国の天然記念物として指定されている柴犬。
ピン!と立った耳と、くるんっと丸まったしっぽが特徴的な日本を代表する犬ですが、そもそも日本犬に多い、特徴的な巻き尾がどのように生まれたかご存知ですか?
今までオオカミのDNAに1番近いと思われていた中国原産のチャウ・チャウよりもオオカミのDNAに近い事が判明した柴犬。
その中には同じく天然記念物指定の秋田犬も含まれている程、日本犬はオオカミに近い性質を持っていると言われています。
ではなぜ、オオカミといえば長い真っ直ぐなしっぽが特徴的なのに、日本犬の多くはくるんっと丸まったしっぽなのか。
そこには意外な理由があったので、ご紹介します。
柴犬の巻き尾の特徴とさし尾の特徴
さて、そもそも巻き尾とはどんなしっぽのことを指すのかというと、基本的にはカタツムリの貝殻のようにくるんと巻かれた形状をしたしっぽのことを言います。個体差によって巻きが緩かったり、2重巻きのようにしっかりと巻かれたしっぽだったり、しっぽの先端が右側に偏ってたり、はたまた左側だったりと、わんちゃんによってさまざまな特徴のある子がたくさんいます。
けれどこの特徴、そのどれもが人間と共に生活をしていく中で変化していったというのです。
また、こういった巻き尾とは対称的なさし尾とは、しっぽの先端が背中につかず、丸まった形状では無いものを言います。
柴犬のしっぽは、巻き尾とさし尾のどちらも犬種標準として採用されており、日本犬標準にもそれは変わらず明記されているので、そこもまた魅力の一つですよね。
それでは、そんな2種類あるしっぽの中でも、巻き尾は具体的にはどのようにして変化していったのか、その原因となるきっかけが何だったのかを見ていきます。
人との生活で変わっていった柴犬の巻き尾
まず、ほとんどの柴犬のしっぽは、このような巻き尾の子が多いと思います。筆者が飼養している現在3代目となる柴犬、その前の初代柴犬も巻き尾です。
また、巻き尾の種類はいくつかあるとされており、初代柴犬は左二重巻き、3代目柴犬はタイヤのような車巻きに近い右巻きをしています。どちらも個性があって魅力的なしっぽだと筆者は思っています。
ただ、先程も述べましたが、個体差があるので巻きの強弱があったり、中にはしっぽそのものが巻かれることなく、さし尾と呼ばれる、いわゆる背中に付かない真っ直ぐのしっぽを持つ子もいるでしょう。
そのため、見た目にも可愛らしくて、思わず触って威嚇されるなんてこともあると思いますが、このしっぽ、実は人との生活において出来上がった形なのです。
というのも、もともと柴犬のしっぽは、オオカミと同じまっすぐなしっぽだったとのこと。そう聞くとオオカミのDNAと一番近いことも頷けますよね。
しかし、人に飼養されるようになった柴犬は、元から家庭犬という印象もあってか、結果的に『楽して過ごす』状況となり、しっぽの先端に向かうにつれ筋力が低下し、そのうちくるんっと丸まった形に固定したのだそうです。
イメージとしては、柴犬がリラックスしている時のだら~んとしたしっぽが日常化した結果、そのまま筋力低下に繋がったという感じでしょうか。これは豚のしっぽも柴犬と同じような経緯で、くるんと丸まっているのだとか。
柴犬の巻き尾の魅力やしっぽの主な役割とは?
それでは、最後に少しだけ巻き尾の魅力やしっぽの主な役割についてご紹介します。
巻き尾の魅力と言ったら、やはりなんと言ってもその丸まったしっぽのフォルムと歩く度に楽しげに揺れるその動きだと筆者は思っています。
多くの犬は、しっぽで感情を豊かに表現し、それを大いに発揮します。
それらは日本犬も同じ仕組みではありますが、巻き尾はその中でも一際動作が小さいことも多く、特に柴犬なんかは独立心が強いと言われる犬種なので、中には「これって喜んでるかな?」と思う子も居るかもしれませんが、飼い主さんに至っては表に出さずとも忠実な思いで接していると思いますので、心配はいりません。
また、しっぽはバランス感覚の役目を果たしていたり、体の暖を取る役目を果たしたりと様々です。
しっぽが丸まった経緯には、人と生活を共にし、『楽したことによる筋力低下』だと言われてはいるものの、しっぽの役割の重要性は今も変わりません。
そう思うと柴犬の特徴的な巻き尾は、結果的にはその可愛らしさや魅力を引き立たせる良い形なのではないかと筆者は感じています。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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