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乾燥する冬に覚えておきたい!犬のスキンケア方法【動物看護師が解説】

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「えっ?!犬にもスキンケアが必要なの?」とタイトルを読んで、気になった方も多いではないでしょうか。

人では広く取り入れられている「スキンケア」ですが、犬にとっても皮膚や毛を健やかに保つために「スキンケア」がとても重要です。

そこで今回は、「犬にとって必要なスキンケア」や「冬に力を入れてほしいこと」についてお話ししていきますので、ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。

「犬のスキンケア」って何ですか?

「犬のスキンケア」と聞くと、どんなことをイメージするでしょうか。

ぱっと思い浮かぶのは「シャンプー」や「ブラッシング」ですが、それ以外にもいろいろな「スキンケア」があります。

▼犬の「スキンケア」とは?
・シャンプーで汚れを落とす
・保湿をする
・紫外線などから皮膚を保護する
・ブラッシングをする
・生活を改善する(適度な運動習慣など)
・食事に気をつける
・メンタルケア、ストレスケア
・生活環境の整備(掃除など)
・皮膚を休息させる(睡眠時は首輪を外すなど)

「生活改善(適度運動など)」や「生活環境の整備(掃除など)」と聞くと、「これってスキンケアなの?」と思うかもしれませんが、人の場合と同じです。

私たちも肌が荒れてしまったら、洗浄と保湿だけに力をいれませんよね。食生活を見直してみたり、肌に触れるタオルやマクラカバーに気を使ったり、メイクをお休みするなどトータルで「スキンケア」に取り組みます。

「犬のスキンケア」も考え方は同じです。犬もストレスで皮膚トラブルを起こすことがあるので、運動不足の犬は毎日散歩に行くなど生活習慣を見直したり、ハウスダストや花粉などのアレルゲンが皮膚に悪さをしないようにこまめに掃除をしてあげるということも、皮膚の状態を良くするために必要な「スキンケア」の一環です。

そのため、どれかひとつだけ取りくむというよりも、トータルで皮膚にアプローチをしてあげることが大切です。

そしてまだまだ犬になじみがなくて、寒い冬に力を入れてほしいスキンケアが「保湿」です。

冬は愛犬の「保湿」にも力を入れよう!

「犬に保湿って必要?」と思うかもしれませんが、犬にも「保湿」は欠かせません。

犬の体は毛に覆われていますが、皮膚自体は人の3分の1ほどの薄さです。つまり「とっても繊細でデリケートな肌」をしているということですね。

そして冬はとっても乾燥しますし、寒さで血行も悪くなります。これが犬にとって良くないことをまねいていきます。

▼冬の「乾燥」が犬の皮膚にまねくこと

・乾燥で皮膚の「防御機能」が低下

・皮膚の「防御機能が低下」すると、菌やアレルゲンが皮膚の中に侵入しやすい

・「感染症」にかかりやすかったり「かゆみ」が起きやすくなる

・かゆみを解消するために、犬が皮膚を舐めたり噛んだりする

・皮膚を舐め壊したり、炎症を起こしたりする

一言でいうと、皮膚が「乾燥」すると良い事は何一つないし、冬はその「乾燥」が起こりやすいよ、という事です。

その乾燥を防ぐために力を入れてほしいのが「保湿」です。

人も冬場は乾燥を感じやすいので、保湿をしっかり行いますよね。犬も人と同じように冬場は特に乾燥するので、保湿に力をいれていきましょう。

保湿をすることで皮膚のバリア機能を正常に保ち、皮膚トラブルを予防する効果が期待できます。

どんなときに愛犬の「保湿」が必要なの?

読んでいてだんだんと「うちの子にも保湿を取り入れたい」と気になってきた方も多いのではないでしょうか。

では、この「保湿」はどんなときに犬に取り入れればよいのでしょう。

ポイントをまとめてみました。

▼こんなときに「保湿」を取り入れよう!
・シャンプーの後(必須)
・散歩後の足洗いの後(必須)
・アトピーや膿皮症を持っている犬
・アトピーや膿皮症になりやすい犬種
・皮膚が弱い犬
・春や秋に皮膚トラブルが起きやすい犬

「シャンプーの後」と「散歩後の足洗いの後」は保湿は必須

どんな子でも「保湿」を取り入れてほしいのが、「シャンプーの後」と「散歩後の足洗いの後」です。

シャンプーの後の皮膚の状態を調べてみると、皮膚が非常に乾燥していることがわかっています。

どれくらい乾燥しているかというと、シャンプーから3日たってもシャンプー前の皮膚の状態に戻っていないほど乾燥状態が続いています。

私たちもお風呂に入って保湿をしないと、肌が乾燥してパリパリになりますよね。その状態が犬にも起きてしまっているという事です。

また、散歩後の足洗いの後は「肉球」を保湿してあげましょう。冬場の冷たく乾いたアスファルトやコンクリートの上を歩くと、肉球が荒れやすくトラブルを起こしやすくなってしまいます。

できれば「保湿」を習慣化して欲しい

アトピーや膿皮症を持っている子は、できれば保湿を習慣化するとよいでしょう。

アトピーの子は普通の皮膚に比べて皮膚が乾燥しやすいことがわかっています。膿皮症の場合も、皮膚が荒れて皮膚のバリア機能が低下している状態なので、保湿をしてあげるのがオススメです。

また、アトピーになりやすい犬種や皮膚が弱い子も保湿を習慣化しておくとよいでしょう。

人の研究ではありますが、赤ちゃんに保湿をしておくとアトピーの発生率が低下したという報告があります。そのため皮膚科専門の獣医さんは、皮膚が弱い子やアトピーになりやすい犬種にも、保湿の習慣化を勧めている方が多いです。

どうやって愛犬の「保湿」をすればいいの?

では、最後にどうやって犬に保湿をしていけばいいのか、についてお話ししていきます。

犬は毛で覆われているので、どうやって保湿をすれば良いのか悩みますね。

オススメなのは、下記の保湿方法です。

▼オススメの「保湿方法」
・入浴剤タイプの保湿剤を使う
・ローションタイプ、泡タイプの保湿剤を使う
・広範囲を保湿したいときはスプレータイプを使う
・肉球の保湿はワセリンがオススメ

聞きなれない言葉もあると思うので、ひとつずつ解説しますね。

入浴剤タイプの保湿剤を使う

保湿剤の中にはお湯に溶かして入浴剤にして浸かるタイプのものがあります。

お湯に浸かるので、全身くまなく保湿することができますし、体もポカポカして血行もよくなります。

シャンプーの後にできるので「初めて保湿をする」「保湿に興味があってやってみたい」という方はまず、入浴剤タイプの保湿剤を使ってみるとよいでしょう。

ローションタイプ、泡タイプの保湿剤を使う

保湿剤にもいろいろな形状のものがあります。

犬は全身が毛で覆われているので、クリームタイプのようにべたつきが多いと、なかなか塗るのが難しいです。そのため、乳液くらいの柔らかさのローションタイプや泡で出てくるタイプの保湿剤だと伸びがよいので比較的塗りやすいです。

毛をめくって乾燥が気になる箇所に優しく塗りましょう。

広範囲を保湿したいときはスプレータイプを使う

広い範囲を保湿したいという場合は、スプレータイプの保湿剤を使うとよいでしょう。

ただ、スプレータイプは比較的さっぱりした使用感のものが多いので、より乾燥が気になる場合はローションタイプのようにしっとりするものに切り替えるとよいでしょう。

(スプレータイプはアルコールが入っていることがあるので、肌が敏感な子は要注意)

肉球の保湿はワセリンがオススメ

散歩から帰った後は、肉球はこまめに保湿してあげるようにしましょう。

肉球の保湿にオススメの保湿剤が「ワセリン」です。

ワセリンは手軽に手に入りやすいですし、刺激が少なくアレルギーを起こしにくいとされています。摩擦から皮膚を守る効果も期待できるので、すでにかさつきがでて敏感になっている肉球にも使用することができます。ただベトつきがあるので、薄く塗り伸ばすことと、犬が寝ている隙に塗るなど舐めとられないようにする工夫が必要です。

犬のスキンケアや保湿は、まだまだ知られていませんが、日常的に取り入れることで皮膚トラブルを予防する効果も期待できます。

皮膚や毛はよく目に付くところなので、トラブルが出てくると飼い主さんも辛くなってしまうことが多いです。

予防のためにも、今年の冬から「犬のスキンケア」をはじめてみませんか?

<参考書籍>

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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