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「皮膚病だけじゃない?!」犬が体を掻く・舐める5つの理由は?【動物看護師が解説】

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愛犬が頻繁に体を掻いていたり、何度も手をペロペロと舐めていると「皮膚病になったのかなぁ?」と不安になりますね。

もちろん皮膚の状態が悪くなって痒がることもありますが、皮膚病以外の原因もいくつか考えられます。

皮膚病だと思って治療したけど「あれ?掻くのをやめない」という事もあるので、皮膚病以外の原因もしっかり覚えておきましょう。

「皮膚病だけじゃない」犬が体を掻く・舐める5つの理由

皮膚病以外にも体を掻いたり舐めたりする原因はいくつかあり、今回は5つご紹介します。

▼皮膚病以外に「犬が体を掻く・舐める理由5つ」
①ストレス
➁臓器に痛みや異常がある
➂皮膚の下に違和感がある
④常同行動
➄脳神経

①ストレス

人と同じように犬もストレスの負荷を受けると「毛をむしる」「しつこく指先を舐める」「何度も体を掻く」といった皮膚トラブルを引き起こすことがあります。

特に出産や入院、災害など犬にかかるストレスが大きくなると、広範囲の毛が抜けてしまうなど、起きる皮膚トラブルも重症化する傾向があります。

➁臓器に痛みや異常がある

皮膚は体の中を映し出す鏡とも言われていますね。皮膚自体に問題があって症状が出ているのではなく、臓器に異常や痛みがあって体を掻いたり舐めたりする場合があります。

例えば、「目に痛みがある」「膀胱炎が起きている」「腫瘍がある」など、痛みがある部分を気にして引っ掻いたり、何度も舐めたりしているうちに、皮膚を舐め壊してしまうこともあります。

また、内分泌や代謝に異常が起きると、皮膚が薄くなったりフケが出やすくなることもあります。

➂皮膚の下に違和感がある

臓器の痛みのときと同じく、皮膚の下に違和感があるときも気になる場所を舐めたり、噛んだりすることがあります。

例えば、「関節炎」や「便秘」などです。

私たちもお腹が張ったり膝に違和感を感じると、その部分を無意識に触ったりさすったりしますよね。

それと同じように犬も違和感がある部分を舐めたり噛んだりすることがあります。

④常同行動

ある行動を何度も繰り返すことを「常同行動」といい、それが悪化して日常生活に支障をきたすレベルになったものを「常同障害」といいます。

自分の体の一部をずっと舐める、ずっと噛む、吸い続けるといった行動は、常同行動のパターンの1つです。

同じ場所をずっと舐めたり噛んだりすることによって、出血をしてしまう場合もあります。

➄脳神経

「分離不安」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

飼い主さんと離れることに過剰に不安や恐怖を抱えてしまう状態です。

物を壊したり吠え続けるといった症状もありますが「手や体を舐め続ける」といった行動を取ることもあります。

この分離不安は脳神経に障害がある場合、重度に出てくることがあるので、原因の一つとして覚えておくとよいでしょう。

「ライフスタイル」や「直前の行動」に注目しよう!

さて、犬が体を掻いたり舐めたりするのは、皮膚病以外にもいろんな原因があることがお分かりいただけたと思います。

では「皮膚病なのか」「別のことが原因なのか」見極めるためには、どういうことに注意すればよいのでしょうか。

ポイントは「3つ」あります。

①「ライフスタイル」に変化があったか
②舐めたり噛んだりする前後に「どんな行動」をしていたか
③愛犬の性格

「引っ越しをした」「赤ちゃんが生まれた」など人間のライフスタイルの変化は、犬にとっても大きな変化です。

犬や人の生活の中で変わったことがあれば、それを覚えておきましょう。

また「暇な時間に舐めている」「寝る前に噛んでいる」「雷や雨の日に舐めている」など、その行動が起きる前後の行動や環境に注目することも大切です。

飼い主さん自身が「原因はコレ」と特定するのは難しいのですが、この「3つのポイント」も含めて獣医さんに伝えておくと「あれ、皮膚以外の治療も必要かも」と獣医師さんが診断をしやすくなります。

体を掻いたり舐めたりするのは、止めさせた方がいいの?

愛犬が何度も舐めていたり、引っ掻いたりしていると「止めた方がいいのかなぁ」と判断を迷ってしまいますね。

▼止めなくて良い場合
・短時間で掻く・舐める行為が終わっている
・頻度が少ない

舐めたり掻いたりする時間が短かったり頻度が少ない場合は、無理に止めさせる必要はありません。

犬は一時的な居心地の悪さや不安などを感じると「体を掻く」「手を舐める」といった転位行動をとって自分の気持ちを落ち着かせようとすることがあります。

「気になっている物があるのかも」と配慮することは必要ですが、短時間で頻度が少ないのであれば行為をとめなくてOKです。

▼止めた方が良い場合
・1日に何度も繰り返す
・声をかけてもやめない
・掻く・舐める時間が長時間
・だんだん舐め方や掻き方が激しくなった
・頻度や時間が増えてきた

上記のようにだんだんと頻度が増してきたり、1日に何度も同じ行動を繰り返す場合は、止めさせる必要が出てきます。

ただ、いままでお話ししたように掻く、舐めるという行動の裏には、いろんな原因が隠れています。

止めさせる場合は病気方面と心の方面の両方からみる必要があるので、「行動療法ができる獣医師さん」に一度診てもらうと良いでしょう。

いかがでしたか?

愛犬が舐める・掻くという行動のには皮膚病以外にもいろいろな原因が隠れています。

皮膚の治療をしているけどなかなか改善しないという場合は、別の方面もあるということを知っておくと安心ですね。

<参考書籍>

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

動物の精神科医”が教える 犬の咬みグセ解決塾  奥田順之(著)

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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