秋が深まることで実感する日照時間の短さ。
夏から秋にかけて季節の移り変わりに伴うこの現象を、世間では『秋の夜長』という表現をすることがありますが、皆さんはいかがお過ごしですか?
今回は、飼い主さんが注意したいうっかり行動から、愛犬と一緒に『秋の夜長』を楽しむための工夫まで、充実した『秋の夜長』の過ごし方をご紹介します。
<目次>
そもそも『秋の夜長』の由来とは?

夏が過ぎて日照時間が短くなると訪れる『秋の夜長』。
普段何気なく季語として使われる、この『夜長』という表現の由来をご存知ですか?
一般的な『秋の夜長』とは、夏の時期に比べて日照時間が昼より夜が長くなっていること、またはそのように感じ、過ごしやすい夜の時間を過ごす意味合いのことを指します。
また、俳句では『夜長』という部分が季語として扱われ、風情を楽しむ一つでもある言葉です。
一方で、犬の場合の『秋の夜長』には、夏には難しかった夕方辺りからの時間で楽しむ散歩や過ごしやすく長くなった夜の睡眠時間が、この表現に当て嵌まります。
『秋の夜長』には、このような季節的な意味合いや心情を表す俳句での意味合い、また、自身の趣味時間や睡眠時間などに費やす意味合いも持ち合わせた情緒豊かな時間のことを表します。
『秋の夜長』はいつからいつまで?

秋になると、いつの間にか『秋の夜長』という表現が多くなるため、9月~10月、または11月までの全期間がそれに当て嵌まると勘違いしてしまいそうですが、実は意外にも『秋の夜長』とされる期間は決められています。
『秋の夜長』とされている主な時期は、9月23日(秋分の日)頃から11月7日(立冬)頃までが多いようです。
中には、12月21日の(冬至)頃までを指すこともあるようですが、多くの場合『秋の夜長』を指す時期は、9月23日の秋分の日から11月7日までの立冬までという認識で良いでしょう。
そして、このような時期は人の場合なら、読書や映画鑑賞、晩酌、手芸といったハンドメイド作成、お香やアロマでのリラックスタイムなど、様々な過ごし方で秋の夜時間を楽しむ人は多いかと思います。
また、ゆったりまったり過ごせるこの時期は没頭できる時間が不思議と長く感じられるため、中には夜更かしをしてしまう人も多いかもしれません。
しかし、もしもこれが愛犬と一緒に『秋の夜長』を楽しむということであるなら、そこにはついやってしまいがちなうっかり行動に注意が必要です。
次章では、犬と一緒に過ごす『秋の夜長』で気を付けたいうっかり行動をご紹介します。
特に秋ならではのあの味覚と晩酌好きな方は、要必見ですよ!
犬との『秋の夜長』うっかり行動①:グラスの置きっぱなし

秋は、ぼんやりと月を眺めながらお酒を楽しむ月見酒というものがあります。ビアグラス片手にビールを楽しみながら、ぐい吞みやお猪口で日本酒を楽しみながらお月見をするのは、風情豊かで普段の晩酌以上に美味しく感じられますよね。
しかし、こうした時についうっかりグラスやぐい吞み、お猪口などを愛犬の手の届くところに置きっぱなしにしてしまうと、大変危険です。
犬にとってアルコールは、皆さんもご存知の通り少量でも摂取してしまうとアルコール中毒などを起こしてしまいかねない、非常に恐ろしい成分です。
誤って摂取してしまった場合、嘔吐や下痢、昏睡、呼吸困難や最悪死亡などもあり得ます。
一説では、中毒にはならないものの嗅覚の鋭い犬は、そのアルコールの匂いを嗅いだだけで、酔っぱらった時と近い状態になってしまうこともあるそうです。
人でもお酒に弱い人の場合、アルコール臭だけで具合が悪くなってしまう人が居るように、犬の場合でもアルコール臭だけで具合を悪くする可能性があるため、グラスの置きっぱなしには注意しましょう。
犬との『秋の夜長』うっかり行動②:おつまみの食べ残し

秋の味覚と言えば、秋刀魚や秋ナス、ギンナンなどが美味しい季節になります。
中でもヘタ付きのまま焼いて食べる焼ナスや乾煎りして中の身をシンプルに塩で味付けして食べる炒りギンナンは、酒の肴やおつまみで楽しめる食材のため、『秋の夜長』にお酒のお供として食べる方も多いのではないでしょうか?
しかし、このような食材の食べ残しを愛犬の手の届くところに置きっぱなしにするうっかり行動も、大変危険な行為です。
基本的に犬は、ナスの実の部分を摂取する分には問題ありませんが、ヘタの部分にはアルカロイドが含まれているため、誤って摂取すると嘔吐や下痢、腹痛、めまいなどを引き起こす危険性があります。
またギンナンも、犬にとっては危険な食材で、誤って犬が摂取してしまうとギンナンに含まれるギンコトキシン(4-O-メチルピリドキシン)という成分によって、嘔吐や下痢、腹痛、めまい、不整脈や痙攣などを起こす危険性があります。
ギンナンは特に、人によって一回の量がそれなりの多さになることも少なくないため、犬との『秋の夜長』を過ごす時には、このようなうっかり行動には注意しましょう。
犬との『秋の夜長』うっかり行動③:時間を忘れて夜更かしする

秋は日照時間が短くなり、睡眠ホルモンと言われるメラトニンの促進が分泌されて自然と眠くなりやすい季節です。
けれど一方では、『秋の夜長』でつい時間を忘れて夜更かししてしまう人も居ます。
しかし、このような夜更かしは普段飼い主さんが寝る時間に合わせて寝ようとする愛犬の場合、睡眠不足や秋バテ、持病の悪化などの原因になり得ます。
特に肥満傾向にある犬やシニア犬などの場合は、睡眠不足による弊害として、体重増加や認知機能の低下などを引き起こす危険性があるのです。
本来犬にとっての適正睡眠時間の平均は、犬種やライフステージによって差は生まれるものの、大体幼犬とシニア犬で16時間~19時間前後、成犬で12時間~15時間前後と言われています。また、人の場合ではあるものの涼しい季節は、暑い季節よりも30程睡眠時間が長くなる傾向にあるともされているため、人でそうなら、犬でもその可能性は十分に考えられます。
『秋の夜長』に自分の趣味に没頭できる時間があるのは、とても充実した時間です。
ただし、そこに愛犬が関係してくることがあるような時には、深夜を過ぎる夜更かしはほどほどにして、しっかりと睡眠時間の確保を心掛けるよう注意しましょう。
犬との『秋の夜長』を楽しむための工夫

愛犬と一緒に『秋の夜長』を過ごすために必要な工夫には、上記のうっかり行動を減らすことに加え、以下のような工夫を心掛けると、充実した時間を過ごすことが出来ます。
▼【愛犬との『秋の夜長』時間の充実方法】
・寝床の環境を整える
・室温と湿度の調節に気を付ける
・間接照明を活用する
『秋の夜長』を迎える時期にあっては、以上のような工夫を施すことで、愛犬にも充実した時間を提供してあげましょう。
特に【寝床の環境を整える】方法と【室温と湿度の調節に気を付ける】方法とでは、寒暖差が大きくなる朝晩には欠かせない工夫です。
寝床については、必要に応じてブランケットを用意したり、熱中症に注意して過ごしやすい環境を整えてあげると良いでしょう。室温と湿度調節についても、定期的に室内の温度や湿度を確認し、室温が高いのであれば扇風機やエアコンなどの使用の検討を、湿度が低いのであれば加湿器を、高いのであれば除湿器を使用しながら、犬にとって快適な環境(室温:20℃~25℃、湿度:40%~60%)を作ってあげると、犬も飼い主さん同様『秋の夜長』時間を充実に過ごしてくれるでしょう。
また間接照明などを活用することで自然とリラックスできるような空間を作ると、過度な夜更かしにならずに愛犬と一緒に『秋の夜長』時間を過ごすことが出来ます。
さらに晩酌を楽しみたい場合には、物足りなさを感じてもノンアルコール飲料で気分だけでも味わう形にすれば、万が一愛犬がノンアルコール飲料を舐めてしまっても、心配はいりません。
犬との『秋の夜長』を楽しむための工夫には、こうした愛犬に寄り添った方法で充実した時間を一緒に過ごしてあげましょう。
まとめ

いかがでしたか?
『秋の夜長』と聞くと、専ら人のための時間のように感じられますが、犬がいる場合には犬にとっても存在する時間です。
『秋の夜長』の限られた過ごしやすい期間は、1日を人換算で3日に感じる犬にとっては、とても短いものです。
ぜひ愛犬にも充実したゆったり、まったり時間を過ごさせてあげてください。
<画像元>
photoAC
Canva

また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。

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