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詳しく知りたい!去勢・避妊手術が犬の体にもたらす影響と未去勢のオス犬と暮らすということ

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わんちゃんの避妊去勢手術に関する研究が進むにつれて、そのメリットとデメリットを天秤にかけ、手術の是非や実施時期を見直す専門家が増えてきました。

手術をしない、または時期を遅らせるという飼い主さんも増え始めていますが、特に愛犬が男の子の場合はマーキングや攻撃性などの心配もありますよね。もうすぐ4歳になる我が家の愛犬は、未去勢のオス犬。その実際の暮らしぶりについて、リアルにご紹介します!

避妊去勢手術が愛犬にもたらす影響

アメリカの大学で行われた研究により、2020年7月、35犬種について避妊去勢手術の影響によるガンと関節疾患のリスクを低減するための手術時期に関するガイドラインが発表されました。犬種や体のサイズによって異なりますが、我が愛犬ゴールデン・レトリーバーのオス犬であれば、去勢手術をするなら1歳以降が推奨されています。

手術による影響が確認されなかった犬種もありますので、まずはご自身の愛犬について確認してみてはいかがでしょうか。

<参考文献>

・UCデイビス校獣医学部によるミックス犬体重別避妊去勢手術ガイドライン
https://dogsintheus.blogspot.com/search/label/%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81

・健康上のリスクを回避するために、いつ犬を去勢すべきですか?
https://www.ucdavis.edu/news/when-should-you-neuter-your-dog-avoid-health-risks

・35品種の犬の避妊去勢手術の年齢に関する意思決定の支援:関連する関節障害、癌、および尿失禁
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2020.00388/full

去勢の有無による愛犬の違い(我が家の場合)

生後半年ほどで去勢手術を行った先代の愛犬の場合

2004年当時私が暮らしていたアメリカでは、ペットの避妊去勢手術は責任ある飼い主として当然と考えられ、ほとんどのペットは生後1歳までに手術を済ませていました。その時の私の愛犬、オスのゴールデン・レトリーバーにも生後半年ほどで去勢手術を受けてもらいました。オス犬としての自覚が芽生える前の手術だったため、生涯にわたりマーキング行動とは無縁で、女の子の犬友だちとも気兼ねなく遊ばせてあげられました。

しかし、体が出来上がる前に手術をしてしまったことで、いつまでも線が細くヒョロヒョロとした貧弱な体つきをしており、5歳を過ぎてようやく体重30㎏になったのです。幸い、ガンも関節疾患も発症しませんでしたが、去勢手術はもう少しあとでも良かったな、と感じていました。

未去勢の4歳になる現在の愛犬の場合

2017年生まれの現在の愛犬は、体がしっかりと出来上がるまでは去勢手術をしないでおこうと決めました。ゴールデン・レトリーバーのような大型犬は、3~5歳でようやく体が完成するといわれています。確かに、1歳、2歳の時と比較して、体重もぐっと増えたし幅も出てきています。食事と運動の影響もありますが、筋肉がついてがっしりとした体格をしています。

一方、去勢手術をしていないことによるデメリットでもっとも強く感じるのが「におい取り」と「マーキング行動」でしょうか。普段の散歩中も新しい場所へお出かけした時も、とにかく激しくにおいを嗅いで、マーキングを行います(室内でマーキングをすることはありません)。

▲生後半年で去勢手術をした先代ゴールデン(アメリカ系)、4歳の頃。幅が出てきたのは7歳くらいからでした。

▲未去勢の現・愛犬(イギリス系)、もうすぐ4歳。米・英の違いがあるとはいえ、成長スピードの差は歴然。

未去勢のオス犬との暮らし、具体的にはどんな感じ?

アメリカの考え方を取り入れた日本でも、若い時期の避妊去勢手術が推奨されてきました。周囲にいるわんちゃんたちも、手術済みの子が多いのではないでしょうか?

去勢手術をしていないオス犬との暮らしが想像できない、という方もいらっしゃるかもしれませんね。我が家のケースをご紹介しましょう。

マーキング行動には常に気を配る

マーキング行動はオス犬としてごく自然なものであり、否定すべきものでも禁止すべきものでもありません。ただ、人間社会で暮らす上ではある程度のコントロールが必要になります。不適切な場所にマーキングをしないよう、屋外では常に愛犬を観察して、声かけやリードでの制御をしなければなりません。

一方、自宅や知人宅、カフェやコテージなどの室内でマーキングの心配をすることはありません。※室内マーキング行動は不安やストレスの表れと考えられています。

におい取りが激しい!

お散歩中やドッグランなどでは、他のわんちゃんの排泄物が気になって仕方がないといった様子の愛犬。自分が納得するまでにおい嗅ぎをしないと、ボールを投げてもおやつを見せても気もそぞろです。これは小心者の我が愛犬の性格も大きく関係していると思われます。

排泄物からはそのわんちゃんのあらゆる情報が入手できるとされるため、家の付近をどんな子が通ったのか、新しい場所ではどんな子がいるのか、最初に確認しないと不安なのでしょうね。ひと通りにおいを嗅ぎ終わると、ようやくボール遊びに興じるようになります。

未避妊のメス犬への執着

避妊手術をしていない(または手術してまだ数ヶ月以内の)女の子のわんちゃんには、強く興味をひかれます。当然、ヒート中や直後の子とは会わせないようにしていますが、中には普段から「良いにおい」がする女の子もいるようで、しきりに近づきたがります。幸い、コントロールできる程度なので、きちんと見張って声をかけるようにしています。

攻撃性はなし

未去勢のオス犬で、マーキングと並んで問題視されがちな攻撃性は、我が愛犬には見られません。攻撃性は去勢の有無ではなく、性格的なものや後天的なもの(攻撃することで身を守ったり、有利になったりした経験がある)が大きいと感じています。

愛犬の去勢手術、その必要性と時期を考えよう!

去勢手術をするかしないかは、それぞれの飼い主さんが決めることであり、正解はないのかもしれません。犬は野生動物ではないのだし、人間社会で暮らす上で去勢していた方が生きやすい部分もあります。ただ、持って生まれたものに不要な機能などないのですから、少なくともしっかりと体が出来上がるまでは待ってあげるのが良いのではないかなと思います。

私の愛犬は、他のわんちゃんとプロレスごっこをして遊ぶことが大好きです。しかし、他のわんちゃんのにおいが気になり、遊びに集中できなくなることもあります。せっかくドッグランに行っても、におい取りに必死で口元を泡だらけにして(緊張の証)、結局ちっとも遊べなかったということもよくあるのです。

必要のない緊張や興奮と向き合わせるよりも、去勢手術をして、そういったストレスから解放してあげることをそろそろ検討しなければならないとも感じています。

男の子のわんちゃんと暮らす上で、誰もが一度は考える去勢手術。「獣医さんに言われたから」といった安直な理由ではなく、愛犬の健康と暮らしやすさとを考えて慎重に判断したいものですね。

▲女の子の友だちとも気兼ねなく遊ばせてあげたい。

詳しく知りたい!去勢・避妊手術が犬の体にもたらす影響と未去勢のオス犬と暮らすということ
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