普段皆さんは、愛犬とどんなおもちゃで遊んでいますか?
犬とおもちゃで遊ぶ行為は、当然ストレス発散やコミュニケーションなどに効果的ですが、実はしつけにも応用を利かせられるってご存知でしたか?
今回は、犬とのおもちゃ遊びを通じて出来るしつけの種類と、おもちゃの種類別効果、そして教えるコツなどをまとめました。
<目次>
犬とのおもちゃ遊びでしつけをするメリットって?

『犬をしつける』と聞くと、自然と規律正しく感じる【躾(厳しく躾けること)】をイメージする人は、少なくないと思います。
ましてや、犬とのおもちゃ遊びで出来るしつけには限りがあるのも事実なので、「大して効果も期待できなそう…」と思いたくなる気持ちも沸いてしまうかもしれません。
しかし、犬とのおもちゃ遊びでしつけをするやり方には、次のようなメリットが期待できるのです。
▼【おもちゃ遊びを通じて得るしつけのメリット】
①犬と飼い主さん双方が楽しみながらトレーニングできる
②犬のストレス発散ができる
③コミュニケーション不足が解消できる
④犬のおもちゃに対する好みや性格がわかる
犬との遊びを通して得るしつけは、犬自身が楽しんだり喜んだりする中で行えるため、とても効率よく進めることが可能です。
また、しつけにありがちな『怒る』ことと【叱る】ことの区別についても、普通のしつけでは、なかなか上手くいかない自身への苛立ちが愛犬を『怒る』ことに繋がってしまうことも珍しくありませんが、遊びを通じて得られるしつけだった場合には、例え勢いで甘噛みされても、「あ!ダメ!」と冷静に端的に【叱る】方法で対応できる場面が数多く存在します。
犬の現在のしつけの基本は、どのような形のしつけであっても『褒めること』が推奨されます。
そのため、犬のしつけを行う上で、普通のしつけで行き詰ってしまったような場合には、このような遊びを通じたしつけも検討すると良いでしょう。
犬とのおもちゃ遊びで教えられるしつけの種類

それでは、犬とおもちゃ遊びを通じて教えることが出来るしつけの種類を、ここでは見ていきましょう。
おもちゃ遊びで教えられるしつけ①:持って来い
犬におもちゃを通じて教えられる『持って来い』は、マスターできればこれだけで『オスワリ』、『持て』、『来い』という3つのしつけがある程度しつけられます。
『持って来い』というしつけは、犬の脱走や事故に繋がるような問題行動の防止、コミュニケーション不足の解消に役立てられます。
また、『持って来い』遊びでは犬が持ってこられるサイズなら、どんなおもちゃでも効果があるため、愛犬が気に入っているおもちゃで『持って来い』のしつけを行なうことが出来ます。
おもちゃ遊びで教えられるしつけ②:ちょうだい(放せ)
犬とのおもちゃを通じて教えられる『ちょうだい(放せ)』は、マスターできれば過度な占有欲の防止や拾い食いの防止などに役立てることが可能です。
通常、犬には一度咥えたら、なかなか物を放したがらない本能が備わっています。
そのため、おもちゃ遊びを通じて『ちょうだい(放せ)』というしつけを教えることが出来れば、愛犬の心身への安全にも繋げられます。
おもちゃ遊びで教えられるしつけ③:探せ
犬におもちゃ遊びを通じて教えられる『探せ』は、マスターできればストレスの発散や認知機能の向上などに役立てられます。
特に認知機能については、人同様年々高齢化してきている犬にとって無視できないものになりつつあります。また、こうした遊びは散歩に行けない雨の日などでは、匂いを嗅がせることでストレス発散にも重宝します。
おもちゃの種類別に得られる効果としつけのコツ

犬とおもちゃで遊びながら同時にしつけも行なう場合、遊びとしつけはバランスよく両立しながら行なうことが大切です。
ここでは、おもちゃの種類別で得られるしつけの効果とその際に気を付けておきたい、しつけのコツについてご紹介します。
ボール
犬とのボール遊びは、投げて遊ばせる『持って来い』や『ちょうだい(放せ)』、また、留守番をさせる時の知育ボールとしても役立つことがあるおもちゃです。
ただし、ボール遊びの延長線上でしつける『持って来い』や『ちょうだい(放せ)』の場合、投げた後に取ってきて持ってくる、その一連のルールや、そのあと放すための条件によっては、ご褒美に変わるものが必要な場合もある点に注意しましょう。
▼【ボール遊びを応用してしつけをする時のコツ】
- ①まずはボールに興味があるかどうかを確かめる
- ②『持って来い』や『ちょうだい(放せ)』なら、まずは近場から始めて自発的に持ってきて離したら目一杯褒める
- ③『ちょうだい(放せ)』と言って従わなくても無理に取り上げない
- ④『ちょうだい(放せ)』でしっかり放したら目一杯褒める
ボール遊びをしながら同時にしつけを行う際には以上のコツに注意しながら、しつけを行なうことが大切です。
ぬいぐるみ
犬にとってのぬいぐるみ遊びは、じゃれて遊ばせたり、投げて遊ばせた『持って来い』や『ちょうだい(放せ)』、『探せ』のしつけにも応用できたり、色々と活躍できるおもちゃです。
ただし、あまりにもお気に入りのおもちゃだと占有欲の強さから、飼い主さんに対して防衛本能から来る唸りなどを引き起こしてしまう場合もあります。
▼【ぬいぐるみ遊びを応用してしつけをする時のコツ】
- ①執着心の強いぬいぐるみではないぬいぐるみを選ぶ
- ②『持って来い』や『ちょうだい(放せ)』ならその後離さないことも想定して予め別のぬいぐるみやご褒美の用意、または自然と放すまで待つ
- ③『探せ』なら最初は近場から行い徐々に遠くへ隠し、探し出せたら目一杯褒める
そのため、ぬいぐるみを使って遊びながらしつけを行なう場合には、以上のようなコツに気を付けながらしつけを行いましょう。
ロープ
ロープなどの引っ張り合いっこは、力加減の調整や『ちょうだい(放せ)』のしつけに役立てられるおもちゃです。
ただし、犬への興奮のさせ過ぎやご自身の力の掛け過ぎは、愛犬の歯や首へのダメージに繋がることもあるため、気を付けましょう。
▼【ロープ遊びを応用してしつけをする時のコツ】
- ①ロープ遊びは興奮させ過ぎないようにする
- ②犬の歯への負荷や首への負荷がないように平衡またはやや下に持つ
- ③始めは軽く引っ張って様子を見ながら放さないか確かめて離さないようなら緩急メリハリのある遊び方をする
- ④『ちょうだい(放せ)』と言って従わなくても無理に取り上げない
ロープ遊びはボール遊びやぬいぐるみ遊びと違って、人が持つ持ち手部分が長いため自然と力の加わり方も強くなります。
犬同士の場合ならお互いの兼ね合い次第で何とでもなりますが、人の場合にはしつけの有無に関わらず、力加減はしっかりと調節するよう気を付けましょう。
おもちゃ遊びでしつけをする時の注意点

おもちゃを通して犬のしつけをする際の注意点は、
- ①無理をさせない
- ②集中できる環境を整えてあげる
- ③成功体験として終わらせる
- ④犬の好みや性格を把握する
- ⑤ご褒美の量を調整する
- ⑥コマンドは統一する
主にこの6つに注意しておきましょう。
犬は、遊びの中で行われるしつけをしつけだと認識する事は出来ません。
ただただ飼い主さんが喜んでくれるから、楽しんでくれるから、そして何より自分自身も楽しいからという理由で、おもちゃ遊びから来るしつけを繰り返します。
しかし、だからこそ時にはそのおもちゃ遊びで『持って来い』と指示しても、『ちょうだい(放せ)』と指示しても、従わないことがあります。
また、犬の好みや性格を把握せずに、『犬はボール遊びや引っ張りっこ遊びが好きなはず』といった先入観で、犬が興味を示さないおもちゃを与えても、それは何の意味も与えてはくれません。
犬とのおもちゃ遊びを通じたしつけで大切なのは、その犬自身が好むおもちゃが果たしてあるのかどうかを、まずは見つけてあげることです。
そのため、おもちゃ遊びを通したしつけを愛犬に行う場合には、まずは事前に愛犬の好きな遊び方、また、愛犬自身の性格などに着目した上で、楽しんで行なうように心掛けてあげましょう。
まとめ

いかがでしたか?
筆者の愛犬たちは、3代目つむぎを迎えるまではどのおもちゃに対しても無関心だったため、おもちゃを通じたしつけが叶うことはありませんでした。
しかしつむぎだけは、おもちゃは与えれば与えるだけ比較的全てに興味を持ち、自然と遊びを通じて『持って来い』、『ちょうだい(放せ)』、『探せ』が出来るようになりました。
犬とのおもちゃ遊びから得られるしつけの効果は、思っている以上に役に立つ場合があります。このしつけ方法は、慣れるまでは大変でも慣れてしまえば楽しい遊びの延長線なので、ぜひ普通のしつけに行き詰った際には、別の選択肢としてこの方法を検討してみてくださいね。

また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。

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