愛犬のストレスサインにきちんと気づけていますか?
犬は言葉が話せなくても、表情や行動で飼い主さんに一生懸命気持ちを伝えています。
しかし、飼い主さんがストレスサインに気づかず、愛犬のストレスが溜まり続けると、犬はどうなってしまうのでしょうか。
今回は、「犬のストレスサイン」や「ストレスがたまると現れる行動変化」をご紹介するので、愛犬の行動と照らし合わせてみてくださいね。
<目次>
どんなことが犬のストレスになるの?

犬にとってどんなことがストレスになるのでしょうか。
犬のストレスの原因になること項目ごとにまとめました。
人にとっては些細に感じることも、犬にとってはストレスの原因になっていることがあるので、注意してあげましょう。
▼犬の欲求が満たされない
・運動や散歩が足りない
・長時間の留守番で退屈な時間が多い
・飼い主さんと触れ合う時間が少ない
▼外的刺激
・暑い、寒い
・聞き慣れない音や大きな音がする
・夜も照明がつきっぱなし、点滅する光が近くにある
・香水やたばこなどの強いにおい
▼環境や生活の変化
・引っ越しや部屋の模様替え
・家族構成の変化(家族が増える、新しいペットを迎える)
・生活リズムの変化(留守番が増える、飼い主さんが在宅ワークになる)
▼不安や恐怖
・台風や雷など天候の変化
・慣れない場所で過ごす(動物病院、ペットホテルなど)
・花火や工事などの大きな音
▼生活環境の不快
・食事の内容や量が愛犬に合っていない
・新鮮な水がいつでも飲めない
・寝具が犬の体に合っていない
・トイレが不衛生、狭い
・飼い主さんが構いすぎる
▼体の不調
・体に痛みやかゆみがある
・食欲不振などの体調不良
犬の「顔」に現れるストレスサイン

では、犬がストレスを感じているとき、どうやって気づいてあげればいいのでしょうか。
犬は仕草や表情で気持ちを表しており、愛犬の顔からストレスサインを読み取ることができます。
下記のような仕草や表情をしていたら、不快を訴えているのかもしれません。
▼犬の顔・表情に現れるストレスサイン
・目を細めたり、まばたきが増える
・目の端に白目が見える
・耳に力が入りピンと立つ、または後ろに倒れる
・ハァハァと口呼吸をする
・口をクチャクチャ動かす
・よだれが増える
・顔を背ける
・眉間や鼻先にしわが寄る
・歯を見せる
ひとつひとつは小さな変化なので「偶然じゃないの」と思うかもしれませんが、上記のような仕草を何度も見せたり複数重なると、犬からのストレスサインです。
歯を見せたりしわを寄せる表情はわかりやすいので、気づきやすいですが、目の端に白目が見える、まばたきが増えるなどは一瞬のサインなので見落としやすいです。
初めての場所に行くときや他の犬と触れ合うときなどは、愛犬の顔や表情に注目して変化を見落とさないようにしてあげましょう。
犬の「体」に現れるストレスサイン

先ほどは、顔に現れるストレスサインでしたが、体に現れるストレスサインもあります。
▼犬の体に現れるストレスサイン
・動きが硬くなる
・前のめりや後ろ重心の不自然な姿勢になる
・全身をブルブルッと震わせる
・前足を片方あげたまま固まる
・陰部が出たまま戻らない(男の子の場合)
・足裏に汗をかく
・フケが出やすい
・毛が逆立つ
人も緊張すると肩がこわばったり、手に汗をかいたりしますが、犬も体を強張らせたり不自然な姿勢になったりします。
また「フケが出やすい」「毛が逆立つ」は一見、ストレスと関係ないように思えますが、犬がストレスを感じると交感神経が活発になるので、毛が逆立ちやすくなります。
ストレスは新陳代謝を乱れさせたり、皮膚のバリア機能を低下させるので、フケが出やすくなります。
別の病気で変化が起きることもありますが、愛犬の体に上記のようなサインが見られたら、ストレスを感じているかもと注意しましょう。
「ストレスがたまると犬はどうなる?」愛犬の行動変化に注意

では、飼い主さんがストレスサインに気づかず、愛犬にストレスがたまっていくと、どうなってしまうのでしょうか。
愛犬にストレスがたまってくると、下記のような行動変化が現れます。
▼ストレスによる行動変化
・何度もあくびをする
・しきりに身体をかく
・マウンティングをする
・嘔吐や下痢をする
・家具や飼い主さんの物をかじる
・同じ場所を行ったり来たりする
・尻尾を追いかけてグルグル回る
・いつもと違う場所で排泄をする
・自分の手や周囲の人、物を執拗になめ続ける
・ハウスや部屋の隅から出てこない
排泄の失敗や物をかじるといった行動は、一見いたずらのようにも思えますが、犬が不安や緊張を落ち着かせ、ストレスから身を守ろうとするときに見せる行動です。
ストレスサインにいち早く気付き、対応してあげることが大切です。
慢性的にストレスがたまると、犬はより深刻な行動を取るようになります。
・分離不安
分離不安は、飼い主さんと離れて過ごす時間に強い不安を感じてしまい、吠え続けたり、物を壊したり、普段しない場所で排泄してしまうなどの行動が見られる状態です。
引っ越しや運動不足などのストレスが症状を強めてしまうこともあります。
・常同行動
常同行動とは、意味のない動作を何度も繰り返す行動のことをいいます。
強いストレスや欲求不満が原因で起こることが多く、同じ場所を行ったり来たりする、しっぽを追いかけ続ける、足やお腹を執拗になめ続けるといった様子がよく見られます。
皮膚を舐めすぎて皮膚炎を起こしたり、何度も噛んで自分を傷つけてしまうこともあります。
・無気力になる
ストレスが長く続いたり、そのサインに気づいてもらえない状態が続くと、人でいう「気分の落ち込み」に近い状態になることがあります。
周囲への興味が薄れ、反応が鈍くなったり、元気がない、ぼんやりしている時間が増えるなど、無気力な様子が見られるようになります。
愛犬のストレスはどう解消すればいいの?

では、犬のストレスサインに気づいたら、何をすればよいのでしょうか。
解消法を一覧にまとめました。
▼犬のストレス解消法
・動物病院で検査を受ける
・散歩・運動・遊びの時間を増やす
・生活空間を見直す
・本能や頭を使う遊び
・苦手を作らないようにサポート
動物病院で検査を受ける
痛みや違和感を紛らわすために、何かを噛んだり舐めている可能性があります。
犬の行動が普段と違うという場合は、一度動物病院で検査を受けましょう。
散歩・運動・コミュニケーションの時間を増やす
コミュニケーションや散歩の時間を増やしましょう。
散歩コースも日替わりで変えるといい刺激になります。
愛犬が嫌がらないようであれば、ドッグランで全身運動をしたり、他の犬と交流する機会も設けましょう。
犬の生活空間を見直す
1日の大半をケージで過ごす、プライベートの空間がないといった環境は安らげずストレスが溜まりやすいです。
愛犬が生活する空間が居心地良く整えられているか一度チェックしましょう。
本能や頭を使う遊び
犬の嗅覚を刺激するノーズワークや頭を使う知育のオモチャは適度な刺激を与えてくれます。
遊びの中にノーズワークや知育のおもちゃを取り入れましょう。
また、散歩中の匂いかぎも犬の本能を満たす大事な行動なので、途中で止めさせずに満足するまでかがせてあげましょう。
苦手を作らないようにサポート
犬のストレスの原因を遠ざけることも大切ですが、犬の苦手を少なくすることも大切です。
人や犬、大きな音など苦手なものが多いほど、犬はストレスをためやすくなります。
苦手な物がある場合は、おやつなどを与えながら、少しずつ苦手に慣らしましょう。
1人で改善が難しい場合は、ドッグトレーナーや行動診療に詳しい獣医師に相談すると安心です。

ストレスは、人と同じように犬の心と体にも影響します。
原因をすべて取り除くのは難しくても、暮らしやすい環境を整えたり、適度に発散できる時間をつくったりと、飼い主にできることは多くあります。
愛犬からのストレスサインを見落とさないようにしてあげたいですね。
<参考書籍>
小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper
<画像元>
Canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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