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どこに預けるのがいいの?愛犬をペットホテルに預けるときの注意点とストレス対策【動物看護師が解説】

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愛犬を預けるときに「うしろめたい気持ちになる」「ストレスにならないか心配」という飼い主さんは多いですね。

でも預け先を愛犬に合った場所にしたり、ストレスを減らす対策を取ることで、愛犬の負担をぐっと減らすことができます。

「預け場所を決める大切なポイント」や「ストレスを減らすトレーニング」を覚えていきましょう!

愛犬をどこに預ける?メリットデメリット一覧

ペットホテルや動物病院など、わんちゃんを預ける場所は色々とありますが、どの預け先にもメリットデメリットがあります。

まず、どんなメリットとデメリットがあるのか把握しておきましょう。

愛犬の預け先を決める時にチェックしたい4つのこと

どの預け先が合うかはわんちゃんによって違うので、飼い主さん目線だけでなくわんちゃん目線でも考えてあげることが大切です。

「4つのチェックポイント」を指標に、優先順位をつけて 預け先を決めてあげましょう。

①どんな環境で過ごすのか?

■ケージの中で過ごす時間が多いか、少ないか
■他の犬や動物と同じ空間で過ごすか

など、どんな環境でわんちゃんが過ごすのかを確認しましょう。

たとえケージが分かれていても、臆病な子や繊細な子であれば、他の犬や動物の鳴き声が聞こえる環境では落ち着けない可能性があるので、個室対応をしている所やペットシッターさんの方が向いています

苦手な環境に急に長時間置かれるとストレスから体調を崩すこともあるので、愛犬の性格をよく把握して預け先を決めましょう。(特に病気持ちや老犬は環境選びに注意)

➁どんな生活スタイルなのか?

自由な時間や運動の時間があるかなど、どんな1日を送るのか確認しておきましょう。

遊びが大好きな子、運動がたくさん必要な犬種、遊びたい盛りの子犬であれば、

ケージに入っている時間が長かったり、散歩やフリーの時間が少ない生活は不向きです。

たとえ1日であっても、エネルギーが発散できないのは辛いので、運動や遊びがたくさんできること条件に預け先を探しましょう。

➂どんな人が世話をするのか?

普段から接している人か否かだけでも、わんちゃんが感じるストレスは変わってきます。

特に初めて預けるという場合には、普段慣れている環境か普段接している人を選ぶようにしてあげましょう。

また苦手な性別がある、見知らぬ人に触られ慣れていない場合も思わぬ事故を引き起こすことがあるので、どんな人が接する機会が多いか確認しましょう。

④他の犬や動物と接触するのか?

他のわんちゃんとの接触機会や同じ空間で過ごすことがあるかも確認しましょう。

普段から他のわんちゃんに接する機会がない、他のわんちゃんが苦手な子を、急に多くのわんちゃんと同じ空間(しかも飼い主さんがいない状況で)に入れるのは酷です。

一度嫌な思いをすると、お出かけや他のわんちゃんがトラウマになることもあるので、今までの生活や経験も踏まえて預け先を考えましょう。

 

愛犬の預け先でのストレスを減らすポイントは?

嫌な思い出よりも良い思い出を残す!

預け先では嫌な思いよりも楽しかったという思いをたくさんさせてあげることがポイント。

例えば・・・初めての人で怖かったけれど「たくさん声掛けしてくれた」「大好きなおもちゃで遊んでくれた」「いっぱい散歩に行けた」など楽しい経験をたくさんすると、トータルではわんちゃんの中に楽しかった思い出として残ります。

逆に良い印象と悪い印象の振れ幅が大きいと嫌な記憶として残るので、愛犬が何が好きで何が苦手なのかを把握することが大切です。

普段使っている物を持っていく!

普段と同じ環境を作ってあげると、違う場所でも不安を和らげることができます。

家で使っている毛布やリード、食器などを持っていきましょう!(飼い主さんの匂いが付いている物もOK)

いつも遊んでいるオモチャや大好きなオヤツを持っていくのも、預け先でいい思い出をつくるために大事です。

また違う環境では食欲がわかないことが多いので、普段食べているトッピングや犬用のフリカケがあれば持っていきましょう。

苦手な場所に預けない!

何度も同じ経験をすることで慣れることもありますが、預け先を苦手な場所にするのはやめましょう。

成犬は今までの経験があるので、似たような状況になると嫌な記憶を思い出して、マイナス印象からのスタートになります。

何度も預けているから「自然に慣れる」わけではないのです。

マイナスな印象をプラスにしていくのは非常に難しく、訓練が必要なのでわんちゃんが苦手としている環境は預け先から外すようにしましょう。

愛犬のストレスを減らすための日常トレーニング

短時間預けや留守番からスタート!

初めて預ける場所に何泊もさせるのは、わんちゃんの負担が大きくなります。

■顔なじみのお友達のところで数時間過ごす
■いつも通っているトリミングサロンで短時間だけ預かってもらう

などで少しずつ「預ける」ことに慣らしましょう(愛犬の反応や相性もわかります)

ほとんど飼い主さんと離れたことがないという場合は、預けるよりも短時間のお留守番で1人の時間を過ごすところから始めましょう。

普段と違う環境でも同じことができる!

預け先でなかなか排泄ができない、ご飯が食べられないという話をよく聞きます。

場所が変わったり人が変っても、日常生活が送れる練習をしておきましょう。

人が変わると食べれないという場合は、

■お家で他の人にオヤツをあげてもらう
■次はお庭でオヤツをあげてもらう

など少しずつハードルを上げて慣らしていきましょう(災害時にも役立ちます)

他の犬や人に慣らす!

他の人や他のわんちゃんと必ず仲良くする必要はありませんが、ある程度距離を保てば落ち着ける、存在を気にしないでいられるという冷静さは必要です。

散歩の中でいろいろな人や犬に会う機会を作るなど、他の犬や人に慣らす練習をしましょう。

人は預ける理由や帰ってくる日付はわかりますが、わんちゃんにはわかりません。

そのため違う環境でも落ち着いていられるトレーニングを日常的にしておかないと、愛犬の負担になってしまいます。

旅行や帰省だけでなく、災害や病気での入院などで急にどこかに愛犬を預けるという機会は必ず出てきます。

いざという時のために、ストレスを減らすポイントを知っておくことは大切ですね。

<参考文献>

・ヒトの体臭付着物が飼い主との分離状態のイヌに及ぼす影響  応用動物行動学会誌

・東日本大震災におけるペット救援活動とその課題 コミュニティ心理学研究

・動物看護のための動物行動学 森 裕司  (著), 武内 ゆかり

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。