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冬の散歩は注意が必要!愛犬にやってあげたい対策とケアは?【動物看護師が解説】

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寒くても雪が降っても散歩に行きたがるわんちゃんは多いですね。

でも冬や雪の日の散歩は、普段の散歩と違って気をつけることがたくさんあります。

リスクを認識していないと怪我をすることもあるので、注意したいポイントを覚えていきましょう!

冬場の愛犬の足トラブル4割が経験

北海道に住む犬の飼い主400名にアンケートを実施したところ、冬に愛犬の足や肉球のトラブルを経験した飼い主は約4割にのぼりました。

回答内容として多かったのが「乾燥」や「ひび割れ」で、中には「しもやけ」や「趾間炎」になってしまったという声も寄せられました。趾間炎は指の間に炎症が起こり、かゆみや痛みを引き起こす病気です。

わんちゃんは寒さに強いので雪でも平気、肉球は丈夫というイメージがありますが、実際には皮膚の弱い犬種は趾間炎のリスクがありますし、乾燥や冷えによって足にトラブルを起こすわんちゃんは多いことがわかります。 

雪国だけじゃない!都会でも起きるわんちゃんの足トラブル

冬場の足のトラブルは雪国に限ったことではなく、都会でも起きる可能性があります。近年は関東でも積雪がありますし、寒さも厳しいですね。

普段雪が降らない地域だと、わんちゃんの体が寒さに順応できていなかったり、飼い主さんが降雪時のリスクを認識していなかったりするため、知らないうちにわんちゃんの足にトラブルを引き起こしてしまうことがあります。

では、どんなことが足のトラブルをまねくのでしょうか。

乾燥から足のトラブルへ

わんちゃんの肉球は弾力があり、わずかにしっとりとしたツヤがあるのが理想的。

しかし、雪の上や冷たいコンクリートを歩くことでダメージを受け、エアコンの風や空気の乾燥によって水分が失われて乾燥しがちになります。(ある調査では3頭に1頭のわんちゃんが肉球の乾燥問題を抱えているそう)

乾燥が進むとあかぎれのような状態になり、痛みを感じるようになります。

痛みや乾燥を気にして何度も手を舐めるようになると、皮膚が荒れてしまい趾間炎を引き起こす原因になります。

足を気にする仕草が見られたらトラブルが起きているかもしれません。

わんちゃんの足の状態を確認してみましょう。

寒さから足のトラブルへ

雪や冷たいコンクリートの上を歩いていると、寒さで足など末端の血流が悪くなります。血流の悪さが原因で炎症が起こり、痛みやかゆみを感じるようになります。

痛みやかゆみを感じると、過度に舐めたり手先を噛んだりするため、炎症が悪化したり趾間炎を引き起こす可能性があります。

上記のようなわんちゃんは寒さに弱いので、寒さからくるトラブルに十分注意してあげましょう。

融雪剤(ゆうせつざい)の影響

雪が積もると凍結するのを防ぐために「融雪剤(ゆうせつざい)」がまかれることがあります。

種類によって異なりますが、多くの場合融雪剤には「塩化カルシウム」が使われています。

塩化カルシウムが皮膚や肉球についてしまうと、炎症を起こしたり、ただれてしまうことがあります。

また、雪と一緒に融雪剤(ゆうせつざい)を食べてしまったり、体についた融雪剤を舐めとってしまうと、胃腸を刺激し嘔吐や腹痛、下痢などを引き起こすことがあります。

よく雪に背中を擦り付けて遊ぶわんちゃんを見かけますが、融雪剤(ゆうせつざい)がまかれていないか確認するようにしましょう!(もし食べた場合はすぐに動物病院へ)

雪や氷などで怪我をする

雪が積もって見えにくくなった尖った石やガラス、木の枝などを踏んで足や肉球を切ってしまう可能性があります。

また、雪が一度溶けて固まると尖った部分や薄い部分も出てくるので、氷のとがった部分や氷の破片で怪我をすることもあります。

愛犬にやってあげたい対策は?

靴を履かせる

わんちゃんの生活環境の変化とともに、わんちゃんの健康を守るアイテムのひとつとしてわんちゃん用の靴がだんだんと認知されるようになりました。

特に室内飼いのわんちゃんは肉球が柔らかく傷つきやすいです。足を冷やさない、雪や氷、融雪剤から肉球を守るために靴をはかせてあげましょう。

また肉球が乾燥していたり、ひび割れている状態で散歩に行くと、菌が入って炎症を起こしたり化膿することもあります。

そういったことを防ぐためにも、靴で足や肉球を保護してあげることは大切です。

靴に慣れていないと最初は違和感を感じて嫌がるので、短時間だけつける、オヤツをあげながら履かせるなど少しずつ靴に慣らしてあげましょう。

保湿剤を塗る

わんちゃんの肉球を乾燥させないために、保湿剤を塗ってあげましょう。

手足はわんちゃんが舐めやすい場所なので、舐めても問題のない成分のものを選びましょう。

保湿剤を塗ったままだと、床に保湿剤がついたり足が滑って危険です。

保湿剤を塗ったらなじむまで、わんちゃん用の靴下をはかせて保護してあげましょう。

長時間靴下を着用すると蒸れてしまうので、ある程度時間がたったら脱がせてあげましょう。

散歩前にはウォーミングアップを

暖かい室内から急に寒い外に出ると、寒暖差で体に負担がかかります。

散歩に行く前に、気温が低めな玄関や廊下に行って寒さに体を慣らしてあげましょう。

また寒さから血流が悪くなり、筋肉がこわばりがちになります。

室内を軽く歩いてウォーミングアップしたり、筋肉を優しくマッサージしてあげましょう。(寝起きであれば特に大切です)

実は治りにくいわんちゃんの肉球の怪我

実は肉球は再生能力が低いため、怪我をすると非常に治りにくい場所といわれています。

肉球の表面には血管が少ないため、傷を埋めるための肉が盛り上がってくるのも時間がかかりますし、わんちゃんの全体重がかかる場所なので傷口も開きやすいです。

一度傷ができてしまうと、わんちゃんが気にしてずっとなめ続けて、皮膚炎に発展することもあります。

怪我をさせないようにする、トラブルを起こさないように予防してあげることが、なによりも大切ですね。

わんちゃんは寒さに強い、雪の上も素足で大丈夫と思い込んでいると、思わぬトラブルを引き起こしてしまいます。

特になかなか雪が降らない地域だと、リスクを認識するのは難しいですね。

冬や雪の日の散歩の注意点をしっかり覚えて、愛犬の体をしっかり守ってあげましょう。

<参考文献>

・アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

・冬の犬の足は危険がいっぱい。雪国犬の約4割が足トラブルを経験! 株式会社ディライトクリエイション

・2月9日は「肉球の日」! 飼い主の7割以上は愛犬の 肉球が好き 株式会社ディライトクリエイション

<画像元>

illust STAMPO

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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