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犬の個人繁殖はなぜ危険?交配前の検査内容や交配にかかる料金・交配方法について解説

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春の季節は、犬にとって発情や繁殖の時期ですね。

そのため、この時期を狙って、中には「どうせなら愛犬の赤ちゃんが欲しい!」とお考えになる飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、個人での繁殖は昔から【危険】とされています。

そこで今回は、犬の個人繁殖はなぜ危険とされるのか、検査内容や交配にかかる料金、犬の交配方法について解説します。

犬の個人繁殖はなぜ危険と言われるの?

犬の個人繁殖は昔から「危険」だと言われますが、なぜなのでしょう?

結論から申し上げますと、交配には正しい繁殖に関する知識が必要不可欠で、犬の出産も人同様、安産とは限らないからです。

「え?犬のお産は安産が多いって聞いたことあるけど?」と、思われた飼い主さんも多いかもしれませんが、その考えは間違いです。

犬の出産は、人と同じように難産になったり、帝王切開が必要になったりする場合があり、危険を伴います。

というのも、昔の日本では、屋外飼養で番犬の役割をしていた柴犬や秋田犬といった和犬に代表される犬が多く、人々が思う犬の種類もそこまで多くなかったことでしょう。

加えて、犬は人の妊娠期間よりもずっと早く子供を複数頭産むことが出来る動物です。

それらを鑑みれば、【お産が軽い=安産】と思われても不思議ではありません。

しかし現在では犬種も増え、ジャパンケネルクラブの登録犬種数は、134犬種にも及ぶようになりました(2023年1月~12月時点)。

当然この中には、ブサカワ犬で人気を博したフレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭犬種、チワワやポメラニアン、トイ・プードルといった小型犬種が含まれています。

ただ、これらの犬種は特にお産が重くなる傾向、難産となる可能性が高い犬種と言われているのです。

もちろん個体差があるため、無事に出産まで辿り着く可能性は0ではありませんが、少なくとも個人での繁殖に関しては、的確な愛犬の性周期の判断や適切な交配時期の判断、出産までに必要となる健康管理のリスク状況を知り得るには、なかなか難しいものがあります。

筆者もこれまで一度でも愛犬の繁殖を考えなかったか、と言われればそうではないため、【絶対に個人繁殖はNG!】とまでは申しませんが、以上のことを踏まえれば、交配~出産までの愛犬の身体リスクは相当な覚悟を必要とするため、愛犬の個人繁殖は避けるように心掛けましょう。

犬の交配前の主な検査内容って?

犬の交配~出産までの時期は、様々なリスクを伴います。

そのため、性成熟した犬が交配犬とのお見合いを済ませ終わった時には、事前に健康状態を調べることが大切です。

以下で交配前に必要な主な検査内容について確認しておきましょう。

▼【交配前に必要な主な検査内容】

・犬ブルセラ症検査
・遺伝子検査
・血液検査
・触診
・検便
・黄体ホルモンまたは膣スメア検査

交配を行う際には、最低でもこれらの検査をした上で、健康上の問題や遺伝子上の問題が何もないか調べることが重要です。

また、ブリーダーの所有している犬が、必ずしも遺伝的に問題のない犬かどうかは目視だけでは判断できないため、しっかりとブリーダーへ血統について、遺伝子疾患の有無についてなど、事細かに確認しましょう。

そして、動物病院は基本的に自由診療が採用されているため、検査内容に掛かる費用は、受ける病院によって違いがあります。

ただ、日本中医師会が実施した調査内容によると、健康診断(1日ドック)の平均費用は大体10,000円~15,000円です。

さらに、遺伝子検査については調べる項目内容によって異なりますが、大体その犬種が罹りやすい遺伝子疾患項目3つ程の検査で、15,000円~18,000円を目安にしているところが多いようです。

▼【合わせて読みたい!こちらの記事もオススメです】

犬の遺伝子病検査について考えよう!代表的な遺伝子病から検査の実施方法や費用を解説!
>https://www.inutome.jp/c/column_7-203-47768.html

犬を交配させる時に必要な費用はどれくらい?

犬の交配をさせる時には、「交配料」という交配に必要な費用が掛かります。

一般的に、犬の交配料金は犬種によって差があり、例えばミニチュア・ダックスフンドでペットとして迎える場合には、3万円前後と言われています。

一方、大型犬で交配をするのが難しい場合には、10万円程が平均費用となっています。

とはいえ、実際のところ繁殖をするブリーダーさんによっては、その平均費用よりも安い場合もあれば、相場よりも高い場合があるかもしれないので、しっかりと確認することが大切になるでしょう。

交配料金は、着床しなかった場合や残念ながら死産となってしまった場合にも発生するため、注意が必要です。

また、血統証明書を発行する場合には、交配証明書(一胎子証明書)が必要になります。

発行する場合には、雄犬を所有しているブリーダーさんが、交配証明書を交付し、雌犬のブリーダーさんや飼い主さんに渡すような流れとなっているため、忘れず受け取りましょう。

血統証明書は、産まれた子犬の戸籍を証明する書類です。

血統証明書により、純粋犬種であることやその子犬から両親、祖先と遡ることが出来ます。

交配証明書(一胎子証明書)登録には、1頭に付き2,600円*がかかり、入会金は2,000円、年会費は4,000円、そして、4代祖血統証明書登録料については1頭に付き2,400円が必要となります(※2024年現在)。

犬の交配~出産までの流れとは?

では、犬の交配~出産までの流れを見ていきましょう。

犬の性周期についてはこちらの記事で詳しく解説しております。

▼【合わせて読みたい!こちらの記事もオススメです】

犬も春は恋の季節?犬の発情周期とその仕組みやオオカミとの違いについて
>https://www.inutome.jp/c/column_9-239-40088.html

交配犬探し

まず、交配を行うには繁殖をさせる相手を探す必要があります。

探す方法としては、交配犬となる犬を募集しているブリーダーさんやペットショップ、動物病院などからの募集が挙げられます。

交配犬を選ぶ際には、その犬種特有の遺伝子疾患などを継がないように見た目だけではなく、遺伝子検査がしっかりとされているのかも合わせてチェックすることが大切です。

犬の健康状態を調べる

上記でも述べましたが、犬の繁殖を行う時には、交配犬を探す間に雌犬の健康状態を調べておく必要があります。

一般的に犬の性成熟は6か月から遅くとも1年だと言われておりますが、この間に訪れる最初の発情での交配は基本的に行いません。

通常は2度目の発情以降の雌犬の健康状態を検査し、問題がなければ交配を行わせます。交配適齢期は、2回目の発情時の大体1歳~5歳までの間までが適齢時期です。

交配させる

お見合い相手である犬が決まったら、交配犬と交配させます。

犬の性別が女の子の場合には、発情が起こってから6日~10日ほど経たない間は、相手を受け入れる姿勢を取りません。(この状態を発情前期と言います。)

そのため、外陰部から出血が見られる発情期を見計らって交配をさせる必要があります。そして、交尾行動を起こしてから大体19日で受精卵は子宮壁に着床し、胎子として成長を始めます。

ただし、黄体ホルモン検査または膣スメア検査によって最適な時期に交配をさせたとしても必ずしも妊娠するとは限りません。

妊娠

交配させた結果、無事に妊娠した際には、犬はおおよそ63日間の妊娠期間を過ごすこととなります。

ハッキリ妊娠していると分かるまでには、大体1カ月ほどの期間がかかりますが、この時に注意しておきたいのが偽妊娠の可能性です。

確実に交配をし、獣医師さんとの連携が取れていれば、偽妊娠の可能性は低いと思われますが、この時期の雌犬の様子は注意深く観察することが、交配をさせたブリーダーさん、飼い主さんには求められます。

分娩

交配後、およそ63日が経過すると、いよいよ子供が産まれる時期となります。

分娩時にブリーダーさんや飼い主さんが出来る事は、事前に静かで温かく、犬が安心して分娩が出来る場所に、新聞紙やタオルを敷き詰めた産箱を作ってあげることです。

分娩の過程では、何の問題もないと診断された犬であっても、常に犬の様子を見守り、万が一緊急事態が起こった際には、すぐさま獣医さんに診てもらう必要があります。

愛犬の赤ちゃんがどうしても欲しい飼い主さんへ…

一般的に、個人繁殖を行う場合には、これまでご紹介してきた内容の他にも、食餌の管理や運動の管理、加えて犬は1腹に付き数頭~多い場合には10頭以上を出産するため、子犬の将来の見通しなども覚悟する必要があります。

仮に分娩まで何の問題もなく行きついたとしても、そこで安心するのはまだ早く、例えば母犬が子犬を包んでいる被膜を噛み破ろうとしない場合には、直ちに頭のところから膜を引き破る必要があったり、母犬が舐めても子犬に自発呼吸がない場合には、自発呼吸を飼い主さんが促してあげたりする必要が出てきます。

また、時には犬種によって起こる舐め回しが行き過ぎ、最終的には食べてしまうという死亡事故も可能性としては、十分に考えられるのが犬の繁殖です。

人はもちろんですが、犬の出産も決して安産であるとは限らず、いつでも命がけです。

飼い主さんの「愛犬の赤ちゃんが欲しい!」という気持ちは、愛犬を可愛がっているが故に感じるものだと思います。

しかし、個人繁殖の難しさは思っている以上のものなので、是非とも今一度、冷静になって考えてみてくださいね。

<参考書籍>

ブルース・フォーグル博士のナチュラルドッグケア

犬と楽しく暮らす知恵満杯事典|THE DOG CARE|ザ・ドッグケア

<参考サイト>

家庭飼育動物(犬・猫)の 診療料金実態調査及び飼育者意識調査 調査結果
>http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_pdf/h27.pdf

ジャパンケネルクラブ|登録料金一覧表
>https://www.jkc.or.jp/procedure/procedure/registration

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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