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愛犬が元気な時こそ考えたい!わんちゃんの健康診断(ドッグドック)のススメ

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愛犬にいつまでも健康でいてほしいと願うみなさん、健康診断はされていますか?予防接種やフィラリア検査などで年に数回は動物病院を訪れると思いますが、その際に軽い健康チェックはしてもらえますよね。年に一度、全体的な健康診断を受けているという飼い主さんもたくさんいらっしゃると思います。

我が家も若いうちは年に一度、シニアになったら3ヶ月~半年に一度は検査をしてもらっていますが、ただ単に「健康診断をお願いします。」と病院に伝えるだけでは不十分だということを実感しています。

若いから、元気だからと安心せずに、愛犬の状態をよく知るため、そして病気の早期発見のために、健康診断についてあらためて考えてみませんか?

愛犬の定期健診が重要な理由

若く元気な愛犬に対して健康診断の必要性を感じることはあまりないかもしれません。しかし、私たちが学校や会社で定期健診を受けるように、愛犬にも同様の機会を設けることは非常に大切です。その理由は主に3つあります。

家庭では明らかな不調以外、愛犬の病気に気づくのは難しい

愛犬が調子を崩したことがあるという方には思い当たるかもしれませんが、直前まで普段通りだったのに急に体調が悪くなったように感じられるケースがあります。ワンコは人間に比べて苦痛に強く、多少の不調であれば食欲も元気もいつもと変わらないことが多いのです。

一時的な不調であればまだ良いですが、大きな病気が隠れていた場合、飼い主さんが症状に気づく頃には進行してしまっている恐れがあります。

元気に見える時から定期的に健康診断を受けていれば、早期発見につながる可能性も高まることでしょう。

愛犬に疾患があった場合、狂犬病の予防接種や多種混合ワクチン接種なども大きな負担になる

動物病院で予防接種を受ける場合、事前に軽く健康状態をチェックしてくれます。万が一何かしらの疾患があった場合、病気予防のための注射が命を脅かしてしまうことがあるからです。

我が家の先代ゴールデンが10歳の時、狂犬病ワクチン接種の事前健診で心雑音が見つかりました。すぐに詳しい検査をしたところ、僧帽弁閉鎖不全症の初期段階だと診断されたのです。

知らずに注射を打っていたら弱った心臓に大きな負担をかけていたことでしょう。その年から狂犬病ワクチン接種は免除となり、投薬治療を開始しました。12歳半で旅立つまでほとんど普段通りの生活を送ることができたのは、早期発見、早期治療のおかげだと思っています。

市区町村などで実施している集団予防接種では丁寧な事前検査を期待することはできないため、動物病院にお願いするか、事前に健康診断を受けてから集団予防接種に行くことを強く勧めます。

愛犬の健康な状態で検査値を知っておくと病気の診断に役立つ

定期健診を行うもうひとつの目的は、愛犬の普段の状態を正確に把握し、記録に残すということです。たとえば血液検査の「正常値」とは、健康な多数の犬から統計学的に算出される基準値のことですが、そのデータと愛犬にとっての正常値が必ずしも一致するとは限りません。

我が家の先代ワンコは毎回血小板数が基準範囲の中で低く出ていました。血小板は怪我などの際に血を止める働きをするため、数が少ないと止血に問題が生じることがあります。

しかし詳しく検査すると、我が愛犬の場合数は少ないものの一つ一つが大きく、しっかりと止血の役割を果たせるということが分かったのです。もしも病気になってから血液検査をしていたら、これがこの子にとっての正常値ということに気づけなかったことでしょう。場合によっては、必要のない治療をすることになっていたかもしれません。

各種検査結果のデータを積み重ねて傾向を把握しておくことで、愛犬がシニアになったり病気になったりした時に役立ちます。そのためにもかかりつけ病院を決めておくか、検査結果をご自身で保管しておくと良いですね。

▲先代愛犬の血液検査結果。若い頃からの検査結果が何十枚もあります。

検査内容について、注意したいこと!

同じ健康診断であっても、その検査内容は病院によっても異なるし、愛犬の年齢や基礎疾患の有無などによっても実にさまざま。聴診や触診、検尿や検便、簡単な血液検査、目や耳、口の中のチェックなどが一般的かと思います。

しかしながら、これらの検査だけで発見できる病気やその前兆はごく限られたものだと感じています。私たち人間もそうですが、定期健診で引っかかる時にはすでに病が進行しているというケースが少なくないからです。せっかく検査をするのですから、少なくとも次の2点はお願いしましょう!

詳しい血液検査

まずは「詳しい血液検査」です。

若く健康な子であれば、項目を絞って検査をする獣医さんもいらっしゃいます。その方が飼い主さんの費用負担が少なくなるため先生が気を利かしてくれている場合もありますが、その中には含まれない検査項目が重要となることもあります。愛犬の体調や体質で気になることがあれば、検査前に相談してみると良いでしょう。

また、ワンコの老化スピードは思うよりずっと速いので、我が家ではどんなに元気そうでも5歳くらいになったら年に一度はしっかりとした検査をお願いするようにしています。

超音波(エコー)検査

次にぜひ行いたいのが「超音波(エコー)検査」です。

心臓や肺、腎臓や肝臓、胃腸、膵臓や脾臓など、各種臓器をしっかりとチェックしてもらいましょう。触診やレントゲン検査では見つけることが難しい異常を発見できることがあります。レントゲン検査のように別室に連れていく必要がないため、愛犬にとっても少ないストレスで検査できるのもメリットですね

。我が愛犬がお世話になっている病院では定期健診での超音波検査は行っておらず、毎回追加でお願いしています。先天性疾患の早期発見にもつながるため、年齢を問わず行うことをお勧めします。

言葉を持たないワンコのために

我が家の愛犬が子犬から老犬までさまざまな場面でお世話になってきた動物病院。定期健診について飼い主として学んだことをご紹介しました。愛犬について誰よりも詳しいのは飼い主さんです。自分で不調を訴えることができない愛犬のために、少しでも気になることがあれば自分でも知識をつけ、病院では必要な検査をお願いできるようにしておきましょう。

また、犬種によって異なる留意点があることもお忘れなく!我が愛犬、ゴールデン・レトリバーは遺伝的に股関節が弱い子が多いため、かかりつけ医での触診に加えて、スペシャリストのいる病院でのレントゲン検査をもとに専門機関での評価を受けています。

椎間板ヘルニアや水頭症、進行性網膜萎縮など、犬種によってさまざまな遺伝性疾患の発症リスクが高まります。それらの疾患を防ぐ取り組みをしているブリーダーさんもいますが、残念なことに現在の日本ではまだ数が少ないのが実態ですので、飼い主さんが慎重になるほかありません。

犬種特有の疾患が心配な場合は、専門病院で適切な検査を受けることをお勧めします。

▲愛犬の股関節、肘、膝関節の検査証明書。問題ないことが分かれば安心して生活できます。

いつまでも若く元気でいてほしいけれど、愛犬は確実に年をとっていきます。いつか病気になってしまうこともあるでしょう。その時を思って悲しむのではなく、今、愛犬が健康なうちから獣医さんとよく対話をして信頼関係を築いておくことが大切です。そうすることで、いざというときに心から安心して治療をお任せすることができるからです。

定期的な健康診断は、何よりもまずそのために必要なのではないでしょうか。

(画像提供元:https://www.photo-ac.com/, https://pixabay.com/ja/