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子ども連れに「犬触っていい?」と聞かれたらどうする?トラブル防止や愛犬を守る対策もご紹介

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愛犬のお散歩をしていると、家族連れや子供から「わんちゃん触っていいですか?」と声をかけられたことはありませんか?

愛犬も相手も楽しく触れ合えていればよいですが、思いもよらない触り方をされて「ひやり」とした経験がある方も少なくないのではないでしょうか。

「断るのも悪いから」と愛犬に我慢をさせていると、愛犬が人を苦手になったり、思わぬ事故に発展してしまうかもしれません。

今回は家族連れや子供から「犬触っていい?」と聞かれたときにどんなリスクが潜んでいるのかをお話ししますので、一緒に対応を考えていきましょう。

犬の咬傷事故は「散歩中」と「子供」が多い!?

「犬を触っていい」と聞かれたときに一番注意しなければならないのが「咬傷事故」ですね。

咬傷事故はどういったときに起きることが多いのでしょうか。

環境省が公表している「犬による咬傷事故状況」のデータによると、咬傷事故が起きたときの被害者の行動は下記のようになりました。

▼咬傷事故発生時における被害者の状況(事故件数4,602件/令和2年度)

・「通行中」 2,319件
・「配達・訪問時」 749件
・「犬に手を出した」 633件
・「犬を係留しようとした」234件
・「遊戯中」 190件

引用元:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/r03/2_3_1.pdf

被害者の状況見ると「通行中」の事故が圧倒的に多いですね。

移動している最中に散歩中の犬と出会い、そこで咬傷事故が起こっているケースが考えられます。

また「日本小児科学会」の報告によると、犬の咬傷事故の対象は3~6割が小児、咬傷事故時の子供年齢は平均7歳、男の子が3分の2を占めているそうです。

引用元: https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0002_example.pdf

咬傷事故に関する2つのデータを見てみると、犬の散歩中には咬傷事故が起こりやすく、子供と愛犬を触れ合わせるのは想像以上にリスクの高い行動なので、咬傷事故が起こらないように十分注意が必要ということが読み取れます。

普段の愛犬を見ていると「人を噛む」というイメージがつきにくいかもしれませんが、どんな犬でも嫌なことをされれば噛む可能性はあります。

愛犬が咬傷事故を起こす状況を作らないようにすることが大切です。

「子供が苦手」「子供が怖い」と感じる犬は意外と多い!?

先ほど犬の咬傷事故の対象は子供が多いとお話しました。

では、どうして子供が咬傷事故の対象になることが多いのでしょうか。

その原因のひとつとして犬が「苦手」「怖い」という行動を子供が無意識に取ってしまうことが考えられます。

▼犬が「苦手」「怖い」と感じる行動

・急に大声を出す
・急に走って近づいてくる
・いきなり体を触ってくる
・敏感な場所(鼻・耳・尻尾など)を触ってくる
・急に立ったり座ったりする
・衝動的に掴んだり叩いたりする
・正面から犬の目を見つめる
・上から覆いかぶさるように触る

上記の行動は犬の警戒心や恐怖心を煽る行動です。

大人からすると子供は可愛らしい存在ですが、犬からすると自分より体が大きくて、予測不能な行動を取り、急に触ったり掴んでくるちょっと怖い存在なのかもしれません。

また、人と同じように犬にもいろんな性格の子がいます。

神経質な犬や怖がりの犬は自分の身を守るために攻撃をしてしまう場合もあります。

SNSやテレビで犬と子供が仲良くしているシーンをよく見るので「犬=子供好き」というイメージがありますが、すべての犬が当てはまるわけではないので注意しましょう。

「犬触っていい?」は断ってもOK、飼い主さんに降りかかる責任4つ

「犬触っていいですか?」と聞かれると、断るのがなんとなく悪い気がしてOKしてしまうという飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

特に顔なじみやご近所さんであるとなおさら断りづらいですよね。

でも、愛犬が触られるのが苦手な子であったり、飼い主さんが少しでも不安を感じるようであれば触るのは断ってもOKです。

なぜなら愛犬との触れ合いを許可すると、4つのリスクが飼い主さんに降り掛かってきます。

▼飼い主さんに降りかかる責任4つ

①「相手に怪我をさせる可能性」
②「犬が怖い思いをする」
③「犬に苦手なものが増える」
④「相手に動物アレルギーがある可能性」

①  「相手に怪我をさせる可能性」

愛犬が子供に飛びついて押し倒してしまったり、噛みついて怪我をさせてしまう可能性があります。

相手の接し方に問題があったとしても、責任は飼い主さん側にいくケースが多く、最悪訴訟問題に発展する場合もあります。

特に親が近くにいないときに子どもの咬傷事故が起きると、意見の食い違いや憶測でより問題がこじれる可能性があります。

②「犬が怖い思いをする」

先ほどもお話しましたが「急に走ってくる」「周りで大声をあげる」「急に触られる」といった行動は犬の恐怖心を煽ります。

大人から見ると子供は体が小さいですが、小型犬や中型犬からすると自分より体が大きいのでより恐怖心を煽ります。

子供から離れようとしたり、体をきゅっと萎縮させたり、目線を外すという行動は犬が恐怖を感じているときによく見せる行動です。

恐怖心は攻撃行動へのスイッチを入れやすいので、見落とさないようにすることが大切です。

③  「犬の苦手なものが増える」

人が大好きでフレンドリーな子であっても、嫌な体験を繰り返せば人が苦手になります。

やっかいなのが苦手意識は派生する場合が多く、嫌な体験をした対象物、場所、状況、その周りにいた人など関連づけて学習する可能性があります。

例えば「帽子を被っていた子供に嫌なことをされた」場合、「帽子を被っている人が苦手になる」「嫌なことをされた場所に近づくのが苦手になる」「嫌なことをされたときに見かけた犬が苦手になる」になど一見関係ないことも嫌な体験と結びつけてどんどん苦手が増えていきます。

④「相手に動物アレルギーがある可能性」

相手が動物アレルギーを持っている可能性もあります。

周りにペットがいない場合、アレルギーを持っていても自覚がなく、犬と触れあって初めて症状が出る場合もあります。

最近はアレルギー対策として食物アレルギーがあるかを確認するようになりましたが、同じように犬を触る相手がアレルギーを持っている可能性があるということは頭にいれておいた方が良いでしょう。

トラブル防止「犬触っていい?」を断るにはどうする?

愛犬に興味をもって可愛がってくれるのは嬉しいことですが、その反面愛犬と子供を触れあいは様々なリスクがあることがお分かり頂けたと思います。

そのため飼い主さんに不安があるのであれば、触るのを断ってOKなのですが、面と向かって「だめ」は言いにくいですよね。

トラブルを避けるために触るのを断る場合、どういった対応を取るのがよいのでしょうか。

▼「犬触っていい?」を断るにはどうする?

・子供が近づく前に避ける
・お断りの言葉を考えておく
・リードにステッカーを貼る
・口輪を検討する

一番シンプルなのは子供と接触する前にさっと道を変更することです。

すれ違うときに急に犬に触ってきたり、許可を得る前に触りだす方も中にはいるので、回避できるのであれば回避するようにしましょう。

また「臆病な性格なので怖がっちゃうの」「具合が悪いみたいで」といったお断りの言葉を用意しておくのもおすすめです。

触れるのをお断りするステッカーも販売されているので、言葉で伝えにくいという方はリードに着用するのもよいでしょう。

「犬に触れる前に一声かける」はマナーですが、すべての人が徹底しているわけではなく、急に背後や横から犬に触れる方もいます。

事故予防のために着用に抵抗がない場合は口輪も検討しましょう。

愛犬に興味を持って可愛がってくれるのは嬉しいことですが、すべての方が犬に最適な接し方ができるわけではありません。

そして何かあった場合の責任は飼い主さんと愛犬に降り掛かってきます。

相手が喜ぶならと思ってとった行動が裏目に出ることもあるので、飼い主さんが不安を感じるようならお互いの安全のために断る勇気も必要ですね。

<参考URL>

Injury Alert (傷害速報) 類似事例
>https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0002_example.pdf

犬による咬傷事故状況
>https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/r03/2_3_1.pdf

<画像元>

canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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