皆さんは、犬の【プレシニア期】という言葉を聞いたことはありますか?
プレシニア期とは、愛犬がシニア期に入る前段階の時期によく使われる言葉です。ただ、シニア期との主な違いや老化サインについては、まだまだ分からないことも多いはず。
そこで今回は、犬のプレシニア期について、シニア期との違いからプレシニア期で見せる主な老化サイン、ケアなどについて解説します。
そもそもプレシニア期とは?

冒頭でも少しお伝えしましたが、一般的にプレシニア期とは、本格的な犬のシニア期(小~中型犬:8歳頃/大型犬:7歳頃)に突入する前の段階のことを指します。
犬の場合、小~中型犬であれば6歳頃がプレシニア期に該当し、大型犬であれば5歳頃がプレシニア期に該当します。
とはいえ、基本的にプレシニア期自体に明確な基準があるわけではないため、愛犬の生活環境や健康状態によっては、プレシニア期を示す年齢幅は多少ズレることがあります。
しかし、人の概念においても存在するこの【プレシニア期】は、人の場合だと50歳~64歳までを一般的な定義として設けていることが多いです。
ただ、それらを考慮した場合、犬のプレシニア期が小~中型犬で6歳頃(人換算:40歳)とされるのと、大型犬で5歳頃(人換算:40歳)とされるのは、少し気が早いような気もするのではないでしょうか?
その点については犬の場合、少しシビアに考える必要があるかもしれません。
というのも犬の人換算での年齢には、小~中型犬は一年で大体4歳、大型犬は一年で大体7歳年を重ねるとした換算年齢が存在するからです。
ただしこの方法も、近年の研究では単純に7倍をかけたりする方法ではない方法が発表されています。
どちらにせよ、犬のプレシニア期はシニア期の前段階を示す言葉です。そのため、この年齢に愛犬が近しい時には、老化への意識を持ち合わせる目安と考えると良いでしょう。
プレシニア期とシニア期の違いって?

では、犬のプレシニア期とシニア期の主な違いは、どこにあるのでしょうか?
それぞれの定義・基準の違いを確認してみましょう。
プレシニア期
上記でも述べた通り、一般的に言われるプレシニア期は、シニア期の前段階という位置づけのため、年齢的な面では以下の年齢が大体プレシニア期の目安となります。
▼【犬のプレシニア期目安年齢】
小~中型犬:5~6歳頃
大型犬:3~5歳頃
犬のプレシニア期の年齢定義では、犬種全体の平均で4.5歳頃を迎えればプレシニア期とされますが、外見での基準で言えば、個体差があるため基準という基準はありません。
筆者の愛犬柴犬つむぎは今年で6歳を迎えますが、いまだに「赤ちゃん?まだ若いでしょう?」と言われることが多々あります。しかし、よく見れば以前は多かった黒い髭も白さが目立ってきましたし、元々濃かった眉・口周りの黒さも、年齢を重ねる度にだいぶ目立たなくなり、今ではほぼ分からないほどに。

▲左:生後8か月(2021年4月13日撮影)|右:6歳(2026年4月21日撮影)
つむぎの場合、日々のブラッシングや1日1時間半以上の散歩、体質に合った食餌の管理などが功を奏し、年齢以上の見た目の若々しさが感じられるのだと思いますが、基本的にプレシニア期は『見た目こそ幼齢期や成犬期とあまり大差を感じない、目立つ持病もなければ自立した生活を送れるくらいの年齢ではあるけれど、同時に健康管理をより意識しなければならない年齢でもある』時期を目安に考えるのが妥当です。
シニア期
一方でシニア期は、本格的に体の衰えが見られるようになる時期のことを指し、年齢的には以下の年齢がシニア期の目安となります。
▼【犬のシニア期目安年齢】
小~中型犬:8~9歳頃
大型犬:7歳頃
この年齢目安に加えてシニア期は、例えば食餌量・運動量の低下、被毛のパサつき、下半身の細さなど、身体的な面での変化がシニアとしての基準となります。
また、見た目の変化だけではなく、目が濁る白内障や聴力の低下、フケが増えてきたといった場合も、年齢に比例して見られやすくなります。
ただしシニア期であっても、やはり生活環境やその子自身の免疫機能の強さによっては、10歳以上であっても若々しさを保ったシニア犬は今や多いため、あくまで目安として考えましょう。
プレシニア期で見られる老化サインって?

変化が見られやすくなるシニア期とは違って、まだまだ元気なプレシニア期。
このプレシニア期から見られる老化サインの見極めは、どこを意識すればよいのでしょうか?
それは、“腸”と“口”だとされているようです。
2026年の2月にスリーエー・ライフ株式会社(本社:東京都世田谷区、運営責任者:二宮 大次郎氏)が獣医師1,005人を対象として行った「愛犬のプレシニア期に潜む健康リスク」に関する調査では、実に獣医師の約半数が【皮膚炎やアレルギーの主な原因となる腸からくる免疫バランスの乱れ】を指摘し、約4割が【歯周病の初期兆候】を指摘した結果が報告されています。
▽『3歳~5歳で見られる犬の変化』
特に約半数の獣医師が指摘した腸の免疫バランスの乱れは、口が関係する歯肉炎や口臭といった歯周病初期兆候と、相関関係があるとも示しました。
▽『腸の異常と口の異常に対する相関関係』
プレシニア期から見られる老化サインは、通常のシニア期で見られる外見的な変化ほど、はっきりと感じる・見つけることはなかなか難しいものがあります。
しかし実際に調査をした結果、犬のプレシニア期にはこのような腸と口の相関関係に注意しておく必要性が、動物の健康や病気と日々向き合う獣医師さんから示されたのは、重要視しておきたい目安となります。
プレシニア期から犬の健康を労わるケア方法

それでは、プレシニア期から犬の健康を労わるケア方法を、ここではご紹介します。
デンタルケアを習慣化する
犬の歯は出来るだけ毎日磨くように習慣化し、歯周病の原因となる歯石や歯垢をためないようにしましょう。
犬の歯磨きは、比較的多くの飼い主さんが苦手とするケアですが、ケアをしないことで悪化する歯肉炎や口臭が、のちの歯周病を招いてしまうと、それは愛犬の寿命にも影響を及ぼすことがあります。
歯磨きは愛犬自身も嫌がることが多いため難易度の高いケアではありますが、そういった場合でも、せめて舐めるだけのデンタルケアは心掛けましょう。
筋力維持を意識する
プレシニア期に入ると、そうでない時と比べて長時間歩くと疲れたり、ペースが落ちやすくなったりすることが多くなりますが、可能な限り筋力維持に努めましょう。
普段の散歩だけだと関節を痛めてしまうといった際には、別途家の中でマッサージをしてあげたり、水が怖くなければ専用施設による水中歩行を検討したりするのもオススメです。
食餌内容・管理を見直す
どう見ても元気に見える愛犬でも、年齢を重ねれば徐々に代謝は落ちていきます。
そのため、食餌内容・管理の見直しでは、例えばおやつを一日も欠かさなかったとすれば、与える頻度を減らすとか、ドッグフード自体を低脂肪高たんぱくに変えるといった見直しを行うことで、プレシニア期のケアに繋げましょう。
今では、プレシニア期にピッタリのエイジングケアドッグフードなども販売されているため、要所要所で検討するようにしましょう。
年一回の健康診断を受ける
高齢に近づくと、元気に見えても何かしらの病気へのリスクは高くなっていきます。
一般的に犬の場合、7歳以降からは半年に一回は、できるだけ健康診断を受けることが推奨されていますが、これはプレシニア期においても変わらないため、最低でも年に一回の健康診断はしっかりと意識して受けるようにしましょう。
まだ元気なプレシニア期からの検査データは、のちのシニア期に移行した後の参考資料として大変役立ちます。
一日でも多く愛犬と過ごすために…

愛犬が5~6歳でも、どうしてもそこには見た目の若々しさや体力の多さから「まだ元気いっぱいだし、まだ若い」という意識が働いて、プレシニア期に突入していることをつい忘れてしまいます。
しかし、犬の時間は人の何倍も速く進み、あっという間です。
犬の一生は幼齢期よりも成犬期よりもプレシニア期~シニア期の方が、ずっと長い時間となるため、愛犬と共に過ごす時間も、自然とプレシニア期~シニア期が長くなります。
だからこそ一日も多くの時間を愛犬と過ごすためにも、プレシニア期からのエイジングケアは、意識的に行うように、心掛けてくださいね。
<参考書籍>
教養としての犬|思わず人に話したくなる犬知識130|富田園子(著)|菊水健史(監修)
小型犬から大型犬まで、現役獣医師が犬種別の悩みも解説! いぬ大全304|藤井康一(藤井動物病院院長)
<参考サイト>
【獣医師1,005人に調査】愛犬の3〜5歳は「身体の曲がり角」?約半数が免疫バランスの乱れを指摘、健康寿命の鍵は「腸と口」の早期ケア|PR TIMES
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000119473.html
調査出典元>https://www.3a-life.com/
<画像元>
Canva
筆者提供
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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