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「愛犬が白内障と診断されたら」原因や治療・手術、日常生活で気をつける事について【動物看護師が解説】

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「白内障」は耳にする機会が多い病気ですが、人だけではなく犬にも起こる病気です。もし愛犬が「白内障」と診断されたら私たち飼い主にできることはいったい何でしょうか。

今回は、「なぜ白内障になるのか」や「手術はした方がいいのか」など、愛犬が白内障になった後に疑問に感じやすいことをまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

犬の白内障ってどんな病気なの?

まずは「犬の白内障がどんな病気なのか」について理解していきましょう。

下図は「犬の目の構造図」です。図を見ていくと、中央付近に「水晶体」という部分があるのがわかりますね。

▼犬の目の構造図

白内障はこの「水晶体」という部分が、さまざまな原因で白く濁ってしまう病気です。

よく目の働きはカメラに例えられますが、この「水晶体」はカメラでいう「レンズ」の部分にあたります。レンズに汚れがあったり濁っていると物が見にくくなりますよね。白濁が一部のときは自覚症状もなく見えづらさは感じませんが、だんだんと白濁が広がるにつれ物が見えにくくなり、人や物にぶつかったり段差につまずくなどの「視覚障害」が現れ始めます。

「犬の白内障」と「人の白内障」は違う?!

白内障というと「加齢が原因」というイメージがありますね。そのため、病気というより「老化現象の一種」と捉えている方も多いかもしれません。

しかし、「犬の白内障」は「人の白内障」とは異なる点が多くあり、その違いを知っておくことが今後の方針や治療を決める上でとても大切です。

犬と人の白内障にどのような違いがあるのかポイントを一緒に覚えていきましょう。

▼犬と人の白内障の違い
・犬の白内障は「若年性」があります
・犬の白内障は一気に悪化するケースもあります
・犬の白内障は遺伝的になりやすい犬種もいます
・犬の白内障は合併症が起こる可能性が高い

犬の白内障は「若年性」があります

白内障というと年齢が高くなって発症するイメージがありますが、犬の白内障の場合6歳未満で発症する「若年性白内障」のケースも多く見られます。

下図は、アニコム損保が報告した「犬の白内障の請求割合」を年齢別にしたグラフです。

これを見ると5~6歳頃から請求件数がジワジワと増えてきていることがわかります。

実は6歳未満で初期の白内障が発症しており、年齢が高くなって症状が進行してから飼い主さんが気づくということも少なくありません。

犬の白内障は一気に悪化するケースもあります

先ほど6歳未満で発症する「若年性白内障」があるとお話ししましたね。

白内障の進行度合いは水晶体の濁り具合によって、4つのステージに分類されています。

▼犬の白内障のステージ分類4つ

加齢で起こる白内障の場合ステージがゆっくりと進行しますが、若年性の白内障の場合は短期間で一気に進行してしまうことがあります。(わずか1週間で成熟期まで悪化したケースもあるそうです)

また、ある病気が原因で別の病気を引き起こしてしまうことを「合併症」と言いますが、白内障のステージが進むにつれて「合併症」を起こすリスクが高くなります。

つまり若年性白内障の場合、一気にステージが進んで見えにくくなる視覚障害だけでなく、別の病気を引き起こす合併症のリスクも高くなってしまいます。

犬の白内障は遺伝的になりやすい犬種もいます

白内障は「遺伝的要因」もあると考えられています。白内障になりやすいと言われているのは、下記の犬種です。

▼白内障になりやすい犬種
・トイプードル
・イタリアングレートハウンド
・アメリカンコッカースパニエル
・柴犬
・ダックスフント
・チワワ
・ヨークシャテリア
・ジャックラッセルテリア

アニコム損保が報告した「白内障における犬種ごとの請求割合」の表を見てみると、白内障になりやすいとされている犬種が多く該当していることがわかります。

▼白内障における犬種ごとの請求割合

該当犬種を飼っている方は若いうちから動物病院での目の検診や日常的な目のチェックを欠かさないようにしましょう。

犬の白内障は合併症が起こる可能性が高い

先ほど白内障のステージが進行するほど「合併症」を起こす可能性が高くなるとお話ししましたね。

引き起こされる「合併症」としては下記のような病気があげられます。(目の名称がたくさん出てくるので、下の模式図と照らし合わせて見ると、わかりやすいです)

▼犬の目の模式図

白内障の合併症
・ブドウ膜炎→ブドウ膜(虹彩、毛様体、脈絡膜の総称)に起きる炎症で痛みが強い
・緑内障→眼房の水分循環に不具合がおきて眼圧が上昇し、視神経に障害が起きる
・水晶体脱臼→水晶体が通常の位置から外れてしまう
・網膜剥離→網膜が脈絡膜から剥がれて栄養が得られなくなり失明する

ただこの合併症はステージの進行だけでなく、白内障の治療で手術を行った場合でも起きる可能性があります。

人の白内障の場合、術後に合併症が起きる確率は2,000件に1件(0.2%)程と言われていますが、犬の場合は10件に1件(10%)程と言われています。

犬の目はデリケートなため人に比べると合併症を起こす可能性が高いという事は覚えておくことが大切です。

愛犬が白内障と診断されたら!手術の必要性やメリット・デメリット

先ほど術後に合併症を起こす確率が人よりも高いとお話しをしたので手術を迷われる方もいるかもしれません。

では愛犬が白内障と言われたら、手術は受けるべきなのでしょうか?

先ほど白内障のステージは4つに分けられるとお話ししましたね。

▼犬の白内障のステージ分類4つ

手術が適応になるのは「成熟期」からで、「初発期・未熟期」であれば点眼薬やサプリメントで進行を遅らせるという治療法が取られます。

ただ「成熟期」まで白内障が進行してしまうと、手術をしてもしなくても、合併症のリスクは高くなります。合併症はお薬でコントロールできる場合もあれば、手術が必要になる場合もあります。

そのため、手術を検討する場合は「その子にこれからどんな生活を送らせたいのか」や「術後の管理がしっかりできるか」「合併症が起きるリスクがある」ということをしっかり理解した上で決めてあげてください。

▼白内障の手術を受けるメリット
・また目が見えるようになる
・生活の質が上がる

▼白内障の手術を受けるデメリット
・合併症のリスクがある
・術後の管理が必要
・定期的に目の検査が必要(通院)

愛犬が白内障と診断されたら!日常生活で気をつける事

では、愛犬が白内障と言われたら、日常生活で気をつけることは何でしょうか?

ポイントをまとめてみました。

▼日常生活で気をつけること
・家具の配置を変えない
・家具などの角にクッション材をつける
・急に愛犬を触らない
・暗い時間に愛犬の散歩に行かない

白内障が進行すると物が見えにくくなるので、今までの記憶や音、感覚を頼りに家の中を移動しなければいけません。家具の配置はできる限り変えないようにしてあげましょう。

また家具やドアなどとの距離感がつかみにくくなるので、振り返ったり回転した拍子に家具の角に体や頭をぶつけてしまう可能性があります。ぶつかる恐れがある場所にはタオルや緩衝材を巻いて、怪我をしないようにしてあげましょう。

また、目が見えにくくなると人の認識も難しくなります。たとえ飼い主さんであっても、急に触ると驚かせてしまうことがあるので、犬の正面にまわって一声かけてから触れるなど接し方を工夫してあげましょう。

犬の白内障はよく耳にする病気ではありますが、原因は加齢だけではありませんし、合併症のリスクも高いおそろしい病気です。視覚障害は、日常生活の質も大きく下げてしまいます。

その進行ステージによってとれる治療法は変わってくるので、白内障と診断されたら獣医師さんと治療方針をしっかりと決めていくことが大切です。

<参考URL>

アニコム家庭どうぶつ白書2018
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201812.pdf

<参考書籍>

小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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