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愛犬にフローリングは危ない?!滑らないための対策は?【動物看護師が解説】

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わんちゃんが多くの時間を過ごすのはリビングですね。いまや日本の住宅のリビングの7割以上がフローリングだそうです。

衛生面や耐久性に優れ、人にとっては使い勝手の良いフローリングですが、わんちゃんにとっては滑りやすく怪我を招いてしまうことも。

フローリングの危険性と愛犬が安全に過ごすための対策を解説します。

愛犬の脱臼・骨折の発生場所 第1位はリビング

アニコム損害保険株式会社が行ったペットのケガや事故の実態調査によると、ケガや事故の発生場所第1位はリビングでした。

また、リビング内で起きている事故を調べてみると、事故の多くが骨折や脱臼であることがわかりました。骨折や脱臼というと激しい運動や外出時に起こるイメージがありますが、室内でのジャンプや転倒が原因であることが圧倒的に多いのです。

転倒やつまずきの原因として考えられるのがフローリングです。足裏に毛が生えているわんちゃんにとってフローリングは踏ん張りがきかず滑りやすい床材のため、走ったりジャンプしたときに骨折や脱臼してしまう可能性が高いのです。

犬の抜け毛は2倍フローリングを滑らせる!

犬と暮らしていると、フローリングの上に犬の抜け毛が落ちていることが多くありますね。北里大学の馬渕博士が行った「犬の毛の滑りやすさに関する実験」によると、犬の毛がフローリングに落ちている場合、落ちていないときと比べて滑りやすさは2倍以上になりました。

ただでさえ滑りやすいフローリングに抜け毛が加わると、愛犬の転倒リスクがさらに増してしまいます。(飼い主さんも転倒する危険があります。)

また、抜け毛だけでなく肉球周りの毛が伸びていたり、老犬で肉球の水分が減ってくると滑り止め効果が薄くなるため、フローリングでの転倒リスクが高くなります。

足が滑ってまねく犬の病気

骨折以外にもフローリングの滑りが原因、または悪化させると考えられている病気があります。

股関節形成不全

股関節のゆるみが原因となり、股関節が異常に形成される病気です。

遺伝的要因が多い病気ですが、成長期の栄養状態や足腰に負担がかかる環境(肥満や滑る床など)で生活することでも発症します。

股関節形成不全が進行すると関節炎を引き起こし、痛みがでたり関節の可動域が狭くなります。

歩くときに腰を大きく振る、横座りをする、散歩の途中で座り込むなどが見られたら、股関節に異常がある可能性があります。

膝蓋骨内方脱臼

遊んだり歩いている最中に足をケンケンさせることはありませんか?

膝蓋骨内方脱臼は足の動かし方によって、ひざのお皿がひざの中央から内側に脱臼してしまい、様々な歩行障害を起こす病気です。

脱臼を繰り返すと炎症を起こしてしまい関節炎も引き起こします。

小型犬で多く発生しやすく、状態が悪化すると常に脱臼したままで元に戻らなくなります。

椎間板ヘルニア

背骨同士を繋いでいる椎間板に強い衝撃を受けることで変性し、背骨の中にある脊髄を圧迫する病気です。

脊髄が圧迫されることによって、運動障害や麻痺、痛みが引き起こされます。

加齢や肥満などでも引き起こされますが、ジャンプや二足歩行など瞬間的に急激な圧力がかかると椎間板ヘルニアを起こす可能性があります。

愛犬を床の滑りから守るための3つの対策

①滑らない床材の見分け方

愛犬をフローリングの滑りから守るために、滑りにくい床材に変更したり、滑り止めグッズを使いましょう。

カーペットや滑り止めワックスなど、ペットの滑り止めグッズは色々ありますが、どれでもいいのかというとそうではありません。

東京工業大学の研究チームが調査した「犬が滑りやすい床材」では、もっとも滑りやすいのがフローリング、もっとも滑りにくいのがゴム系シートという結果でした。

ただし、ゴム系の素材は滑りにくくはなりますが、逆につまづきのリスクが高くなってしまいます。滑りにくいほどいいというわけではないのですね。

では、何を基準に選べばいいのでしょうか。

滑りにくさの度合いは数値化されており(すべり抵抗係数といいます)、すべり抵抗係数が0.676以上の床であれば、99.9%の小型犬が問題なく動くことができると報告されています。実験した床材の中でいうと、コルクが一番数値が近いですね。

ペットの滑り防止グッズは滑りにくさの目安として、すべり抵抗係数が一緒に紹介されていることが多いので、選ぶときは0.676以上0.783未満の数値を目安に選ぶことをオススメします。

➁リビング以外の床も見直す

犬の動作と滑りを調べた調査では、歩き出しよりも飼い主さんの足元に回り込んだり、小走りで寄ってきたときに滑ることが多く見られたそう。

リビングの滑り対策をしている方は多いと思いますが、玄関や廊下なども散歩前で興奮したり、飼い主さんをお迎えするなど激しく動く機会が多い場所です。

愛犬が廊下や玄関行くけれど、フローリングのままだったという方はぜひこの機会に対策をとってあげましょう。

➂滑りにくさ以外に大切なこと

滑りやすさだけでなく、その床材が愛犬の足に合っているかも確認しましょう。

例えば、タイルカーペットは衝撃を吸収してくれて滑りにくい床材ですが、糸が輪っか状のもの(ループパイル)を選んでしまうと、犬によっては爪や指がひっかかり折れたり怪我をしてしまう恐れがあります。(特にヨークシャテリアは爪が細いので注意)

また大型犬と小型犬では床を蹴る強さも異なるので、床材がしっかり固定できるかを確認するのも大切なポイントです。

今は健康に見えても少しずつの積み重ねが大きな病気や事故を招きます。

愛犬も飼い主さんも辛い思いをしないために、滑らないための対策を取っておきましょう。

<参考文献>

・住まいの床に関するアンケート調査 マイボイスコム株式会社

・ペットと暮らす居住空間への新たな提案 日本建築学会 シンポジウム

・小型犬の動作に必要な床のすべり抵抗の提示 日本建築学会構造系論文集

・ペットのケガや事故の実態調査を実施~

 47.7%のペットがケガや事故を経験、最多は異物誤飲事故 アニコム損害保険株式会社

・犬の毛でフローリングの床が2倍以上滑りやすくなる 株式会社ディライトクリエイション

<画像元>

illust STAMPO

ICOOON MONO

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

宮崎出身の動物看護師。
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・日本動物看護職協会 認定動物看護師
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