愛犬に老いを感じた時、皆さんはどんな行動を取りますか?
人と同じように犬も年を重ねると様々な変化が現れるようになります。
その変化の中には、愛犬が暮らしにくさを訴えるサインであったり、病気の初期症状が含まれている場合があり、見過ごすことは危険です。
そこで今回は、愛犬に老化サインが見られたら飼い主さんがとるべき行動を5つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<目次>
愛犬に老化のサインが見られても5割が様子見

愛犬に老化サインが見られたら、飼い主さんはどんな行動を取ることが多いのでしょうか。
ペット保険の「アイペット損保」が7歳以上の犬・猫の飼育者1,000名に行ったペット老化に関するアンケートによると、愛犬の老化のサインに気づいた人の割合は下記のようになりました。
▼現在飼育しているペットに対し、老化のサインを感じましたか?
▼犬飼育者の回答(500名)
・「老化のサインを感じた」42.4%
・「老化のサインを感じない」57.6%
老化のサインには「寝ている時間が増えた」や「歩くのが遅くなった」などがあると思いますが、4割以上の方が愛犬の行動変化にきちんと気づくことができているようです。
しかし、愛犬の老化のサインに気づいた後の行動を聞いてみると、何か行動に移した人の割合は下記のようになりました。
▼ペットの老化のサインを感じて行動に移しましたか?
▼犬飼育者の回答(212名)
・「行動に移した」44.8%
・「行動に移さなかった」55.2%
行動に移した方の割合は4割で、5割以上の方は老化のサインに気づいても、様子見をしているという結果になりました。
「元気だから」「特に困っていないから」と思うかもしれませんが、老化のサインの中には病気の初期症状や犬目線の暮らしにくさが隠れていることがあります。
また、今までできていたことが、だんだんとできなくなり、飼い主さんのライフスタイルがガラリと変わってしまうこともあります。
愛犬の老化に気づいた時点で準備を始めると、病気に早めに気づけたり、飼い主さんの生活への影響を最小限にすることができます。
今後、後悔しないために取るべき行動を5つご紹介するので、一緒に見ていきましょう。
後悔しないために飼い主が取るべき行動①「動物病院で検査する」

愛犬に老化のサインが見られたら、一度動物病院で検査をしましょう。
下の図は、ペット保険の「アニコム損害保険株式会社」が発表した10歳の犬の疾病情報の統計データのグラフです。
10歳の犬の死亡原因の病気は下記のようになりました。
▼10歳の犬の死亡原因(対象:1,500頭)
高齢になると病気にかかりやすくなりますが、10歳を超えると腫瘍や循環器疾患(心筋症など)を患って亡くなる犬が多いようです。
腫瘍は「皮膚のしこり」「リンパの腫れ」など飼い主さんが発見しやすい形で現れることもありますが「元気がない」「疲れやすい」といった発見しにくい症状で現れることもあります。
元気のなさや疲れやすさは老化症状のひとつなので「年だから」と様子見をしているうちに症状が悪化してしまう可能性があります。
老化のサインに気づいたら、一度動物病院でチェックしてもらうことが大切です。
後悔しないために飼い主が取るべき行動②「頼れる場所を増やす」

愛犬に老化のサインが見られたら、愛犬のことを相談できる場所や一時預かりして貰える場所をピックアップしておきましょう。
愛犬に介護が必要になっても、最後まで自分で面倒を見たいという方は多いと思います。
その時に一番怖いのが介護による孤立です。
ペットの情報サイト「ワンペディア」が行ったシニアペットの介護に関するアンケートによると、ペットに介護が必要になった時に「頼れる存在がいない」と答えた方は4割近くにのぼりました。
▼シニアペットに介護が必要になったときに頼れる存在がいますか?
介護生活の中で困ったことやわからないことが多いと不安になるでしょうし、飼い主さんの体調不良で面倒を見るのが難しくなるかもしれません。
そんな時に自分だけで抱え込まなくてすむように「老犬ホームを探しておく」「かかりつけ医を決める」など早い内に頼れる場所を増やしておきましょう。
後悔しないために飼い主が取るべき行動③「シニア犬の心の変化を調べる」

年を取ると、体の衰えや行動の変化に目が行きがちですが、愛犬の心も変化していきます。
▼年を取ると起きる心の変化(一例)
・頑固になった
・不安を感じやすくなる
・甘えん坊になった
・攻撃的になった
・来客やおもちゃなどを喜ばなくなった
年を取ると、以前より頑固になったり、甘えん坊になったり、怒りっぽくなったように感じることがあります。
性格が変わったように感じるかもしれませんが、視力や聴力の低下、体の痛み、体力の衰えなどで不安が増し、それを攻撃行動で現してしまったり、若い時と同じ反応ができなくなっているだけなのです。
また、刺激に対する許容値が狭くなるので、新しいおもちゃや来客を喜ばなくなる場合もあります。
シニア犬の心の変化を知り、若い時と同じ反応を求めず、その時の愛犬の気持ちや反応を尊重してあげることが大切です。
後悔しないために飼い主が取るべき行動④「愛犬の生活環境を見直す」

体の衰えで今までと同じ環境では生活しにくくなっているかもしれません。
愛犬の老化に気づいたら、生活環境を見直してみましょう。
▼愛犬の生活環境の見直しポイント
・隙間をなくす
年齢を重ねると認知機能が衰えて、すき間(家具と家具の間など)に入り込んで出られなくなることがあります。
すき間はジョイントマットなどでふさいで、安心して動ける広い空間を作りましょう。
・滑りにくい床材にする
足腰が弱くなると、フローリングはとても滑りやすいです。
滑り止めマットやカーペットを敷いて、歩きやすい床にしてあげましょう。
・食事環境
足腰の衰えで食事中に踏ん張れず食べにくくなることがあります。
安定した姿勢で食べられるように滑り止めのマットを足元に敷いてあげましょう。
また視力の衰えからお皿の位置が把握できず、お皿に顔を突っ込んだり、ひっくり返してしまうことがあります。
皿を固定できる台を利用するなど楽に食事が取れる工夫をしてあげましょう。
・トイレ環境
足腰が弱るとトイレシートの上も滑りやすくなります。
滑りにくいトイレシートや滑り止めマットを使い、踏ん張りやすい環境を作ってあげましょう。
また、年を取るとトイレの回数が増えるので、すぐトイレに行けるようにトイレの数を増やしたり、夜間にトイレに行きやすいように常夜灯をつけておきましょう。
・部屋の温度変化を少なくする
高齢になると寒さや暑さに敏感になります。
部屋に温度計や湿度計を起き、犬が過ごしやすい環境が保たれているかチェックしましょう。
また冷たい空気は床にたまるので、シーリングファンなどで部屋全体の空気をかき混ぜて、部屋の温度変化を少なくしてあげましょう。
後悔しないために飼い主が取るべき行動⑤「留守番を見直す」

共働きなどで愛犬に留守番をさせている家庭は、年を重ねたら留守番ができなくなることも想定しておきましょう。
感覚器(視力など)の衰えや体が思うように動かなくなっていく不安で、今までできていた留守番ができなくなったり、飼い主さんを執拗に追い回すといった行動が現れることがあります。
飼い主さんのライフスタイルが大きく変わる可能性もあるので、愛犬に老化のサインが見られたら、留守番方法も見直しておきましょう。

老化のサインはどの犬にも見られることですが、飼い主さんが様子見するか、すぐに行動するのかで、その後の生活の質は大きく変わります。
今回ご紹介した内容を愛犬との生活に活かしてみてくださいね。
<参考書籍>
・小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper
・イヌの老いじたく 7歳からの最適な飼い方を伝授 サイエンス・アイ新書
<画像元>
canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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