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苦手になる前に!愛犬を動物病院に連れて行くときに気をつけるポイント【動物看護師が解説】

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動物病院が苦手、怖がるというわんちゃんは少なくありません。

少しの間だから我慢してもらおうと対策を取らないままにしていると、トラウマになったり、病院嫌いがますます悪化してしまいます。

愛犬が動物病院を嫌いになるワケ

ある調査では約4割の飼い主さんが、「愛犬は動物病院が嫌い」と回答しました。

どうしてわんちゃんに苦手意識が生まれるのでしょうか。

人は病気を治すために病院に行くという意識がありますが、わんちゃんにはそれがありません。そのため、わんちゃんにとって動物病院は知らない人から見慣れない道具でよくわからないことをされる場所という認識なのです。

そこに治療や診察などの痛みや嫌な思いが加わるので、わんちゃんの記憶に「病院=怖い場所」「白衣を着ている人=嫌なことをする」ということが強く残ります。

動物病院に行くたびに嫌な記憶や経験が積み重なってしまうので、トラウマになったり普段見せないような行動をとってしまいます。そのうえ、強いストレスは免疫力を低下させてしまい、「車=怖い場所にいく」と覚えてしまうとお出かけも難しくなります。

苦手意識を持つ前に、または持ってしまってからも、苦手を緩和するための工夫をしてあげることが大切です。

動物病院に行く前にできる対策

かかりつけの動物病院が近くにあるようでしたら、前日に病院前や近くに行って環境に慣れさせましょう。特に、初めて動物病院に連れていくという場合は、初めて行く場所より2度目の方が気持ちを落ち着けることができます。

すでに苦手意識があり、怖くて固まってしまうという子の場合は、オヤツをあげて帰りましょう。「動物病院=怖い場所」と覚えているので、その場所でオヤツをもらえた(良いことがあった)、病院に来たけど怖いことが起こらなかったという経験があると、苦手意識が緩和されます。

診察当日も動物病院に着いたらオヤツをあげて、気持ちを落ち着かせてから入りましょう。(トイレも済ませておきましょうね!)

動物病院の待ち時間にできること

匂い嗅ぎは止めさせない 

動物病院に入ったら、わんちゃんが床の匂いを嗅ぎ始めることがありますが、止めさせたり、無理に引っ張らないようにしましょう。わんちゃんは匂いを嗅ぐことで状況を判断したり、気持ちを落ち着けることができます。

他の方や診察の邪魔にならないようなら、落ち着くまで嗅がせてあげましょう。

待つときにも工夫を

不安や緊張をなるべく少なくしてあげましょう。

他のわんちゃんや人が苦手な場合は、看護師さんに伝えて、外や車の中で待つとわんちゃんも安心して待つことができます。

クレートの中で待つ場合は、上からタオルをかけて目隠ししてあげると、落ち着いて過ごせます。

診察中にできること

保定は飼い主さんがオススメ

簡単な治療であれば、飼い主さんがわんちゃんを保定(動かないように抑える)するのがオススメ。知らない人から体を抑えられるのと、飼い主さんから抑えられるのでは、わんちゃんの緊張度も変わります。

覆いかぶさるように抑えると恐怖を感じやすいので、両手で優しくわんちゃんの体を支えて、お腹をわんちゃんと密着させましょう。(犬が安心します。)

オヤツをあげよう

診察中や診察後にオヤツをあげるのも効果的です。時間がかかる診察(耳や皮膚のチェック)のときは、手の中にオヤツを握ってスキマからオヤツを食べさせて意識をそらせましょう。

また、苦手克服中ということを話して、獣医師さんや看護師さんからオヤツをあげてもらうのもオススメです。オヤツをもらうことで「怖いことをする人」から「嬉しいことをしてくれる人」、「怖い場所」から「良いことがあった場所」に意識が変わっていきます。(オヤツは愛犬が特別好きなものを用意しましょう。)

日常できること

動物病院に行く回数を増やす

苦手を克服するために「慣れ」は大切。苦手意識を持つ前から動物病院に慣れてもらおうと、子犬のパピー教室を開く動物病院も増えてきました。オヤツでトレーニングしながら、環境や診察器具に慣れることができます。

また、散歩の途中や用事がなくても気軽に寄ってくださいという動物病院もありますし、トリミングサロンが併設している動物病院もあります。

動物病院はよく行く場所、行っても嫌なことが起こらなかった、という経験を何度も何度も繰り返して、苦手のハードルを少しずつ下げていきましょう。

ケアやお手入れをするときは叱らない

イタリアのピサ大学の調査によると、わんちゃんがケアを嫌がったときに叱ってケアを続ける飼い主さんは7割以上。(906組の犬と飼い主を調査)そうした叱るという行為とわんちゃんが獣医師さんにみせる攻撃態度には関連性がみられたそうです。

叱られるかも、嫌なことをされるかもというストレスや恐怖が攻撃に出てしまってる可能性があります。

ケアを嫌がっても叱らずに慣らしていくことが、動物病院でのストレスを下げることにもつながりますね。

人でも病院大好きという方は少ないですし、待ち時間は何されるのかなと不安を感じます。言葉の通じないわんちゃんはなおさら怖いはずです。

愛犬が怯えたり、吠えかかったりするのを見るのは飼い主さんも辛いもの。

一気に改善するのは難しくでも、少しずつ工夫して苦手を克服していきましょう。

<参考文献>

・The assessment of dog welfare in the waiting room of a veterinary clinic

・Guardians’ Perceptions of Dogs’ Welfare and Behaviors Related to Visiting the Veterinary Clinic

・いぬのきもち「犬あるある」に関するアンケート

・ペットココロクリニック 犬の動物病院嫌い苦手になる前に慣れれば喜んで通うように 

・ワンちゃんの学校イン・クローバー

・愛犬との絆を深める散歩でマスターする犬のしつけ術 著者:田中雅織

・ドッグ・トレーナーに必要な「犬に信頼される」テクニック 著者: ヴィベケ・S・リーセ / 著者・写真: 藤田 りか子

・イヌの動物行動学: 行動、進化、認知 アダム ミクロシ (著), ´Ad´am Mikl´osi (原著), 藪田 慎司 (翻訳), 森 貴久 (翻訳), 川島 美生 (翻訳), 中田 みどり (翻訳)

<画像元>

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Unsplash

Pixabay

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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