冬から春にかけて季節の変わり目には私たち人も体調を崩しやすいですが、ワンちゃんも同じように春は体調を崩しやすい季節ってご存知でしたか?
特に子犬や高齢犬、持病のあるワンちゃんについては寒暖差や気圧の変化に敏感に反応し、体調面に影響が出やすくなってしまいます。
そう言った不調が出る前に!犬が春に体調を崩す原因や主な症状、対処法についてご紹介します。
春に愛犬が体調を崩しやすい原因って?
寒かった冬も終わり、暖かい春の季節を迎える時期には、なぜか無性に体が重かったり、だるかったりしてしまうことはありませんか。
それらは愛犬も同じで、「昨日まではケロッとしていたのに、今朝になったらどこか元気がないような…」というようなことも珍しくない事でしょう。
では、そんな春の季節に愛犬が体調を崩してしまう原因とは一体何なのでしょう?愛犬が体調を崩す7つの原因をご紹介します。
原因①:発情期
家庭犬として迎えられたワンちゃんの中には、避妊手術や去勢手術をしていないワンちゃんも居ることでしょう。
そう言ったワンちゃんたちの多くは、基本的に春になると発情期を迎え、女の子の愛犬であれば、その間神経質になったり落ち着きがなくなったりし、当然ストレスがかかってくることになります。男の子の愛犬の場合も、その発情期に反応して、マーキングが増したり興奮して発情中のワンちゃんを追いかけたりして、結果的にストレスが溜まってしまい、不調を招いてしまう場合があります。
原因②:寒暖差や気圧の変化
寒暖差が大きい春は、気圧の変化も大きい日が多々あります。
いわゆる『気象病』と言われる頭痛やめまい、疲労感が起こるのも、こういった寒暖差や気圧の変化によることが多く、愛犬もこのような変化を敏感に感じ取ってしまうと、体調に悪影響が出てしまう原因となります。
気象病は最初こそ、「何となく元気がない…」といった姿かもしれませんが、例えば愛犬に、てんかんの持病があった場合には、その気圧の変化や寒暖差の変化というのは、発作を起こしてしまう危険性があるため、特に持病がある場合には、注意深く観察してあげましょう。
原因③:飼い主とのストレス同期
このストレス同期、というのが何かと申しますと、スウェーデンで行われた長期的な飼い主と愛犬とのストレス値を測定したもので、その研究結果では、犬と人のストレス関連は夏と冬で観察されていることが明らかとなったものです。
この研究結果では季節的な変動は見られなかったものの、冬から春にかけてストレスを飼い主さんが溜めやすいと、愛犬にもそれが移ってしまっている可能性が十分に考えられます。
例えば飼い主さんご自身が春先に体調を崩したり、ストレスを溜め込むようなことがあったりするなら、愛犬についても変化がないか、しっかりと確認してあげましょう。
原因④:花粉などのアレルギー症状
人にも花粉症があるように、犬にも花粉症に似たアレルギー症状によって、体調を崩しやすくなる場合があります。
犬の場合の花粉症は、呼吸器系等に不調を示す場合もありますが、基本的には人の咳やクシャミといったものとは少し違って、どちらかというと皮膚に対して不調が生じやすいと言われます。
愛犬がしきりに体を痒がっていたり、花粉の飛散に合わせて元気を失くす場合は、もしかしたら花粉症の可能性が考えられるため、一度獣医さんに診てもらうなど、受診を検討すると良いでしょう。
原因⑤:春の草花による食中毒
春は色々な植物が芽吹く季節でもあり、その中には愛犬が誤って食べてしまうと体調に異変を来たしてしまう草花が存在します。
チューリップやアサガオ、スイセン、カーネーションなどの草花は、色とりどりなこともあり、思わず足を止めて魅入ってしまいたくなるかもしれません。
しかし、こうした春の草花は、愛犬にとってはとても有毒で、大変危険です。散歩中は散歩に集中することを意識しましょう。
原因⑥:予防接種などの行事
春の季節はノミやダニが活動的になり、それらに対する予防や狂犬病予防などの予防接種によって、ストレスを抱えて体調を崩してしまうワンちゃんが居ます。
犬の狂犬病予防接種については、年に一度の義務付けが法で定められているため、仕方のない事ですが、そういった春の行事で犬が体調を崩してしまった場合、この場合には副作用の関連性も鑑みて、再度獣医さんに診察してもらうことをオススメします。
原因⑦:生活環境の変化
引っ越しや就職・転職などが多くなる春は、それまで一緒に生活していた人が居なくなったり、環境が変わったりする季節でもあるため、その影響で愛犬の体調が崩れてしまう場合があります。
こういった変化の戸惑いで起こる体の不調は、体調だけではなく、愛犬のメンタル面についても不調が生じることがあります。
新生活でバタバタしてしまう季節ではありますが、時間が許す時には、出来る限り愛犬とのコミュニケーションを取ってあげることを意識しましょう。
体調を崩してしまった愛犬の主な症状とは?
ワンちゃんが春の季節で体調を崩してしまった際、一般的には以下のような症状が見られることが多いでしょう。
【春に犬が体調を崩した時に見られる主な症状】
・食欲不振
・元気消失
・嘔吐や下痢
・くしゃみや咳
・体の痒み
春先にこのような姿が愛犬に診られたなら、それはもしかしたら体調を崩している合図かもしれません。
ただし、花粉などが原因で起こるアレルギー症状に関しては、先程もお伝えしたように、呼吸器系等の症状だけではなく、かゆみや脱毛といった皮膚炎などの症状も珍しくないため、そういった場合にはしっかりと獣医師さんに診断してもらうことが大切です。
また、上記症状以外にも、春は熱中症や脱水症状なんかも、愛犬の体調不良の原因になり得るので注意しましょう。
冬から春にかけて季節が変わる際、徐々に気温が高くなっていけばよいのですが、実際には朝晩と日中の気温差は大変激しいもので、日によっては10℃以上も差が出てしまうほど、違う場合も少なくありません。
そのため、日中の暖かい時間帯も朝晩と同じような感覚で暖房を付けたままの状態にしてしまうと、時として飼い主さんも知らない間に愛犬が熱中症や脱水症状になってしまっていた…、なんてことも十分にあり得ます。
特に子犬や高齢犬の場合には、自分からその場を離れて水分補給をするということが出来ないことも多く、また、体温調整がうまく機能しないことも多いので、こまめに水分補給をしているかといった確認や、していない場合には鶏肉などを茹でたゆで汁や犬用のミルクなどで代用して、水分摂取するように促してあげましょう。
春に愛犬が体調を崩してしまった時の対処法
春の時期に、もしも愛犬が体調を崩してしまった場合には、まずはその原因となるものを特定することから始めましょう。
生活環境の変化や気温差の変化、気圧の変化で愛犬が体調を崩しているようであれば、環境変化に戸惑わないように出来るだけ一緒にいてあげたり、寒暖差が出にくいように散歩の際は服を着せてあげたり、などの対策を取ってあげましょう。
一方で、草花による食中毒や花粉によるアレルギーが原因で愛犬が体調不良を起こしているのであれば、出来るだけ早く動物病院で症状を見てもらい催吐処置などを施してもらったり、内服薬、外用薬を処方してもらったりするように心掛けてください。
そして中でも、避妊手術や去勢手術に関しては、未だに意見が賛否両論分かれるといった実情がありますが、ヒート中のワンちゃんのストレスは相当なものだと言われており、また、発情が終わって2か月間ほど休止状態が続く黄体期では、子宮蓄膿症という病気が発症しやすいため、出来るだけ早い決断が大切になってきます。
我が家も初代柴犬と2代目シェルティについては、自然体のままが良いと思い避妊手術を見送っていましたが、6歳を過ぎたあたりで初代柴犬は子宮蓄膿症を患い、2代目シェルティも10歳の頃に子宮蓄膿症及び乳腺腫瘍を患い、結果的に子宮、卵巣全摘出手術を行いました。
そのため、我が家ではそういった経験を踏まえ、3代目柴犬に関しては、8か月で我が家に迎えてすぐ、初めてのヒートを迎えたその数週間後には、避妊手術を実施しました。
子宮蓄膿症は避妊手術をせずにいると、高齢になればなるほど高確率で発症する病気とも言われ、処置が遅れると最悪死亡してしまう可能性のある大変危険な病気です。
毎年の発情期を過ごしているワンちゃんの飼い主さんは、特に気にかけて、少しでも普段と違った不調が見られたなら、動物病院で診察してもらってください。
まとめ
春は犬にとっても様々なイベント事がある季節です。
中には、同じ犬種でも全く変化のないワンちゃんも居るかもしれません。
しかし、それはあくまでも犬種の特徴やワンちゃんの性格によることが多いので、ちょっとでも愛犬に異変を感じた際には、早めに獣医師さんに相談して、不安要素を取り除いて、愛犬と元気に春の季節を迎えてあげてくださいね。
<参考サイト>
季節の変化に要注意!ペットが食欲不振になった原因とは?:『ペット保険比較のピクシー』
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000099698.html
【動物行動学】飼い犬と飼い主の長期ストレスレベルが同期している
>https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/12975
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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