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「秋はダニの発生時期」愛犬の体にダニやノミを見つけたときの対処法【動物看護師が解説】

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ダブルコートの犬は、だんだんと冬の毛に生え変わる時期ですね。この時期に気をつけてほしいのが「ダニ・ノミ」の感染です。

春に増えるイメージのある「ダニ」ですが、実は春だけではなく秋にも多く発生し、温度が快適に保たれている家の中では「ノミ」も繁殖しやすくなります。

冬の毛は長くて密度も濃いので、もし寄生されたとしても発見するのが難しくなります。

そこで今回は、「ダニやノミが寄生したときに犬に出る特徴」や「もし愛犬にダニやノミを見つけたときどうすればいいか」をお話ししていきますので、最後までご覧ください。

秋は犬にとって「ダニやノミ」に要注意な季節

「ダニ」に注意する季節と言えば「春」を連想する方が多いのではないでしょうか。

しかし、日本獣医師会が発表したマダニの寄生状況のグラフを見てみると、ピークが春だけではなく、秋にも来ているのがわかります。

▼日本の犬と猫における「マダニ」の発生状況

春には成虫のダニが多く発生しますが、秋は生まれたばかりの幼ダニや若ダニが多く発生します。

ダニは草むらが大好きなので、草の先端に集まって寄生できるような動物が近づいて来るのを待ちます。そして寄生できる動物が草に触れたり近くに来たら、ピョンと体に飛び乗って寄生してしまいます。

涼しくなるとつい予防の気が緩みがちですが、10月11月になっても注意が必要だということがわかりますね。

では、一方「ノミ」はどうでしょうか。

「寒くなればいなくなるのでは」と思うかもしれませんが、ノミは気温が13℃以上あれば繁殖が可能になります。

秋に要注意とお話ししたのは、暖房器具を使ったり毛布やカーペットなどの防寒対策をとるこれからの季節は、ノミにとっても非常に居心地の良い環境になるからです。

現に動物病院では気温が下がっても「ノミがいるみたいなんです」という患者さんをちらほらみかけるので通年の予防を呼びかけています。

そしてダニのときと同じくノミも草むらに隠れていたり、道路に潜んでいたりします。

犬に寄生しなくても、飼い主さんの衣服に付着して家の中に侵入するということもあるので、これからの時期は特に注意しましょう。

愛犬の体にイボのような物、黒い砂のような物が付いていたら要注意!

では、愛犬にノミやダニがいるかは、どう見分ければいいのでしょうか。

「ノミ」の場合と「ダニ」の場合に分けてお話ししていきますね。

愛犬にノミがいるときの見つけ方

ノミは小さい虫ですが、1~2mmほどなので肉眼で見つけることは可能です。

ピョンピョン飛び回っているイメージがあるノミですが、実際には毛の隙間を素早く走り回って移動するので、発見したり手で捕まえようとすると非常に難しいです。

そのため、愛犬がノミに寄生されているかは「ノミの糞」で探すようにしましょう。

犬のお尻や腰、首回りに「黒い砂のような物」が付着していませんか?

その黒い砂のような物を濡れたコットンやティッシュの上に乗せて、軽く擦ってみましょう。黒い砂が赤くにじんできたら、ノミの糞である可能性が高いです。

糞の他にも体を頻繁に掻きむしったり噛んだり、赤みや脱毛(掻きむしることによる)が見られたらノミがいることを疑ってください。

愛犬にダニがいるときの見分け方

一方ダニは毛の少ないところに寄生し、血を吸うと大きく膨らむので目視で発見はしやすいです。

ただ毛が長い犬の場合、毛に埋もれて発見が遅れる場合があるので、刺されやすい場所にイボのような膨らみがないかをこまめにチェックしてあげてください。

▼ダニが寄生しやすい場所

愛犬の体にダニやノミを見つけたら、どうする?

では愛犬の体にダニやノミを見つけたら、どうすればいいのでしょうか。

ノミでもダニでも見つけると、手でつぶしたり取ったりしたくなりますが、どちらも良くない結果を招くので、正しい対処法を覚えておきましょう。

愛犬の体に「ノミ」を見つけたら

▼愛犬の体に「ノミ」を見つけたら
・卵か飛び散るのでつぶさない
・動物病院で駆虫薬をもらう
・家の中を空間駆虫&掃除
・犬が使っていた寝床などは洗う
・ノミの住みかになりそうなラグやクッションも洗う

ノミを見つけたら捕まえたりつぶしたくなりますが、そのノミがメスだった場合お腹にある卵が周りにばらまかれてしまいます。

また、ノミは48時間ほどで卵を20~40個ほど産むと言われており、寿命は約1.5カ月程です。

そのため、発見したのは氷山の一角で、見つけきれていないノミがたくさんいると考えた方がよいでしょう。

動物病院でノミの駆虫薬をもらって犬のノミを退治したら、家の中も掃除や駆虫剤(市販の物)を散布して家全体からノミを追い出すようにしましょう。

また、ノミの厄介なところはノミに寄生している寄生虫の「サナダムシ」がいることです。犬が体を噛むときにノミも一緒に飲み込んでしまうと、次は犬の体に寄生します。

ノミの感染がわかったら、サナダムシの感染にも備えてください(犬の糞に米粒のような物が混じったら感染の可能性大)。

愛犬の体に「ダニ」を見つけたら

こちらも見つけると取ってしまいたくなりますが、犬にとっても人にとっても危険なので止めましょう。

▼愛犬の体に「ダニ」を見つけたら
・病気が潜んでいる可能性があるのでつぶさない
・すぐに動物病院に行く
・家の中を空間駆虫&掃除
・犬が使っていた寝床などは洗う
・ダニの住みかになりそうなラグやクッションも洗う

犬に寄生するとダニは皮膚の奥まで口を突き刺して吸血するので、ちょっとやそっとのことでは離れません。

そのため、無理にはがそうとすると頭ごと取れてしまい、犬の皮膚に口の部分が残ったままになってしまいます。

そうなると、その残った部分が化膿したりダニの口の部分に含まれているウィルスが犬の体に入ってしまって病気になることがあります。

また、人にとっても非常に危険な行為です。

ダニがSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気を媒介しているというのは、少しずつ知られるようになりましたが、ダニをつぶした場合の接触でも感染する可能性が報告されています。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは
ダニが媒介するウィルスによる病気。感染すると発熱、嘔吐、頭痛などが起こり、ひどい場合はリンパ節の腫れや皮下出血、意識障害などの神経症状が起こります。

「すぐに取ってしまいたい」という気持ちはわかるのですが、ダニはその後に起こるリスクの方が高いので、ダニを見つけたら迷わず動物病院にいって処置を受けましょう。

いかがでしたか?

気候が落ちつくと犬と一緒に外出する機会も増えますが、おのずとノミやダニに寄生される機会も増えます。

もし寄生されてしまったら、今回ご紹介したことを思い出して対応してあげてくださいね。

<参考書籍>

動物看護のための小動物寄生虫学  佐伯栄治 (著)

<参考URL>

マダニによるSFTSウイルスについて オダガワ動物病院
>http://www.odagawa.net/blog/2017/11/entry-480-10593.html

ダニ媒介性疾患に注意 春から秋にかけ、マダニの活動が活発になります(熊本県ホームページ)
>https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/30/76323.html

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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