秋は犬にとって、食においても運動においても、絶好の季節となる時期ですよね。特に紅葉も感じられる公園内の散歩となれば、愛犬はもちろん、飼い主さんも気持ちよく散歩できる日が多くなるのではないでしょうか?
しかし、そんな時期だからこそ気を付けたいものに、秋のキノコシーズンがあります。
今回は、秋の散歩で注意したい犬のキノコの誤食について、注意点や公園内に良く生えるキノコの種類、対処法をご紹介します。
そもそも犬はキノコを食べても大丈夫?

そもそも犬にとってキノコを食べること自体に問題はないのでしょうか?
結論から申し上げれば、基本的に犬は、私たちが食用とするシメジやシイタケ、エノキ、マイタケ、マツタケといったキノコ類を食べても問題ありません。
与える際には必ず加熱調理をして、消化を助けるために細かく刻むかペースト状のトッピングとして与えれば、キノコに含まれる水様性の食物繊維やビタミン、βグルカンなど、種類によって様々な栄養素を摂取することが出来ます。
また、キノコは東洋医学の観点から言えば、気を補ったり、血を補ったり、脾の働きを助けたりすることで、疲労や糖尿病、高血圧、抗がん作用などに効果が見込めるとも言われています。
適切な調理方法、適切な与え方で愛犬にキノコを与える分には、栄養価の恩恵も健康への手助けも受けることが可能です。
しかしそんなキノコでも、それが市販されているキノコではなく、遊歩道や公園内に群生しているようなものだった場合には、状況が異なります。
次章では、もしも犬が遊歩道や公園内に群生しているキノコを、誤って口にしてしまった場合の危険性や口にした時の主な症状をご紹介します。
秋の散歩は足元注意!道端に生えるキノコの危険性とは?

秋の愛犬との散歩は、過ごしやすい日々と綺麗な紅葉が重なることで、つい足を止めて紅葉狩りがてら、のんびり散歩を楽しむ方も多くなることでしょう。
しかし、そんな時こそ足元には細心の注意を忘れないようにしなければなりません。
このような紅葉狩りを兼ねた散歩などは、どうしても私たち人の目線では上に行きがちですが、犬の目線は常に並行か匂いを嗅ぐために下を向いています。
それに気づかず散歩を続けてしまうと、知らぬ間に愛犬が何かを口にして体に異常を来してしまう危険性が…。
遊歩道や公園内などに群生しているキノコの多くは、大体が毒キノコだとされていますが、その違いを私たち飼い主が判断することは、まず不可能です。
けれど、犬が誤食してしまった時の主な症状としては、以下のような共通点が見られることがあります。
▼【群生するキノコを犬が誤食した時の主な症状】
・嘔吐や下痢
・腹痛
・痙攣
・めまい
上記のような症状は毒キノコを誤食した場合に多く見られ、キノコの毒性が強い場合には、これら症状に加え、手足のしびれや神経障害、発作、最悪は死亡してしまう可能性があります。
これは、犬に限らず人が誤って公園内などで群生しているキノコを採取して、調理、口にしたとしてもほぼ変わりありません。
私たち人の場合でも少量を口にすればこのような消化器症状が出てしまう毒キノコ、犬の場合では尚更その危険性が高まってしまう可能性があるため、例え紅葉狩り日和の散歩だったとしても、足元には細心の注意を払いましょう。
公園内に生える毒キノコの種類6選

それでは、秋の遊歩道や公園内などで生える毒キノコの種類にはどんなものがあるのか、ここでは6つご紹介します。
犬の場合、匂いでその危険性の有無を判断できる可能性も否めませんが、キノコの種類の中には『匂い自体が感じられない』ものもあるため、キノコの種類を問わず気を付けることが大切です。
公園内に生える毒キノコ①:ツキヨタケ
場所によって、ツキヨやクマベラ、ワタリ、ドクモタシといった名称で呼ばれることがあるツキヨタケは、秋に公園内などで群生する毒キノコです。
傘の直径は10cm~20cmと大型で、夜には青白い光を発し、食用のシイタケやヒラタケ、ムキタケといったキノコに似ているのが特徴です。
公園内に生える毒キノコ②:クサウラベニタケ
クサウラベニタケは、夏から秋にかけてブナ科の広葉樹林などがある公園内で群生する毒キノコです。
傘の大きさは大体3cm~10cmと幅があり、乾燥時は光沢を帯びて灰色や黄土色、成熟した時にはヒダがピンク色を帯びるのが特徴です。
公園内に生える毒キノコ③:テングタケ
初夏から秋にかけて、比較的長い期間、広葉樹林などに群生するテングタケは多くの公園で目にすることがある毒キノコの一種です。
傘の大きさは6cmから15cm程度の中型が多く、灰色掛かった茶色や緑掛かった茶色の表面に、多数の白いイボ状の斑点があるのが特徴です。
ただし、中にはこのイボ状の斑点が落ちてしまっていることもあるため、注意が必要です。
公園内に生える毒キノコ④:ドクツルタケ
真っ白な見た目からして、一見毒があるようにも見えないドクツルタケは、初夏から秋にかけて公園や庭園など、緑が多い場所に群生する毒キノコです。
傘は表面がツルッとした白い卵型、もしくは円錐形をしていて、大きさは5cm~15cm程度なのが特徴です。
ドクツルタケは、その名の通り毒性が相当強いため、散歩中に発見した際には、決して愛犬が近寄らないよう心掛けましょう。
公園内に生える毒キノコ⑤:スギヒラタケ
スギヒラタケは、元々は食用とされていたようですが、近年では摂取した人が急性脳症を発症し、死に至ったケースなどがあるため、毒キノコとして指定されています。
夏から秋にかけてスギやマツの倒木や切り株に群生し、傘は真っ白で模様などはありませんが、耳のような形から扇のような形へと成長するのが特徴です。
大きさは2cm~7cmと小型で、小型犬でも口にしてしまいやすい大きさのため、見つけた際は愛犬が口にしないよう注意しましょう。
公園内に生える毒キノコ⑥:カエンタケ
赤色やオレンジ色をしていて、ぱっと見キノコのようには思えない見た目のカエンタケは、夏から秋にかけてブナの木やコナラなどの枯れ木や埋もれ木などから生えてくる毒キノコです。
長細い円柱状や棒状のキノコで、触るだけでも皮膚の炎症やただれを起こす危険性があるのが特徴です。
カエンタケは見た目も然ることながら、名称からしても強い毒性を持ち合わせているキノコなので、公園内を散歩中に見掛けるようなことがあった際には、愛犬を近付けさせないように注意しましょう。
もしも愛犬が毒キノコを口にしてしまったら…

もしも愛犬が、こちらが気付く前に毒キノコを口にしてしまっていたとしたら、すぐさま動物病院を受診しましょう。
毒キノコを愛犬が誤って口にしてしまった場合、まずは愛犬が口にしたであろう周辺の毒キノコの種類を確認します。可能な場合は、愛犬が口にしてしまった毒キノコを動物病院へ持参し、状況などを事細かに説明できるようにしておくと処置もスムーズに行われます。
ただ、もしもその毒キノコの種類がカエンタケのようなものだった場合には、素手で触ってしまうと大変危険なので、ハンカチや袋越しなどでの回収、または写真を撮るなどし、同じように獣医さんに事情を説明しましょう。
毒キノコの誤食は、例え消化器症状だけで済むような種類であったとしても、数日間は下痢や嘔吐、腹痛などの症状が続く可能性があります。
また、犬の体質や毒キノコの種類によっては、摂取後すぐに症状が現れるような場合もあれば、数日後に何の前触れもなく現れることもあります。
前述でも述べましたが、基本的に公園内に群生するキノコの多くは毒を持ち合わせていることが多く、私たち飼い主がその毒性の有無の判断をするのは、まず不可能です。
万が一愛犬が毒キノコらしきものを、気付かぬうちに口にしてしまった可能性がある際には、すぐに動物病院に連絡し、状況の説明と獣医さんの指示を仰いでください。
そして、特に公園内の緑が生い茂る道を愛犬と歩く際には、例え紅葉狩り日和だとしても、愛犬が誤って毒キノコを口にしないよう常に足元に注意を払ってあげてくださいね。
<参考書籍>
愛犬のためのホリスティック食材事典 増補改訂版
<参考サイト>
本当に安全?STOP毒きのこ|農林水産省
>https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_04.html
<画像元>
photoAC

また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。

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