大切な愛犬のために！安心・安全なペットフード選びのチェックポイント【動物看護師が解説】

大切な愛犬には安心・安全なごはんを食べてもらいたい！そういう思いでペットフードにこだわっている飼い主さんが多いと思います。しかし、さまざまな情報があふれている今日、どのようにペットフードを選べばいいのかわからなくなってしまいませんか？

本当に安心なペットフードを選ぶにはどうすればいいのか、動物看護師が解説します。

＜目次＞

▶ペットフードの原材料をチェックしよう！
▶ペットフードの原材料が育った環境をチェックしよう！
▶ペットフードの製造工場をチェックしよう！
▶ペットフードの検査や認証があるかチェックしよう！
▶ペットフードが保管されている環境をチェックしよう！

ペットフードの原材料をチェックしよう！

「国産」と書いてあると安心だと思っていませんか？

実は、日本の原材料を使っていなくても、最終加工国が日本であれば「国産」と表記することができます。つまり、海外から原材料を取り寄せて、日本で作ってしまえば「国産」と表記することができるのです。

特に、原材料に「肉骨粉」や「○○ミート」と書いてあったら、どんなレベルのお肉が使われているか確認するようにしましょう。

ペットフードのガイドラインによると、肉骨粉には死亡した家畜（死亡原因がわからなくても）のお肉を使用しても良いと書かれています。

「肉骨粉＝安全ではない」わけではありませんが、国産と書いてあっても原材料がどこから来たものなのかしっかりと確認しましょう。

ペットフードの原材料が育った環境をチェックしよう！

原材料を確認する方は多いですが、原材料がどんな環境で育っているのかまで気にする方は少ないのではないでしょうか。原材料が育った環境を調べることは、原材料の産地を見ることと同じくらい大切です。

人と同じレベルの食べ物と聞くと安心してしまいがちですが、日本は農薬の使用量は世界トップレベル。（中国とほぼ同じです。）また、原材料の中には鶏や牛、豚などの家畜のお肉がはいっていますね。その家畜が食べるごはんの中に遺伝子組み換え作物や抗生物質（抗菌薬）が含まれていたらどうでしょう。

遺伝子組み換え作物はさまざまな国で問題視されており、ある大学の研究によると遺伝子組み換えトウモロコシを2年間食べ続けたラットはガンの発生率が高かったと報告しています。

原材料が育つ環境にまで目を向けることが、ペットフードの安全にもつながります。

ペットフードの製造工場をチェックしよう！

ペットフードが作られている工場の情報も確認しましょう。

メーカーで工場内部の情報や製造環境を公開しているところは多くありません。そのため、製造工場を見せている所は信頼感があります。

少し前に大手ペットフードメーカーがフランスから韓国へと生産工場を移しました。韓国はペットにペットフードを与える割合が40%。そんなペットフードの概念が薄い環境での製造を敬遠して、ネットでは不買運動が起きるほどでした。

「ペット先進国＝安全なペットフードである」という思い込みはいけませんが、海外に製造拠点がある場合、その国のペットフードがどんな基準で守られているのか調べることも大切です。

ペットフードの検査や認証があるかチェックしよう！

ペットフードに関するリコールや事件は後を絶ちません。最近では、ペットのオヤツからサルモネラ菌が検出され、59件もの健康被害を出しました。

人の場合は、食品検査の中に細菌検査があり基準も決まっていますが、ペットフードにはありません。（加熱して細菌を発生させないでと表記はあります。）

また、添加物を使っているのに無添加表記をしていたとして、誤表記でリコールになった商品もあります。

ペットフードの安全性を守るために、どんな検査方法を取り入れているのかもしっかりとチェックしましょう。また、自社の検査方法だけでなく、第三者機関の認証があったり、検査をしていたらより安心できますね。

ペットフードが保管されている環境をチェックしよう！

ペットフード自体の安全性も大切ですが、販売するときにどんな環境で売られているかも確認しましょう。

ペットフードを傷めないように機能の高い袋を使っているメーカーもありますが、運んでいる環境や置いてある環境によっては傷みやすくなってしまいます。特にネットでペットフードを取り寄せている方は、どれくらいの賞味期限のフードが手元に来るのかも確認しましょう。

また、海外から輸入しているペットフードは輸送に工夫がされているか（クールコンテナを使用など）も確認しましょう。

安心なペットフードを探すときのポイントとして、自分や自分の子供が食べてもいいと思えるレベルで探してくださいとお伝えしています。自分の口に入るのが嫌なものは、わんちゃんにも食べさせたくないですよね。ペットフードを選ぶとき、見直すときにぜひ参考にしてください。

＜参考文献＞

・添加物使用した犬用おやつに「無添加」誤表示　リコールプラス

・病院感染が疑われたサルモネラO7群による複数感染

・ペットフードのサルモネラ汚染によるイヌの健康被害が発生　酪農学園大学　動物薬教育研究センター

・組合員の皆様へ：ペットフード「犬・猫用ササミ姿干し無塩」ペットへの健康被害に関する調査結果とお詫び

・サルモネラ汚染の可能性のある輸入ペットフードの自主回収情報

・愛がん動物用飼料の基準・規格の設定

・ロイヤルカナンの韓国製造はいつから？ 2018年の最新状況!　中央日報

・｢国産が一番安全だ｣と妄信する日本人の大誤解　プレジデントオンライン

・健康な「食」を届けたいだから「はりま」を育てます！【秋川牧園】

・遺伝子組み換え食品の現実　東京都行政書士会

・遺伝子組換え農作物の現状について　農林水産省

・日本人だけが知らない汚染食品~医者が教える食卓のこわい真実　内海聡（著）, くらもとえいる（著）

＜画像元＞

無料写真素材写真AC

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いらすとや

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Unsplash

Pixabay

この記事を書いた人
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伊藤さん

・倉敷芸術科学大学生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会　動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。