茹でて水でさらした後、ミキサーで無調整豆乳やヤギミルクなどと合わせて冷静スープにするのもオススメです。
愛犬にモロヘイヤを与える時の注意点
モロヘイヤにはアクの原因でもあるシュウ酸が含まれているため、必ず茹でてから与えるように注意しましょう。
また一般的にスーパーで売られているモロヘイヤの場合には問題ありませんが、家庭菜園で自ら育てたモロヘイヤの種やサヤには強心配糖体(強心作用のある成分)ストロファンチジンが含まれていて、誤って与えると死亡してしまう危険性があるため、モロヘイヤを与える時は、スーパーで売られているモロヘイヤを食べさせてあげてください。
愛犬にオススメな夏野菜⑥:トマト
「トマトが赤くなると医者は青くなる」と言われるほど、栄養価が高いことで有名なトマトは、愛犬に食べさせても大丈夫な夏野菜です。
トマトは水分が豊富で、トマトの赤い色素成分のリコピンやビタミンCには、強力な抗酸化作用が含まれているため、夏バテ防止や熱中症対策、疲労回復などに効果的です。
また、近年トマトに含まれる成分で知られるようになったリノール酸の一種、13-oxo-ODAという成分は、脂肪燃焼効果や肝臓や血中の中性脂肪抑制効果が期待できます。
愛犬にトマトを与える時の与え方
トマトは生でも与えることが出来ますが、稀に種の部分に愛犬の体が反応して下痢を起こしてしまう可能性があるため、加熱して与えるのがオススメです。トマトに含まれるリコピンは、熱にも強いので、スープにしたり、ドッグフードのトッピングとしても活用できます。
愛犬にトマトを与える時の注意点
トマトのヘタや葉、茎、未熟な実などには『トマチン』という中毒症状を引き起こす成分が含まれているため、愛犬に与える時にはしっかりと取り除くように注意しましょう。
また、消化器官が未発達な子犬やシニア犬にトマトを与える際には、皮や種を取り除いた上で加熱して与えてあげると、胃に負担をかけることなく、与えられます。
愛犬にオススメな夏野菜⑦:スイカ
90%が水分で、残りの10%が糖分で出来ているスイカは、水分の吸収率も良く、夏バテ予防、熱中症対策、水分補給など、愛犬に与えても大丈夫な夏野菜です。
スイカの白い部分に含まれているシトルリンという成分には、アンモニアの解毒作用や血管拡張作用、抗酸化作用などの効果も期待できます。
愛犬にスイカを与える時の与え方
スイカは上記でもお伝えした通り、そのほとんどが水分で出来ていて糖分も含まれているため、熱中症対策にピッタリですが、その甘さから食べ過ぎないように心掛けることが大切です。
愛犬にスイカを与える時には、愛犬の1日当たりの総摂取カロリー10%~20%を目安に与えるようにしましょう。
愛犬にスイカを与える時の注意点
スイカを与える時には、当然ながら種と皮については事前に取り除いて与えるようにしてください。
白皮の部分については、その部分にシトルリンという栄養が含まれているため、多少ならあげても問題ありませんが、種と外皮については消化が悪く、愛犬の胃腸に大きな負担をかけてしまう可能性があるので、与えないように注意しましょう。
まとめ
今回ご紹介した夏野菜の多くにはカリウムが多く含まれているものがほとんどなので、腎臓病を患っているワンちゃんにとっては、なかなか難しい野菜が多かったかもしれません。
しかし、夏野菜はご紹介したものだけではないので、是非とも上記の夏野菜に限らず、ご自身の愛犬に与えてあげられるような夏野菜を見つけてあげてくださいね。
<参考書籍>
愛犬のためのホリスティック食材事典 増補改訂版
犬ごはんの教科書
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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