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愛犬が喜ばないのはなぜ?間違った犬の褒め方5つ【動物看護師が解説】

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犬をトレーニングをするときに「褒める」という行為は欠かせません。

でも、その「褒め」は正しく愛犬に伝わっているでしょうか。

間違った褒め方で犬を褒めていると、「褒めている」と犬が実感できないばかりか「頑張ったのに嫌なことをされた」と犬が感じて逆効果になってしまうかもしれません。

そこで今回は、飼い主さんがよくやってしまいがちな「間違った褒め方」を5つご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

間違った犬の褒め方① 「褒め言葉を愛犬に学習させていない」

犬を褒めるときによく「いい子」と言いますね。でも、犬は最初から言葉の意味を理解しているわけではありません。

そのため「いい子=褒められている」と犬に学習させないと、いくら犬に「いい子だね」と言っても「褒め言葉」として機能しません。

つまり飼い主さんは褒めているつもりでも、犬からすれば「飼い主さんがなにか言ったな」くらいの感覚になってしまいます。

まずは「いい子」と言ったら犬が「褒められた、嬉しいな」と思えるように学習させていきましょう。

▼どうやって「いい子」を覚えさせるの?
犬の短期記憶は「数秒」と言われています。
そのため「いい子」と発したら、即座に犬にオヤツを与えます。 (1日2回、10セットほど行う)
これを繰り返すと、犬の中で「いい子=良い事があった」という記憶が定着して「いい子」という単語を聞くだけで嬉しい気持ちになります。

※言葉は「いい子」のみ、発するようにしましょう。「そう、いい子」や「○○ちゃん、いい子」など別の言葉も混ぜると、何を褒められているかわからず犬が混乱してしまいます。

正しく誉め言葉が機能していけば、やってほしい行動の頻度があがります。

まずは「いい子」という誉め言葉を犬に教えていきましょう。

間違った犬の褒め方➁ 「愛犬が喜ぶ褒め方をしていない」

愛犬を褒めるときに「よーし、いい子」と言いながら、よしよし撫でていませんか?

もちろん撫でることもご褒美になりますが、下記のような仕草が見られたら「実はそれ、嫌なんです」というメッセージかもしれません。

▼撫でるときに「こんな仕草」ありませんか
・撫でている最中に犬が体を後ろにひく
・撫でようとするとよける
・顔や頭をそむける(上にのけぞる場合もあります)
・体重が後ろにかかる
・鼻をペロっと舐める
・撫でた後に犬が体をかく

「犬は撫でられると嬉しがる」「褒めるには撫でないといけない」という先入観がありますが、犬によって「撫でられると嬉しい場所と嫌な場所」がありますし、「片手はいいけど両手で撫でられるのは嫌」という場合もあります。

また、触られたことで犬の集中力が切れて、興奮してしまうということもあります。

撫でる以外にもご褒美として、「いい子という単語を覚える」「オヤツを与える」「オモチャで遊ぶ」「引っ張りっこをする(興奮させすぎに注意)」などいろいろあるので、愛犬に合うご褒美を探してみましょう。

間違った犬の褒め方➂ 「愛犬を褒めるタイミングが違う」

犬を褒めるときに「こんなこと」をしていませんか?

・正しい行動をしたら、あわててオヤツを取りに行く
・ご褒美を与えるときにじらす
・良い行動をした「直後」に褒めない
・犬が勝手にとった行動を褒める

上記で挙げたことはすべて「褒めるタイミング」が適切ではありません。

「間違った犬の褒め方①」のところで、犬の短期記憶は「数秒」とお話ししましたね。そのため、犬に「その行動が正解だよ」と伝えるタイミングはたった数秒(理想は1秒以下)しかありません。

ご褒美をあげるときに焦らしたり、あわててオヤツをとりに行ったりすると、その間に犬の行動が変わってしまい別のことを覚えてしまう可能性があります。

(例:おすわり→あくびをする→ほめられる→あくびをしたから褒められたと学習)

また、犬が自主的にとった行動を褒めるときは注意が必要です。

その行動の頻度を増やしたいのであれば、褒めても良いのですが、指示を出していないのに勝手にやりだしたことを褒めていると、犬が正しく学習をしない可能性があります。

(例:オヤツを手に持ったら、勝手におすわりをする→コマンドを出したら座るという学習が定着しない)

犬に取ってほしい行動を教えるうえで、「褒めるタイミング」は非常に重要なので、注意しましょう。

間違った犬の褒め方④ 「愛犬にとってご褒美の価値が低い」

犬のご褒美でよくオヤツを使いますが、そのオヤツはいつでも食べられるものを使っていませんか?

いつも食べるオヤツや食事として出てくるドッグフードがご褒美だと、報酬としての価値が低いため「いつでも食べられるし頑張ったかいがないなぁ」と犬が感じて、別のもっと楽しい事や価値を感じることを優先させることがあります。

そのため、トレーニングやしつけのときは普段食べられる物ではなく、そのときしか食べられない特別なオヤツを用意しましょう。

▼愛犬の「一番大好きなオヤツ」の見つけ方
・オヤツを3種類ほど用意して、1列に並べます。
・ヨーイドンで犬を離して、食べる順番を確認します(3回ほど繰り返す)
・食べる順番が一番早くて回数が多かったものが、愛犬の一番大好きなオヤツです。

また、ご褒美のオヤツは「状況」で使い分けるとより効果的です。

▼効果的な「オヤツ」の使い分け
・「初めてのこと」や「難易度の高いこと」にチャレンジする→【一番大好きなオヤツ】
・「慣れていること」や「繰り返しの訓練」をする→【低カロリーで数を与えられるオヤツ】
・「集中力を継続させたい」ときや「難易度を少しずつあげる」場合→【低カロリーオヤツに1番目に好きなオヤツを加えて臨時ボーナスを作る】

ご褒美にメリハリをつけると、犬のモチベーションもグッとかわってきますよ。

間違った犬の褒め方➄ 「日常的に愛犬を褒めていない」

愛犬がはじめて「お手」や「おすわり」ができた日のことを覚えていますか?

一緒に知育のオモチャで遊んでクリアできたとき、「この子は天才か!」と大喜びで褒めませんでしたか?

愛犬のできることがだんだん増えてくると、それが日常になってしまい褒める機会がだんだんと減ってきてしまうことがあります。

そうすると、「できたけど褒めてもらえない」「もうしなくてもいいかなぁ」と犬のモチベーションもだんだん下がってきてしまいます。

おおげさに褒める必要はありませんが、愛犬を「褒める」チャンスは日常にいくつもあります。

「ご飯の前に落ち着いていられた」「チャイムに吠えなかった」「室内でトイレができた」「散歩中に犬に吠えかからなかった」など、愛犬が頑張って覚えたことやいい子に過ごしているときは褒めてあげるようにしましょう。

「頑張ったことを見てたよ」「いい子にできたね」と小さなことでも褒めてあげることは、犬との信頼関係を築いていく上でとても大切です。

飼い主さんに褒めてもらうことは犬にとって、何よりも嬉しいことです。

でもそれがうまく犬に伝わらないと、犬にとっても飼い主さんにとっても残念な結果に変わってしまいます。

犬を「褒める」ときは、今回お伝えした内容を思い出して頂けると嬉しいです。

<参考書籍>

ドッグ・トレーナーに必要な 「犬に信頼される」テクニック ヴィベケ・リーセ 藤田 りか子 (著)

いつでもどこでもデキる犬に育てるテクニック デニス・フェンツイ (著)

動物の精神科医”が教える 犬の咬みグセ解決塾 奥田 順之  (著)

<参考URL>

犬の褒め方について考える:DOGGY STATION Vol.129

Position Statement on Humane Dog Training
>https://vet.osu.edu/vmc/sites/default/files/files/companion/behavior/avsab-humane-dog-training-position-statement-2021.pdf

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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