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犬インフルエンザってどんな病気?症状や原因・対処法について

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暑い日が続く中、本来冬に大流行するはずのインフルエンザが近年では夏にも流行するようになりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

インフルエンザと言うと人がかかる病気だと思いがちですが、実は犬にもインフルエンザがあるのをご存知ですか?

今回は、犬インフルエンザの症状や原因、対処法などについてご紹介します。

犬インフルエンザが知られるようになった経緯

そもそも犬のインフルエンザが注目されるようになったのは、つい最近の事で、2004年にアメリカのフロリダ州で馬が感染するH3N8型インフルエンザウイルスと同じH3N8亜型インフルエンザに犬が感染したことから知られるようになりました。

主にその感染経路は詳しく分かってはおりませんが、競馬場で開催されたドッグレースに参加する22頭の内グレー・ハウンドが、何らかの経緯でH3N8亜型インフルエンザに感染、その後14頭は回復したものの、8頭は出血性肺炎を引き起こし死亡した事例がはじまりです。

海外ではその後も2004年6月から8月にかけて6州(アラバマ、アーカンサス、フロリダ、カンサス、テキサス、ウェストバージニア)の14カ所のレース場でも犬インフルエンザの発症報告がされており、2005年1月から5月においても事例が発生、ペットの犬にも感染した報告がされています。

日本での感染は今のところ発症事例が確認されていないためあまり知られておりませんが、これまでインフルエンザウイルスに感染しない動物種と考えられてきた犬のインフルエンザ感染は、現在日本においても危惧されるようになりました。

犬インフルエンザウイルスってどんな病気?

犬インフルエンザウイルスと一言に言っても、これまで様々な型のインフルエンザウイルスの感染が報告されており、その種類は多岐に渡ります。

今後【イヌーヒト】感染が起こるようなインフルエンザウイルスが発症しないとも限らないので、ここでは発症、報告されてきた型の代表的なものを3つご紹介します。

H3N8型犬インフルエンザウイルス

犬で最初にインフルエンザウイルスの感染が認められた型で、元々H3N8型馬インフルエンザウイルスとは異なるウイルス遺伝子として進化し、【イヌーイヌ】で感染するインフルエンザウイルスとして定着しました。

アメリカにおけるH3N8型犬インフルエンザの流行は、その後全米各地(40州)の犬に拡がったとされています。

H3N2型犬インフルエンザウイルス

2007年の韓国で、H3N2型鳥インフルエンザウイルスによる犬への感染が報告され、感染犬には呼吸器症状、発熱などが見られ、死亡例では重症の気管支炎が認められました。

しかし、血清疫学調査によって2005年にはすでに韓国に拡がっており、2015年までにシェルターなどの集団飼育施設にて1,000頭を超える犬の呼吸器疾患が発生したインフルエンザウイルスです。

H1N1pdm型及びH3N2型人インフルエンザウイルス

本来人が感染すると言われているH1N1pdm型インフルエンザウイルス及びH3N2型ですが、こちらもアメリカや中国で犬の感染が報告されました。

しかし、日本国内による血清疫学調査にてこれらウイルス、また、B型インフルエンザウイルスにおいては犬の特異抗体が検出されたため、過去の感染歴は示されたものの、発症例は記録されていません。

油断禁物⁉中国で人のH3N8型の感染症例とは?

さて、先程本来人が感染するH1N1pdm型インフルエンザウイルス、H3N2型インフルエンザウイルスでは、犬は基本的に特異抗体を持ち合わせているため、発症例は記録されていないとご紹介しましたが、2022年4月25日には、中国の4歳男児がH3N8型鳥インフルエンザウイルスを発症した症例が報告されました。

この症例は、発症前に裏庭で飼育していた鶏を食べていたようですが、発症前に直接鶏と接触してはいないことが示されています。

臨床観察とこの男児の近親者や環境などのサンプリングも行われたようですが、感染などは認められなかったと言います。

しかし、このH3N8型鳥インフルエンザは、犬でも亜型が確認されていることもあり、また集団感染してしまうものでもあるため、この一例はあくまでも中国の症例ではありますが、油断は禁物で、今後の【イヌーヒト】インフルエンザ感染の課題になってくる可能性はあるのではないかと、筆者は思っています。

犬インフルエンザの原因と症状

主に犬インフルエンザウイルスに罹ってしまう原因は、感染犬からの飛沫感染、または接触感染によるものと言われています。

ウイルスは環境中で2日間程度は感染性を保持しており、ウイルスに感染した犬は、2~4日ほどの潜伏期間を経て発症、4~7日間程ウイルスを排泄します。

基本的に症状としては軽症型と重症型に分類されており、軽症型及び重症型については以下の通りとなります。

<軽症型>
✓10日から30日程持続した軽度の咳
✓発熱や食欲不振など、ケンネルコフに似た症状
✓細菌の二次感染により膿性鼻汁を排泄する場合あり

<重症型>
✓40℃以上の高熱
✓呼吸促拍を伴う肺炎

犬インフルエンザウイルスは、犬の年齢、犬種に関わらず全ての犬に感受性があり、多くは軽症で(致死率10%程度)済む場合がほとんどですが、稀に重症化してしまうと肺炎を起こし死亡してしまう危険性があるため、気になる症状が見られた際は、出来るだけ早く動物病院で受診するように心掛けましょう。

愛犬が犬インフルエンザに罹った場合の対処法

犬のインフルエンザは基本的に、対症療法と栄養管理を徹底することで症状の緩和を行います。

軽症であった場合には、加湿や水分補給などを行い、様子を見ましょう。

ただし、愛犬がワクチン接種前や子犬、老犬の場合においては軽症であっても動物病院を受診するようにしましょう。

逆に二次感染などで症状が重症化してしまった場合には、早急に動物病院を受診するようにしてください。

犬の場合、人用の抗インフルエンザ薬の使用は認められていないので、酸素吸入、抗生物質や抗炎症薬などで対処してもらいましょう。

まとめ

いかがでしたか?

現在日本での症例は報告されていないため、実際に罹ったとしても、これが「犬インフルエンザだ!」と判断することはなかなか難しいかもしれません。ですが、インフルエンザウイルスは消毒薬や洗剤などで容易に不活化させることが出来ます。

特に免疫機能がまだ完全でない子犬や衰えている老犬に関しては、日々の日常における消毒やワクチン接種などがとても有効な予防法になりますので、日頃から人のうがい・手洗いなどは心掛けるようにしたいものですね。

<参考サイト>

犬インフルエンザ
>http://nichiju.lin.gr.jp/mag/07003/c1.pdf

COVID-19 感染発生中における定期的な予防ワクチン接種に関する獣医師へのアドバイス
>https://wsava.org/wp-content/uploads/2020/04/Advice-for-Veterinarians-about-Routine-Prophylactic-Vaccination-during-COVID-19-Japanese.pdf 

鳥インフルエンザA(H3N8)-中華人民共和国
>https://www.forth.go.jp/topics/202200514_00002.html

犬及び猫のインフルエンザ
─ 公衆衛生委員会(日本獣医師会公衆衛生部会常設委員会)の見解 ─
>http://nichiju.lin.gr.jp/mag/05907/06_5a.htm

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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