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柴犬は緑内障になりやすいって本当?その理由や緑内障の症状を解説!

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年齢を重ねる毎に人でも発症しやすい目の疾患、緑内障。

それらは犬でも変わらず、その理由の一つとして挙げられるのは、人の高齢化に伴い犬も高齢化したから。

そのため、そういった目の疾患になる可能性が高くなっているのが現状ですが、中でも柴犬は目の疾患を持ちやすく、緑内障になりやすいと言われています。

では何故柴犬は、比較的緑内障になりやすいのか。

そこにはDNAの関係と意外な理由が隠されていたのでご紹介します。

緑内障になりやすい原因は柴犬の顔の作りとDNAの遺伝子にあった!?

ではまず、出身地や時代の違いによる柴犬の顔の特徴からご紹介します。一口に柴犬と言っても、山陰地方を原産とする「山陰柴」や岐阜県で猟犬として飼われていた「美濃柴」、長野県や群馬県で猟犬として飼われていて、現在の柴犬のルーツに最も近いと言われる「信州柴」など、様々な種類が存在しています。

主に「山陰柴」や「信州柴」と呼ばれる柴犬は、縄文時代に存在した縄文柴犬に近いキツネ顔をしており、額段(ひたい部分)が比較的浅く、マズル(口部分)がシュッとしているのが特徴的なクール系柴犬です。

一方で「美濃柴」は、濃く赤い被毛も然る事ながら、縄文時代に派生し誕生したタヌキ顔の弥生柴犬に近い額段(ひたい部分)が比較的深く、マズル(口部分)が短くコロンとしているのが特徴的なかわいい系柴犬です。

ただこの顔の作り、額段とマズルにはこれ程違いがあるのですが、奥まったつぶらな瞳にはほぼ違いはなく、唯一挙げるならキリッとして見えるつり目か丸いフォルムが印象的なタレ目の違いくらいです。

そしてその奥まったつぶらな瞳は、見た目は可愛らしいものの、角膜などの血管のない組織に栄養を送る眼房水が通る道、隅角(ぐうかく)が比較的狭い作りになっている子が多く存在するというのです。

そのため、結果的に他の犬種よりも好発的に緑内障になってしまう子が多く、柴犬は特に緑内障に罹りやすいと言われています。

また、柴犬のDNAは人同様「SRBD1(緑内障感受性遺伝子)」と言われる遺伝子異常によって緑内障に罹りやすいということも分かっています。

柴犬の緑内障症例は犬種第一位

犬種依存性の高いと言われる緑内障は、残念ながら柴犬の罹患率が最も多く、症例数においても第一位とされています。

次いで多いシー・ズーの2犬種を合わせると、全犬種中約半数を占めるという結果に…。

犬種依存性が高い疾患の上、眼科疾患で来院する柴犬の43%は緑内障に罹患しているとする報告もあることから、発症してしまうリスクが高いのが窺えます。

また、性別でも罹患する割合に違いがあるようで、一部性別不明の個体を除き、オスで35.4%、メスで64.6%と、メスはオスの約2倍程度緑内障に罹りやすいという結果が示されました。

犬の意緑内障の主な症状と牛眼とは?

では、いよいよ緑内障の主な症状についてご紹介しましょう。

緑内障とは、先程も少しお伝えした「眼房水」という角膜などに栄養を送る水の通りが眼外の血管に流出できなくなって眼圧が異常に上がり、視神経や網膜を圧迫、視力の低下や痛みを伴う病気のことを言います。

正常な目であれば、眼房水のほとんどは隅角(眼房水の通り道)から排出され、その少量が虹彩(黒目の部分)と毛様体(眼房水を作り出す器官)によって吸収されるのですが、何らかの原因によってこの眼房水の通り道が狭くなると、眼圧が上がって、緑内障の症状が出てしまいます。

主な緑内障の症状としては…

【主な緑内障の症状】
・瞳孔が開く
・黄色い目やにが多くなる
・涙が止まらなくなる
・目の周りに触れられるのを嫌がる
・目を擦る
・目が白っぽく濁る
・目が充血する
・目が張っている
・痛みの影響で目をシバシバさせる

上記のような症状が全て緑内障に関係している訳ではありませんが、こういった症状が見られた際には緑内障が疑えるかもしれません。

緑内障は主に先天性、原発性、持続性の3パターンが存在しており、先天性はその言葉通り、遺伝的に何かしら目の構造に問題があることが原因で起こる緑内障で、原発性は眼球に他に疾患となる原因がない緑内障です。

また、持続性は他の眼疾患(ブドウ膜炎や水晶体脱臼など)が原因で起こる緑内障だと言われています。。

こういった緑内障は、柴犬のほかにはアメリカン・コッカー・スパニエルやシベリアン・ハスキーなどに多いようです。

緑内障の治療は、基本的に内科的治療か外科的治療に分けられています。

犬が緑内障に患ってしまうと、疼痛や充血、流涙症を起こしやすく、進行すると眼圧によって目が膨らむ牛眼や、最悪失明してしまう場合があるので、愛犬の目の異変に気付いた際には出来るだけ早く動物病院で診てもらうようにしてあげてください。

DNAの遺伝子異常で緑内障になりやすい柴犬への対策はあるのか

それでは、人同様緑内障感受性遺伝子と言われるSRDB1遺伝子で緑内障になりやすい柴犬への対策は存在するのでしょうか?

結論から申し上げると、早期発見・早期治療に他なりません。

緑内障は、最初の内は自覚症状もなく、ゆっくりと進行するのが特徴です。

目立ってこれ!といった仕草もあまりないため、気付いた時には失明寸前にまでなってしまうことも少なくないでしょう。

筆者の飼養していた初代柴犬は、先天的に隅角に異常があり、迎えた当初から緑内障だと診断されていました。

ただ、緑内障は進行すれば症状も出てきますが、初期段階ではほぼ無症状です。

そのため、早期から緑内障と診断されていた愛犬もはじめのうちは何もなく、徐々に目をしきりに気にしたり、充血することが多くなったりと状況が変わっていったことで再度診察を受けた時には、緑内障は進行していて、点眼薬を処方されました。

そういった経緯もあることから、柴犬にとっての緑内障は早期発見・早期治療に努めることが大切になってきます。

まとめ

緑内障は眼圧の影響で慢性的な疼痛を引き起こし、最悪は失明してしまう可能性がある厄介な疾患です。

筆者の愛犬も最終的には牛眼になり、慢性的な疼痛を伴っていた時期がありましたが、年齢的なこともあって外科的治療は行わず、最後まで内科的治療で生涯を過ごしました。

犬にとって視力は、嗅覚や聴覚ほど重要視されることはあまりないと思うのですが、やはり飼い主さんの顔の認識は、多少なりとも視覚で判断していると筆者は思っています。

柴犬の緑内障は遺伝的なものも関係しているので、緑内障自体を100%発症させなくさせるというのは難しいものですが、もしも何かしら愛犬の目に異変を感じた場合には、出来るだけ早く獣医さんに診てもらって、適切な処置を施してもらってくださいね。

<参考書籍>

犬の医学

最新版 愛犬の病気百科 気になる初期症状から最新医療までがわかる

<参考サイト>

柴犬における緑内障感受性遺伝子 SRBD1 の 遺伝子型調査
>https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma/71/11/71_645/_pdf/-char/ja

千寿製薬株式会社|犬の緑内障について
>https://www.senju.co.jp/animal/owner/ryokunai.html

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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