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犬の“気持ちをわかってくれる”に甘え過ぎていませんか?空気を読む犬が見せる仕草や人のNG行動

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人の気持ちの共感をしてくれる代表のような犬を迎えると、つい甘えてしまう飼い主さんは多いのではないでしょうか?

中でも、“聞き分けの良い犬”という言葉には、一般的に「指示に従う犬」や「吠えない賢い犬」というイメージがあるため、なおの事“気持ちを分かってくれている”と感じられてしまいますよね。

けれど、これがもしも空気を読んだ“聞き分けの良い犬”だった場合にはどうでしょうか?

今回は、犬が空気を読んでいる時に見せる仕草やそれに繋がる人のNG行動などをご紹介します。

犬の“空気を読む”反応は2通り?「服従」と【忍従】とは?

犬を迎えると、「服従」という言葉をよく耳にすることは多いと思います。

一般的に「服従」とは、辞書を引くと『他の意思や命令をよく聞いて、素直に付き従うこと』を意味します。対して、あまり犬には使われることのない【忍従】という言葉は、辞書を引くと『じっと我慢して、境遇のままに従うこと』を意味します。

人は、犬の“気持ちを汲んでくれているような素振り”を、時折聞き分けの良い反応と一緒くたに考えてしまっていることがあります。

例えば、「吠えない犬」と『必要な時に吠える犬』とでは、しつけの観点から見た時には、『必要な時に吠える犬』ほど、しっかりと「服従」出来ていて、飼い主さんに従った“聞き分けの良い犬”だと判断されます。

この方法は、一般的にバーク・コントロールと言われるれっきとしたしつけ方法の一つです。

しかし一方で、これといってほとんどしつけをしてもいないのに「吠えない犬」の場合、そこにはその子の性格や育ってきた環境などが関係しているかもしれません。

人に対して迷惑を掛けない、愛犬やご自身自体にも危険が及ばない“気持ちを汲む・空気が読める犬”は、人間社会で生活する上で欠かせません。

そして、その結果として犬が人との生活に馴染むこと自体も、全く悪い事ではありません。

しかし、その“気持ちを汲む反応”が信頼からくる「服従」から得たものなのか、我慢からくる【忍従】によって自然と身に付いてしまったものなのかでは、捉え方が違ってきます。

犬の“気持ちを分かってくれる”反応を支点に考えた時には、そこには「服従」のみならず【忍従】という観点からも物事を見ることが、とても重要な意味合いを持ち合わせてきます。

“空気を読む良い子”の犬が見せる仕草4選

犬の“空気の読み方”が飼い主を思ってされたものなら問題ありませんが、例えばこれが【忍従】によって、“気持ちを汲んで空気を読む良い子”にならざるを得ずになった犬だった場合、どのような仕草を示すことがあるのでしょうか?

ここでは、“空気を読む良い子”の犬が見せる仕草を4つご紹介します。

1.離れたところでジッとする

愛犬が少し離れたところでジッと座っていたり、伏せっていたりしながら飼い主さんのことを窺がっていた場合、その仕草は一見落ち着いたように見えるかもしれませんが、もしかしたら本当にそう振舞っているだけの可能性があります。

長いことその場を動かなかったり、地面に張り付くように伏せていたりしたら、それはストレスが大きい影響で“空気を読む良い子”として我慢してしまっている可能性が考えられます。

2.ゆっくり近付いてくる

一方で飼い主さんの顔を窺いながら、逆にゆっくり近寄ってくる場合、これも一種の“空気を読む良い子”でいなきゃという表れの可能性があります。

「おいで」と声を掛けて近寄ってきた時に、日常的にこのような仕草が見られる時には、知らぬ間に愛犬を我慢させてしまっている事柄が関係しているかもしれません。

3.あえておなかを見せてくる

信頼や服従の証として犬がよくするおなかを見せる行動は、状況によっては緊張を示している場合があります。

特に前脚を体に引き寄せていたり、体がピンッと伸びていたり、体のサイドの一方が下になっていた場合、その裏には「良い子にしているよ」という感情が隠されているかもしれません。

基本的に犬が気を許した状態でおなかを見せる時は、上記の画像のように背中を完全に下にし、後ろ脚や前脚が完全に脱力している時に見られます。

4.口角を後ろに引いたような笑顔

舌を出して、一見笑顔を感じさせるような顔であっても、耳や口角が後ろに引くような形で、舌がヘラのように垂直を保っているような場合には、例え問題なく抱っこや撫でられる状況だったとしても、犬はどこかで緊張や不安を感じているかもしれません。

犬のこうした仕草は、一見飼い主に寄り添っているように見えて、単に反抗する気がない表れの場合も多いため、しっかりと見極めてあげることが大切です。

愛犬を“空気を読む良い子”にさせる飼い主のNG行動

それでは、このような“空気を読む良い子”にさせてしまう飼い主のNG行動とは一体どういった行動なのでしょうか?

一つずつ詳しい内容を確認してみましょう。

1.外出が多く留守番する時間が長い

犬にとって飼い主さんの日頃の外出というのは、ないに越したことはありません。

例えそれが買い物であれ、生活に必要な仕事であれ、長時間留守番をする必要がないのなら、犬にとってはそれに越したことはないのです。しかし、もしもこの外出の多くが趣味に費やす時間で、あまりにも遅くなることが多いのに犬が何のアクションも示さない場合には、犬は“空気を読む良い子”に該当してしまっている可能性があります。

趣味を持ち合わせることは、人生を豊かにし世界の幅を広げてくれるとても素晴らしいものです。しかし、その趣味に没頭するあまり夜中まで出歩いていたり、犬に留守番をさせる頻度が多かったりした時には、寂しさや悲しさを『じっと我慢し、境遇のままに従う』【忍従】からくる“空気を読む良い子”にさせてしまっていることになります。

2.夫婦喧嘩や兄弟喧嘩が多い

日頃から夫婦喧嘩や兄弟喧嘩が多い家庭で育った犬は、その家族不和に気を遣って“空気を読む良い子”になるNG行動に該当してしまう可能性があります。

特に性格の面で人に共感しやすい(人のストレスを受けやすい)シェットランド・シープドッグやボーダー・コリー、ロングコートタイプのミニチュア・ダックスフンドでは、その傾向は顕著に表れ、遠慮した態度で飼い主さんと接している可能性があります。犬は基本的に犬同士であっても争いを嫌う動物です。

『夫婦喧嘩は犬も食わぬ』とは良く言ったものですが、これは、犬を“空気を読む良い子”にしないための観点から見ても、とても理に適っているもののため、出来る限り回避するよう心掛けることが大切です。

3.頻繁にペットホテルなどに預ける

犬を迎えると、多くの飼い主さんは自然と犬中心の生活になるため、どこか旅行でお出掛けと言っても愛犬と一緒に泊まれる宿やホテルを見つけて、連れて行くことが多いと思います。

しかし、旅行など出掛けることが大好きで、犬をペットホテルや実家、友人宅に預けることのハードルが低い飼い主さんだと、頻繁にペットホテルに預けては、旅行を楽しんだりお出掛けを楽しんだりすることでしょう。

それに付き合う犬は、自然と寂しさを押し殺す“空気を読む良い子”になってしまうことがあります。

このNG行動の場合、長時間の留守番と似た側面がありますが、犬を慣れない場所に度々預ける部分で違いが生じ、“空気を読む良い子”だけでなく、“ストレス”をも掛けてしまっていることがあるため、頻繁なペットホテルに預ける行動は控えましょう。

4.威圧的・頭ごなしに怒る

人との生活をするにあたって、犬は必要最低限のしつけが欠かせません。

しかし、そのしつけに対して威圧的に叱ったり、頭ごなしに怒ったりしてしまっていると、怒られないための自己防衛として、犬は“空気を読む良い子”になってしまうことがあります。

またこの場合、“空気を読む良い子”ならまだしも、その名の通り自己防衛で“攻撃性”を見せる犬となってしまうと、それは飼い主さんの危険に繋がります。

威圧的・頭ごなしに怒る行動は、現在のしつけの観点から言っても、犬との接し方の観点から言っても推奨されるものではありません。犬と接する際には、基本は『褒める』ことを念頭にした接し方を心掛けましょう。

まとめ

世間一般に言う“聞き分けの良い犬”は、確かに、『吠えない犬』や『大人しい犬』、『指示に従う犬』が多いため、誰が見ても賢い良い犬に見えることでしょう。

しかし、人の命令にしっかり付き従う「服従」を示すことと、人の生活の都合に合わせて、その境遇に我慢して従う【忍従】を示すこととでは、その犬の“聞き分けの良さ”に対して、仕草からも表情からも違いが感じられます。

犬と接する際には、犬の本来ある自然体を大事にしつつ、“空気を読まなければならない犬”を演じさせることのないような接し方を心掛けてあげてください。

<参考書籍>

教養としての犬 思わず人に話したくなる犬知識130

犬語図鑑|犬のボディランゲージを学んでもっと愛犬と仲良くなろう

<画像元>

Canva

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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