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飼育放棄はなぜ起きる?コロナ禍でのペットブームから学ぶこと【動物看護師が解説】

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新型コロナが流行し、おうち時間が増えたのをきっかけにペットを飼う人が増加しています。しかし、その一方で「経済的に厳しい」などの理由で手放すケースも少なくありません。

ではなぜ「飼いたい」と思ったはずのペットを手放す状況になるのでしょうか。

「最近、犬を飼い始めた」「犬を飼いたいと思っている」方は、アンケート結果から浮き彫りになった事実を知って、今後の犬との生活に活かしてもらいたいと思います。

87%が犬を迎える準備を行った、しかし犬を飼ってみて56%が知識不足を実感

株式会社Wizleapは、2020年4月以降にペットを飼い始めた方121名に対して、意識調査を行いました。

まず、ペットを購入したきっかけを伺ったところ、下記ような結果になりました。

ペットをお迎えした理由(多い順)
●癒されるから 61票
●以前から飼いたいと思っていた 60票
●おうち時間が増えたから 25票

「癒されたいから」や「以前から飼いたい」と思っていた方が、タイミングが合って迎えたり、おうち時間が増えたことが後押しとなって迎えたという方が多いようですね。

では、ペットを迎えるにあたって「きちんと準備をした」方の割合はどれくらいになるでしょうか。

ペットを迎える前の準備を行った?(多い順)
●詳しく調べた 34%
●必要な情報は調べた 35%
●最低限は調べた 18%
●調べていない 8%

ペットを迎える準備をしていない方が8%もいるのは悲しい結果ですが、「最低限は調べた」まで含めると全体の87%の方が、事前に飼うための情報を調べたと回答しました。

ペットを飼うと予想外の事も起こるので、事前にペットに関する情報を集めるのは非常に大事です。

ではいざ犬を飼いはじめて、事前に調べた情報は十分だったと感じているのでしょうか。

ペットを飼ってから「知識不足」を感じますか?
知識不足を感じる 26%
●どちらかというと知識不足を感じる 30%

「どちらかというと知識不足を感じる」方まで含めると、なんと半数以上(56%)の方が「ペットを飼ってから知識不足を感じた」と回答しました。

ペットを飼うと飼育方法や病気など幅広い知識が必要になるので、「もっと知識があれば・・・」と思う場面は確かにでできます。

しかし、ペットを飼う前に「何を調べたのか」を見ていくと、

●実は「重要な情報」なのに調べている人が少ない
●飼育放棄や手放す原因になりやすいのに、意外と調べられていない

と思う情報が多々ありました。

どういうことなのか、詳しくみていきましょう。

実は超重要!ペットを迎える前に調べてほしい情報

同アンケートで「ペットを迎える前に何を調べたか」を調査したところ、下記のような結果になりました。

結果を見ると、フードや飼育スペースに関して調べている人が多いことがわかります。

逆に、調べる傾向が少ないのは、下記の内容です。

ペットを迎える前に調べた内容(調べる傾向が少ない)
●ペット保険 43票
●必要な運動量 36票
●生涯かかる飼育費用 27票
●アレルギー検査 18票

事前に調べる方が少ないという結果でしたが、こうして並べてみると手放したり飼育放棄になりかねない要素が多く含まれているのが想像できるのではないでしょうか。

実は超重要!犬を迎える前に調べてほしい情報
●必要な運動量
●生涯かかる費用・医療費
●犬アレルギー

「必要な運動量」を知らないと、犬が問題行動を起こしやすくなる

●型犬は散歩や運動量が少なくて良い
●犬の運動=散歩だと思っている
●散歩の役割を知らない

上記のように思い込んでいると、知らないうちに犬が運動不足になったり、本来持っている犬の欲求を解消できずにストレスを溜めがちになります。

ストレスが溜まると解消するために「吠える」「かみつく」などの問題行動を起こしやすくなります。

そして、犬を手放す理由の第2位は「犬の問題行動」です。

犬を手放す原因を作らないために、犬に必要な運動量をしっかりと調べておきましょう。

「生涯かかる費用・医療費」を知らないと、不満を感じやすい

上の図はアニコム損保がペットにかけた年間費用(5,000人を調査)をまとめた表です。

家庭によって多少差はあるでしょうが小型犬で30万近く費用がかかりますし、医療費は高額になりがちです。

犬が高齢になるほど費用は増加しますし、10年以上生きる子も多いので一生涯かかる費用を調べておかないと「想像以上に費用がかかる」と不満をもったり、「経済的に厳しい」と手放す結果に繋がりかねません。

実際に「犬を迎えて感じている悩み」の第3位は、「思ったより費用がかかる」でした。

ペット保険の情報も含めて、きちんと調べて試算しておきましょう。

「アレルギー検査」を受けないと、犬を手放す可能性がある

犬を飼ったけれど、飼い主さんや家族が犬アレルギーを発症して手放すケースは多いです。

そのため、犬を飼う前に下記の事を調べておきましょう。

●家族全員がアレルギー検査をする
●犬アレルギーが出た場合にどうするかを決めておく(工夫して共生するか、手放すなら引き取り先はどうするか)

年齢が高くなって発症したり、お腹の子が生まれたらアレルギーだったという場合もあります。

だからこそアレルギー検査を受けるだけでなく、発症してしまった後の事まで飼う前に調べて話し合ってほしいと思います。

実際に犬を飼ってみて「飼い主さんが大変」と感じた悩みは?

では、実際に犬を飼ってみて飼い主さんが大変だと感じたことは何でしょうか?

INUNAVI(いぬなび)が2020年に犬を迎えた飼い主さん114名に「犬を迎えて感じている悩み」を聞いたところ、下記のような結果になりました。

犬を迎えて感じている悩み
1位 しつけが大変 62人
2位 世話(散歩など)が大変 48人
3位 思ったより費用がかかる 43人

「しつけ」と「お世話」が大変だと感じているお声が多いようですね。

また先ほど調べる人が少なかった「飼育費用」に関する悩みも、飼った後に感じる方が多いことがわかります。

ひとつ言えるのは、「しつけ」も「お世話」も根気と体力がいるので、一人で行うには限界があるという事です。

同アンケートで、「しつけ教室を利用しているか」の問いに「利用している」と答えたのはわずか16%でした。

しつけで悩んだら、ドッグトレーナーさんの手も借りましょう。

またお世話も家族みんなで平等にやったり、たまには「ペットシッター」や「お散歩代行」を取り入れるのも一つの手です。

「もう無理だ、手放そう」とならない環境づくりを心がけましょう。

アンケート内で「ペットを飼って後悔したか」という質問に対し、15%(121人中18人)の方が「後悔した・少し後悔した」と回答しました。

アンケート対象者が「2020年4月以降にペットを飼った」なので、一年たたずに後悔を感じている方がこれだけいると考えると、非常に多い数字だと感じます。

今回のアンケート結果を見て、飼った後の事が少し想像しやすくなったのではないでしょうか。

新たな飼育放棄を生まないために、この記事を役立てて頂ければと思います。

<参考文献>

知識不足だと感じた56%!?コロナ禍で飼育法を調べない飼い主たち
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000052686.html

2020年に犬を迎えた114人に聞いた!迎えたきっかけは?「コロナの影響」が1位に…!
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000068228.html

犬の飼育放棄問題に関する調査から考察した飼育放棄の背景と対策
>http://hasc.sakura.ne.jp/1311-repo.pdf

<画像元>

Unsplash

写真AC

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伊藤さん

伊藤さん

宮崎出身の動物看護師。
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・日本動物看護職協会 認定動物看護師