年々暑さが厳しくなる夏、愛犬と一緒にどこかのプールに出掛けるのも良いけれど、今年は自宅プールを始めてみませんか?
この記事では、愛犬と一緒に自宅でプールを楽しむ時に必要な始め方から注意点まで解説します。
愛犬と楽しむ自宅プールって?

犬にとって夏の暑い季節の涼み方は、とても重要な課題の一つです。
それこそ、夏場は散歩時間が制約されて、涼むと言えば、家の中でエアコンやサーキュレーター、扇風機を駆使して暑さを凌ぐということが多い季節となります。
そんな夏の悩みを解決する一つの選択肢として、自宅プールを検討する方も多いでしょう。
犬と楽しむ自宅プールとは、その名の通り、ご自身のご自宅のお庭やベランダなどに簡易プールを設置して、愛犬の“涼”を作ってあげることです。
この自宅プール最大の魅力は、何と言っても他の飼い主さんや犬を一切気にすることなく、思いっきり愛犬を遊ばせてあげられること。
また、施設プールでは必要となる移動時間の手間や料金の発生などがなく、思い立った時にすぐ出来る手軽さもとても魅力的な一つです。
中には、「『プール=それなりの広さ』がないと、犬だって運動不足などの解消はできないのでは?」と思う飼い主さんも居るかもしれません。
しかし、人でもそうですが、犬の場合でも一般的に普通に散歩で走った時の運動量と比べて、水の中で動き回った時の運動量の方が、約3倍近く体力を消耗するため、そうした心配も無用です。
犬と楽しむために設置する自宅プールは、水に入るのが初めてのワンコや他の犬が居ると静かになってしまうワンコ、チワワやトイ・プードルなど小柄な犬種を安心・安全に遊ばせてあげられる方法です。
自宅プールで愛犬を遊ばせてあげるための事前確認

それではまず、自宅で愛犬にプールを楽しませてあげるために必要な事前確認をここでは見ていきましょう。
▼【犬を自宅プールで遊ばせる時の事前確認】
①愛犬の水遊び好きかどうかチェックする
②体調に異変がないかをチェックする
③元々の犬種の特徴をチェックする
特に初めて犬を迎える方については、見落としやすい事前確認があるため、一つずつ詳しい内容をチェックしてみてくださいね。
①愛犬の水遊び好きかどうかチェックする
意外にも多くの飼い主さんたちが勘違いしているこの項目は、必ず事前にチェックしておくことをオススメします。
犬によくあるイメージとして、『水遊び』を連想される方は少なくないと思いますが、実は犬であっても、全ての犬が全て、水遊びが好きなわけではありません。普段のお風呂で使うぬるま湯なら大丈夫でも、冷たい水には抵抗を示して嫌がる場合もあります。
そのため、自宅プールで愛犬を遊ばせる前には、必ず愛犬が水に対して抵抗を見せないかどうかを確認しましょう。
②体調に異変がないかをチェックする
自宅プールで愛犬を遊ばせる前には、愛犬の体調チェックを怠らないよう心掛けましょう。
元から皮膚が弱かったり、関節に異常があったり、はたまた元気そうに見えてそうでもない状態だった場合には、どんなに遊びたそうにしていても、日を改めることが大切です。
③元々の犬種の特徴をチェックする
猫と違って犬には、皆さんもご存知の通り、体格差の違いや犬種による特徴の違いなどが存在します。
特にスムースコートと言われる毛質を持つ犬種(ミニチュア・ピンシャーやイタリアン・グレーハウンドなど)では、体が冷えやすい特徴を持っていたり、胸が深い独特の体形(樽型)をしていて短頭犬種(フレンチブルドッグやパグなど)であったりした場合、他の犬種に比べて呼吸がしづらい特徴を備えているため、一般的には泳ぎが苦手とされています。
そのため、その基からある犬種の特徴の違いを知る前から、自宅プールで愛犬を遊ばせないようにしましょう。
愛犬を自宅プールで遊ばせる方法

愛犬を自宅プールで遊ばせるには、どのように始めれば良いのでしょうか?
詳しい手順を以下で確認してみましょう。
食餌は軽めに済ませる
愛犬を自宅プールで遊ばせる時には、まずは食餌に気をつけるところから始めましょう。
「自宅プールと何の関係が?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、この準備はとても大切です。
というのも、水遊びをさせる前にいつも通りの食餌などを与えてしまうと、場合によっては吐き戻しの原因となってしまう可能性があるからです。
また、遊び終わった後の食餌についても、出てすぐに与えると、大型犬の場合には特に胃拡張や胃捻転などを起こしやすくなってしまうため、プールから上がった後は、しばらく時間が経ってから与えるように心掛けましょう。
浴槽に水を張るor庭やベランダで家庭用プールを設置する
次に浴槽に水を張るか庭やベランダで家庭用プールを設置しましょう。
この時、浴槽の場合には、底が滑ってしまう危険性を考慮して、滑り止めマットなどを事前に敷いておくと安全です。
水温については大体25℃~30℃程度を目安に、水位は、最初は浅い水位で慣れさせ、徐々に水を足していくことで調整しましょう。
浴槽に水を張る場合でも、家庭用プールを使用する場合でも、その時の水嵩は、大体愛犬の体高に合わせます。(目安は足が地面に付く程度)
ミニチュア・ダックスフンドやコーギーといった胴長短足の犬種では、水位に注意が必要なので、慣れるまでは胸元辺りが浸かる程度に留めましょう。
水に浮くおもちゃなどを入れる
プールというからには、愛犬お気に入りのおもちゃを使って遊ばせてあげることも大切です。
中でも水に浮くおもちゃやボールを水の張られた浴槽や家庭用プールに浮かせ、愛犬が動く度に水の浮力で浮いているおもちゃも動く状況を作れれば、その予測しづらい動きで愛犬の運動不足を解消することが出来ます。
ただし、あまりにも形状が丸いような場合は、そのおもちゃを取るために大きく口を開いて水も一緒に大量に飲み込んで、水中毒になってしまう危険性があるため、そういったことを防げるようなおもちゃの形状を選びましょう。
愛犬を自宅プールで遊ばせる時の注意点

愛犬に自宅のプールで遊ばせる時にも注意は必要です。
特にこまめな水分補給や休憩などは、必ず怠らないように注意しましょう。
基本的に犬が楽しそうに遊んでいる姿を見ると、どうしても邪魔したくなくてそっと見守る側に徹してしまうのが飼い主の性かもしれません。
ましてやそれが自宅のお風呂場やお庭、ベランダでの家庭用プールだった時には、川や海と違って、さほど危険性も薄いだろうと危機意識がなおの事低下してしまうこともあります。
しかし、こうした考えこそ、自宅プールの最大の落とし穴と言っても過言ではなく、細心の注意が必要です。
前述でも少し触れましたが、水で泳いだり歩いたりする行為は、人でも犬でも、地上で走る約3倍の体力を消耗します。
途中の休憩もなく遊ばせ続ければ、それはかえって低体温症の原因となるため、こまめな休憩は必ず忘れないよう注意しましょう。
また、水分補給についても「水の中だから大丈夫」という過信は禁物です。
例え屋内や日の当たらない庭先やベランダであっても、15分~20分を目安に遊びを中断させて、水分を摂らせるよう注意しましょう。
自宅プールが遊び終わったら…

愛犬が自宅プールを存分に遊んだ後には、しっかりと身体を拭いて、体調の変化や体温の変化をくまなくチェックしましょう。
また、体力の消耗に伴って起こったエネルギー補給についても、消化の良いおやつや食餌を、しばらく休憩させた後に与えることをお忘れなく。
夏場の犬の自宅プール遊びは、なかなか外で発散することの出来ない運動不足やストレス発散に一役買ってくれる優れたアクティビティの一つです。
しかし、その分注意は決して怠らないよう意識しなければなりません。
自宅というプライベート空間だからこそ、施設プールとは違った意識を飼い主さん自身が持ち、万が一の時のために備えておくことで、愛犬も安心・安全なアクティビティを楽しめます。
そのため、目一杯愛犬が自宅プールで遊んだ後には、このような心掛けを大切に、飼い主さんと愛犬にとって、かけがえのない夏の思い出を作ってあげてくださいね。
<参考書籍>
春夏秋冬いっしょにあそぼ!おでかけ前のお役立ち情報|首都圏発 お散歩もお泊まりもペットといっしょ! まっぷる
<画像元>
photoAC

また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。

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