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すでに愛犬の歯石がひどい!でも歯みがきって必要ですか?【動物看護師が解説】

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今回のお話は、飼い主さんを悩ませる永遠のテーマ「愛犬の歯みがき」についてです。

大事なのはわかってはいるけれど、毎日となるとなかなかできないですよね。そうこうしているうちに歯石がガッチリついてしまって「もう歯みがきじゃ取れないし」「今さら歯みがきをしても遅いのでは」と諦めてっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「歯石がついてるけど、歯みがきってした方がいいの?」というお悩みについてお話ししていきたいと思います。

愛犬の歯石がすでに付いていても、歯みがきって必要ですか?

すでに愛犬の歯に歯石がガッチリついていると「もう歯みがきしても無駄なんじゃないかな・・・」と、なかば諦めたような気持ちで歯みがきと向かい合ってしまいますね。

でもその頑張り、ぜんぜん無駄じゃないんです。

たしかに石のように硬くなった歯石は、歯みがきでは落せません。でも、歯石に変わる前の「歯垢」や「食べかす」は落してあげることができます。

物を食べると、歯に「食べかす」が付いてしまいますね。この「食べかす」をしばらく放置していると、口の中に住む細菌たちが「ご飯があるぞー」と集まってきてネバネバした塊になります。この塊が「歯垢(プラーク)」です。

「歯垢」はネバネバしているので歯に付着しやすく、よだれやお水などでは簡単に剥がすことができません。そしてこの歯に居座った「歯垢」は約3日ほどで硬い「歯石」へと変わっていきます。しかも「歯石」の表面はザラザラしているので、より「食べかす」や「歯垢」が付着しやすくなります。

つまり歯石が新たな歯石を呼ぶという「負のループ」ができあがるのです。

ここで、最初にお話しした「歯石が付いていても歯みがきは無駄ではない」というお話と繋がってきます。

歯石になる前の状態は、「歯垢」や細菌のごはんとなる「食べかす」でしたね。「歯石」は歯ブラシでは落せませんが、「歯垢」や「食べかす」は歯ブラシや歯みがきシートで落すことができます。

つまり少しでも歯みがきを続けることで、「歯石」への「歯垢」や「食べかす」の付着を減らし、新たな歯石を生み出す負のループを断ち切ることができるのです。

すでに歯石がびっしり付いていると「もう歯みがきしても無駄かな」という気持ちになってしまいますが、「新たな歯石を生み出さない」「状態をよりひどくしない」ということも、とっても大切なんですね。

愛犬の歯石を放置するとどうなる?

歯石が新たな歯石を生み出してしまうので、少しでも原因である歯垢を落すことが大事だよ、というのはおわかり頂けたと思います。

では、その歯石をそのまま放置してしまうと、どのようなことが起きるのでしょうか。

歯石を何もせずに放置してしまうと、「歯周病」を引き起こすリスクが高くなります。

「え、歯周病って歯石が原因じゃないの」と思った方もいると思いますが、厳密にいうと「歯石が多い=歯周病」ではありません。

先ほど、食べかすには口の中の細菌たちが集まってくるとお話ししました。この細菌たちの中には酸素が大っ嫌いな菌がいて、酸素に触れないような場所に潜んでいます。歯の中で酸素に触れにくい場所というと「歯と歯の隙間」や「歯周ポケット」ですね。

この菌たちは、「この場所いいね!」と歯周ポケットで増殖したり、さらに酸素を避けるために歯周ポケットの奥へ奥へと進んいきます。その過程で炎症を起こします。これが「歯肉炎」であり、その歯肉炎が更にひどくなって歯を支える骨まで溶けてしまった状態が「歯周炎」です。

「歯周病」は、この「歯肉炎」や「歯周炎」をまとめた総称の事です。

では、この歯周病と歯石がどのように関わってくるのかを解説します。

先ほど歯石の表面はザラザラしているとお話ししましたね。ザラザラしているということは、菌たちが付着したり住みやすい場所を提供しているのと一緒です。住みやすい場所があると菌は増えやすいので、おのずと歯周病を引き起こす菌も増えていきます。

つまり、歯石があると歯周病である歯肉炎や歯周炎を引き起こす菌が増えやすくなっちゃう、という事です。

歯石が多いから歯周病になるわけではないですが、リスクは上がるので歯石は放置しないほうがいいですね。

愛犬の歯茎が腫れたり出血がある場合は、動物病院へ

歯みがきを悩む理由のひとつに、「出血したら歯みがきはしない方がいい?」ということもありますね。

出血するということは、歯茎が腫れていたり歯周ポケットが深くなっている可能性があります。つまり菌によって「歯肉炎」や「歯周炎」が引き起こされているという事です。そのため、出血場所以外の歯みがきは継続した方がいいですが、一度動物病院で診察をすることをオススメします。

また、出血するという事は歯肉が敏感になっているので、刺激を感じにくいように歯ブラシの毛先を柔らかいタイプの物に変えたり、歯みがきシートに変更してあげるようにしてください。

いかがでしたか?

歯みがきは嫌がる子が多いですが、美味しくごはんやオヤツが食べられなくなるのはもっと嫌だと思います。

すでに歯石が付いていても、さらにひどい状態にさせないようにさせないことが大切なので、少しずつでもがんばりましょうね。

<参考URL>

サーカス動物病院 歯周病について
>https://circus-ah.com/dental/disease/

<画像元>

イラストAC

写真AC

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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