「いつの間にか犬がキャットフードを食べていた」というのは、犬と猫を一緒に飼っている家庭のあるあるかもしれません。
でも、犬がキャットフードを食べてしまっても問題はないのでしょうか。
今回は「犬がキャットフードを食べて良いのか」や「食べた後の注意点」を解説します。
「日常的に食べるリスク」も合わせてお話しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
「ドッグフード」と「キャットフード」は何が違うの?

形状はそっくりなドッグフードとキャットフードですが、何が違うのでしょうか。
犬は「肉食に近い雑食」で猫は「肉食」の動物です。
そのため、犬と猫では必要な栄養素が異なります。
犬は炭水化物を効率よくエネルギーに変えることができるので、ドッグフードには炭水化物が多く配合されています。
一方、猫は炭水化物をエネルギーに変えることは苦手ですが、タンパク質や脂質をエネルギーに変えることは得意なので、キャットフードにはタンパク質や脂質が多く配合されています。
つまり、キャットフードはドッグフードに比べて炭水化物が少なく、タンパク質や脂質が多いという設計で作られています。
「犬がキャットフードを食べた!」犬がキャットフードを食べたらどうなる?

キャットフードはドッグフードに比べて炭水化物が少なく、タンパク質や脂質が多く配合されているとお話しました。
では、犬がキャットフードを食べると、どうなってしまうのでしょうか。
食べたのが少量であったり一時的であれば、すぐに健康に悪影響が出ることは考えにくいですが、下記のような症状が現れる可能性があります。
▼犬がキャットフード食べたらどうなる?
・嘔吐や下痢をする
・味を覚えて偏食しやすい
・嘔吐や下痢をする
食べ慣れない物や脂質が多い物を食べると、消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐をすることがあります。
そのため、普段食べていないキャットフードを食べると、下痢や嘔吐をする可能性があります。
・味を覚えて偏食しやすい
キャットフードはタンパク質や脂質が多く含まれています。
タンパク質や脂質が多い食事は嗜好性が高く、犬が好みやすいです。
また、猫は好き嫌いの多い動物と言われていますが、その猫が好むように風味などが付けられています。
そのため、キャットフードの味を覚えてしまうと、他のご飯を嫌がるなど偏食傾向になる可能性があります。
犬がキャットフードを食べた後の注意点

では、犬がキャットフードを食べたことに気づいたら、どんなことに注意すれば良いのでしょうか。
▼犬がキャットフード食べた後の注意点
・体調に変化がないか
・食物アレルギーが出ていないか
・体調に変化がないか
キャットフードを食べた後は、嘔吐や下痢を起こす可能性があるとお話しました。
「消化器症状(下痢や嘔吐)」が出ていないかに加えて「いつも通り元気があるか」「食欲が落ちていないか」など体調に変化がないかチェックしておきましょう。
とくに症状が出ていない場合でも、心配であればかかりつけ医に相談しておくと安心ですね。
・食物アレルギーが出ていないか
食物アレルギーは、特定の食材に対する免疫反応が過剰に働くことで発症します。
キャットフードの中に、犬が反応する食材が含まれていた場合、食物アレルギーの症状が出る可能性があります。
▼犬の食物アレルギーの症状(一例)
・皮膚のかゆみ(耳、顔、足、肛門周辺に現れやすい)
・皮膚の赤みや腫れ
・脱毛
・嘔吐
・下痢
・くしゃみや鼻水(非常にまれ)
上記のような症状が犬に現れた場合、食物アレルギーを発症している可能性があるので、早めに動物病院に行って診察を受けましょう。
「日常的に食べるのはNG」犬にキャットフードがNGな理由

先ほど、キャットフードを食べたのが少量であったり一時的であれば、すぐに健康に悪影響が出ることは考えにくいとお話しました。
では、犬が日常的にキャットフードを食べている場合はどうなのでしょうか。
結論から言いますと、犬が日常的にキャットフードを食べるのはNGで、習慣化している場合はすぐに止めさせましょう。
理由は3つあります。
▼犬がキャットフードを日常的に食べるのがNGな理由
①「腎臓に負担がかかる」
②「肥満になりやすくなる」
③「療法食の場合は体調不良を引き起こす」
①「腎臓に負担がかかる」
猫は肉食なのでキャットフードにはタンパク質が多く含まれています。
犬にとってもタンパク質は大切な栄養素ですが、過剰に取りすぎると腎臓に負担がかかってしまいます。
タンパク質は分解される過程で老廃物が生じますが、腎臓でろ過されて尿として体外に排出されるので、体で悪さをすることはありません。
しかし、老化や病気などで腎臓の機能が衰えてくると、老廃物をうまく体外に排出できなくなります。
そのため、体に老廃物がたまり、全身に悪影響を及ぼすようになります。
②「肥満になりやすくなる」
キャットフードはタンパク質や脂質が多く含まれています。
体の小さい猫が体を維持していけるように、少量でもカロリーが摂取できるようにできています。
そのため、カロリーが高いキャットフードを犬が日常的に取っていると、肥満になりやすいです。
また、キャットフードは嗜好性も高いので、味に慣れてしまうと他の食事を嫌がるようになり、肥満でダイエットフードに切り替えようとすると、食べてくれないなどの弊害が起きる可能性もあります。
③「療法食の場合は体調不良を引き起こす」
キャットフードの中には、療法食もありますね。
こういった療法食は目的に合わせて栄養成分が調整されているので、なんの症状もない犬が食べ続けると、別の病気を発症する可能性があります。
例えば、「尿結石」向けのキャットフードは結石ができにくいように、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが制限されています。
しかし、マグネシウムは骨の形成や筋肉の維持に欠かせない成分なので、不足すると筋力低下や成長不良などを引き起こす可能性があります。
お互いのフードを食べないように対策を!

今までの内容で犬がキャットフードを食べ続けるのは、色々な弊害が起きやすいということがおわかり頂けたと思います。
そのため、犬と猫を一緒に飼育している家庭では、お互いのフードを食べ合わないように、対策を取ることが必要です。
では、お互いのフードを食べないようにどんな対策があるでしょうか。
考えられる対策を一覧にまとめました。
▼お互いのフードを食べない対策
・食べる部屋を分ける
・犬をケージに入れて食事をさせる
・犬が届かない高さで猫に食事をさせる
・もったいないから犬に与えることを止める
・置き餌をしない
・食べ残しを出さない
・食べ終わるまで見守る
食べさせるつもりはなかったけれど、目を離したすきに犬が盗み食いをしていたケースは多いです。
可能であれば、犬と猫の食事場所を部屋ごと分けましょう。
また、好き嫌いが多いタイプの猫は食べ残しを出すことが多いです。
フードを置きっぱなしにしていると、盗み食いを招く恐れがあるので、少量与えて食べきったら追加するなど、食べ残しを出さない工夫も大切です。

キャットフードを犬に食べさせ続けることは、私たちが考えている以上に深刻な病気を引き起こす可能性もあります。
一度習慣化すると、止めさせる方が大変なので、犬がキャットフードを食べる環境を作らないようにしましょう。
<参考書籍>
動物看護のための小動物栄養学 改訂3版 阿部又信(著者), 日本小動物獣医師会動(著者)
<画像元>
canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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