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「子供がいる家庭で犬を飼いたい」最適なタイミングや飼う時の注意点は?【動物看護師が解説】

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子供が少し大きくなってくると「そろそろ犬を飼おうか」という話を家族でする方も多いのではないでしょうか。

でも「子供が小さいときに犬を飼うのはどうなの?」「最適なタイミングってあるのかな?」と不安を感じて飼うことを躊躇する方もいらっしゃると思います。

そこで今回は、犬を「飼うタイミング」や「飼う時の注意点」をお話ししていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

犬を飼うなら子供は何歳からが最適?

犬を飼う場合、子供の年齢は何歳ぐらいが最適なのでしょうか。

家庭環境や飼う犬種などによって異なるため、子供がこの年齢になったら犬を飼っても大丈夫とは一概に言えません。

しかし、このくらいの年齢がベストかなと、推測できるポイントが「6つ」あります。

犬と子供の将来のためにも大事なポイントなので「ウチの場合はどうだろう」と照らし合わせながら見ていってくださいね。

▼犬を飼うなら子供は何歳からが最適なの?
①低年齢の子は咬傷事故のリスクが高い
➁低年齢の子は咬傷事故が重症化しやすい
➂低年齢の子は犬の感情を読み取りにくい
④自分のことは自分でできる年齢
➄向社会的行動が発達しやすい年齢
⑥やって良い事、悪い事を理解し実行できる年齢

①低年齢の子は咬傷事故のリスクが高い

犬を飼う上で一番気をつけなければならないのが、咬傷事故です。

少し古いデータになりますが、2001年にアメリカで犬の咬傷事故(救急病院で治療が必要なレベル)にあった患者を調べたところ、噛まれた年齢は下記のようになりました。

▼犬の咬傷事故にあった年齢(咬傷患者 約37万人を調査)
・5~9歳  15%
・10~14歳 13%
・0~4歳  13%
・25~44歳 12%
・15~24歳 7%

5~9歳の子の割合が一番多く、14歳以下の咬傷事故は全体の約40%を占めています。

どんなにしつけをしていても犬は動物なので、狩猟のスイッチが入ったり、嫌なことをされば攻撃をしてしまうことはあります。

そのため、幼い子供と犬を同じ環境で飼おうとすると、親側が十分な勉強と配慮をしなければなりません。

➁低年齢の子は咬傷事故が重症化しやすい

先ほど咬傷事故にあった年齢のデータを紹介しましたが、同じ調査で「事故にあった際のケガの場所」も紹介していました。

その結果を見ると、年齢が低いほど致命傷になりやすい頭部や首の怪我が多いことがわかりました。

▼咬傷事故でケガをした場所(年齢別)
【頭部および首】
・0~4歳 65%
・5~9歳 41%
・10~14歳 20%

年齢が低いと身長も低いため、犬の口と位置が近い頭部や首が攻撃箇所になりがちです。

犬側がその場所を狙ったわけでなくても、幼い子供の場合、当たった場所や傷の深さによって十分致命傷になってしまいます。

➂低年齢の子は犬の感情を読み取りにくい

先ほど「低年齢の子は咬傷事故にあうリスクが高い」とお話ししました。

それは、犬の感情を大人ほど上手に読み取れないのが原因かもしれません。

イギリスの心理学会で発表された内容によると、4歳から7歳までの子供に犬の動画を見せ、下記のことを質問したそうです。

・動画の犬の感情はどれですか?(怒っている、喜んでいる、怖がっている )

・その感情の犬に近づきたいですか?

すると、感情はおおむね認識できたそうですが「怖がっている犬にも近づきたい」と答えた子が多かったそうです。

怖がっている犬は自分を守るために攻撃に出ることがあるので、近づくのは非常に危険です。

子供側がリスクを認識していないと咬傷事故にあう可能性が高くなります。

④自分のことは自分でできる年齢

子供の年齢が低いと、着替えや食事など手助けにかかる時間は多くなります。

そして、犬のお世話にかかる時間は1日最低4時間程と言われています。

これは、散歩やお手入れ(ブラッシングや歯みがき等)遊びの時間で、しつけの時間は含まれていません。

犬を飼っていると、トイレトレーニングや吠えなど困りごとは必ず出てきます。

子供がある程度、自分のことは自分でできる年齢でないと、犬と向き合うための時間はまったく取れなくなります。

➄向社会的行動が発達しやすい年齢

向社会的行動とは「相手の事を思いやる事」や「相手のために行動をおこす事」をいいます。

小学2年生、4年生、6年生(合計241名)を対象に、向社会的行動を調べたところ、学年が上がるごとに発達が見られ、6年生が一番割合が高かったそうです。

犬を飼う上で「犬もお腹が空いているかも」「散歩に行かないと退屈だよね」といった相手を思いやる発想や行動はとても大切ですし、お世話をすることで愛情も深まります。

⑥やって良い事、悪い事を理解し実行できる年齢

犬と信頼関係を築いていくうえで、犬の好きなことや嫌なことを理解することは大切です。

しかし、低年齢の子の場合「やってはいけない」と教えた事でも、つい衝動的にやってしまったり繰り返してしまうことがあります。

それは犬にとってストレスになりますし、最悪犬の身に危険がおよんだり(誤飲や中毒事故など)子供の咬傷事故に繋がりかねません。

▼ポイント「6つ」のまとめ

今までの話を総合すると、子供が0歳~小学校低学年で犬を飼おうとすると、安全面や時間面での課題が多いように感じます。

そのため、犬を飼うなら子供が「小学校高学年~中学生くらいの年齢」がベストなのではないでしょうか。

犬を飼ってはいけないタイミングはあるの?

では、逆に「犬を飼ってはいけないタイミング」というのはあるのでしょうか?

・ライフスタイルが変化するとき
・子供が幼いとき

この「2つ」のタイミングで犬を飼うことは避けておいた方がよいでしょう。

犬を飼うと暮らしの中に犬の世話やしつけ等の時間が入ってきます。

初めて犬を飼うのであれば、犬の病気やトレーニングの仕方の勉強も欠かせません。

つまり、犬を迎え入れると今までの生活パターンがガラリと変化します。

そのタイミングで「子供が増えた」「引っ越しをした」などのライフスタイルまで変わってしまうと、生活の変化に二重で対応しなくてはならなくなります。

また、子供が幼いとお世話の時間も長くなりますし、体調を崩す機会も多く、犬との時間をなかなか取れなくなります。

犬と接する時間が少ないと犬と信頼関係を築くのも難しいですし、要求吠えや散歩での引っ張り癖など、困った問題が起こったときに対応ができなくなります。

犬側の幸せも考えると、人に余裕がないときに犬を飼うのは避けた方が良いのです。

子供がいる家庭で犬を飼う時の注意点

では、子供がいる家庭で犬を飼う時に注意すべきことはなんでしょうか。

ポイントをまとめてみました。

▼子供がいる家庭で犬を飼う時の注意点
・家庭環境に飼いたい犬種は合っているか
・家庭環境に飼いたい犬の年齢は合っているか
・犬を飼い続けられる金銭的の余裕があるか
・家族に犬アレルギーがいないか

犬を飼うときに「子犬だから」や「この犬種だから」といった理由で選ぶことが多いです。

しかし、家庭環境によっては、子犬より成犬の方が合っている、狩猟犬よりも愛玩犬の方が合っているという場合があります。

飼いたい犬種と犬の年齢が家庭によってミスマッチすることがあるので、選ぶときは十分考慮してください。

また、犬を手放す原因や不満に感じることに「子供が犬アレルギーだった」「思ったよりお金がかかる」ことが多くあげられています。

どちらも犬を飼う前に調べて話し合うことができるので、犬を飼うと決めたら家族で話し合っておきましょう。

ここでは紹介しきれませんでしたが、犬を飼う前に知っておきたいことは、実はまだまだたくさんあります。

子供がいるご家庭で犬を飼うにあたって、知っておきたい事を下の記事にまとめているので、よかったらこちらも合わせて読んでみてくださいね。

▼「コチラ」の記事もオススメです!

「愛情」や「責任感」を子供に育ててほしいと願って犬を飼うことが多いと思いますが、子供は親が犬に対する接し方を見て、影響を受けることも多いそうです。

家族みんなで愛情を持って犬に接することが、子供成長のためにも大切ということですね。

犬のためにも子供のためにも最適なタイミングを今回ご紹介した内容を参考にして、見つけてみてくださいね。

<参考URL>

Nonfatal dog bite-related injuries treated in hospital emergency departments–United States, 2001
>https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12844076/

English hospital episode data analysis (1998–2018) reveal that the rise in dog bite hospital admissions is driven by adult cases
>https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7815787/

家族のペット飼育態度が子どもの飼育態度や共感性・向社会的行動に与える影響
>http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/1517/1/0080_010_011.pdf

小学生がおこなう向社会的行動 向社会的行動の対象と種類に関する自由記述の予備的検討
>https://www.suzuka.ac.jp/wp-content/uploads/2020/03/11kiyou_saito-1.pdf

<画像元>

Unsplash

いらすとや

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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