徐々に夏の暑さも和らいでくる秋口。
世間では夏バテと同じ意味合いを持つ『秋バテ』にも要注意!といったニュースが流れたりしますが、実はその『秋バテ』は、犬にも見られることがあります。
そこで今回は、愛犬が『秋バテ』気味になる前に。
『秋バテ』予防に最適な旬の食材4選をご紹介します。合わせて栄養効果やトッピングする時の調理法も解説しますので、気になる方は是非参考になさってくださいね!
<目次>
犬の『秋バテ』のおさらいと注意点
犬の『秋バテ』予防のオススメ食材をご紹介する前に、犬の『秋バテ』のおさらいと、予防食材を与える際の注意点を、最初に少しだけお伝えしておきます。
まず、犬の『秋バテ』とは、寒暖差が原因で起こる自律神経の乱れや夏の疲れによる食欲不振・だるさなどの症状のことを言います。
本来、犬は季節の移り変わりを日照時間や気温の変化で把握していたため、暑い夏から涼しくなる秋の気温の変化には、徐々に体を慣らしていくことによって適応することが出来ていました。
しかし現在では、多くの飼養されている犬が一年中ほぼ寒暖差のない室内で過ごしているため、寒暖差に対する耐性が弱いと自律神経に乱れが生じてしまい、『秋バテ』になる可能性があるのです。
以下の記事では『秋バテ』に関する症状や内容を、より詳細に紹介しています。
気になる方は、ぜひこちらも参照してみてください。
▼【合わせて読みたい!こちらの記事もオススメです】
夏から秋の季節の変わり目に気を付けたい「秋バテ」って?犬の不調や病気、健康管理について
>https://www.inutome.jp/c/column_7-140-41769.html
『秋バテ』予防食材を与える際の注意点
さて、犬の『秋バテ』を予防するのに与えたい旬の食材に対する注意点は、ズバリその食材に含まれている栄養素及び、与え方に対する知識不足や危険性を軽んじることです。
旬の食材はとても栄養価の高い様々な食材が豊富に出回りますが、それらの多くは基本的に食物繊維を多く含む食材でもあります。
与え過ぎによる消化器への負担、下痢や嘔吐などには最善の注意を心掛けましょう。また、栄養素についてもシュウ酸(サツマイモなど)が食材に含まれていれば、腎機能障害を持ち合わせる犬や尿石症を持ち合わせる犬には配慮する必要がありますし、仮に生食OK(魚類など)の食材であった場合にも、状況によっては適切な加熱処理が必要になるため、要注意です。
では、こうした注意点を踏まえた上で、『秋バテ』予防に最適な食材4選には何があるのでしょうか?
一つずつ確認していきましょう。
『秋バテ』予防オススメ旬食材①:サツマイモ
秋になると無性に食べたくなってくるサツマイモは、犬の『秋バテ』予防にとても最適です。
サツマイモは東洋医学の観点から見ると胃の機能を助け、消化吸収の促しや食欲増進の手助けをしてくれます。
また、『秋バテ』して起こってしまう肺機能の低下や免疫機能の低下の改善にも効果的なので、購入した際には愛犬にも与えてあげると良いでしょう。
サツマイモの栄養効果
サツマイモの主な主成分は炭水化物で占めているのが特徴ですが、それ以外にもカリウムや不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
また、βカロテンやビタミンB1、B2、C、Eなどの栄養価にも富んでいるため、むくみや便秘、食欲不振などに効果が期待できます。
サツマイモをトッピングする時の調理方法
サツマイモの栄養素の中にはシュウ酸も多く含まれているため、シュウ酸が残ってしまいやすい蒸かしや電子レンジの調理法ではなく、水から茹でる調理法(65℃~75℃が目安)で、あげる直前にはサツマイモを角切りにして与えてあげると良いでしょう。
特に一度尿石症を患ったことがある愛犬や尿石症になりやすいと言われている犬種(ダックス・フンドやミニチュア・シュナウザー、シー・ズー、パグなど)、腎機能に不安がある愛犬については、与える量を制限するか、与えない方が無難なため、調理方法には十分気を付けて与えてあげましょう。
『秋バテ』予防オススメ旬食材②:リンゴ
秋頃から旬を迎えるリンゴは、サツマイモ同様愛犬が好む秋の食材で、『秋バテ』予防にもとても最適です。
リンゴは、その栄養素の効果から体の熱を冷まし、肺を潤すと東洋医学では言われており、リンゴが持つ甘みと酸味は、薬膳用語では「酸甘化陰」と言われます。これは、「甘みと酸味の両方を摂れば陰(体液)になる」という意味合いを持っていて、身体の乾燥予防に役立てられるとされています。
リンゴの栄養効果
リンゴには整腸作用のある水溶性食物繊維であるペクチン、利尿作用の働きがあるカリウム、リンゴの赤い色素を作り出しているポリフェノール、効率良くエネルギー源と変わることが出来るブドウ糖や加糖などが豊富に含まれています。こうした栄養素は、下痢や嘔吐、便秘、消化不良、食欲不振などに効果的です。
また、メンタル面での不安解消などにもリンゴは効果を発揮してくれるため、ストレスを抱えてしまっている愛犬に特にオススメな食材と言えるでしょう。
リンゴをトッピングする時の調理方法
リンゴを愛犬の食事のトッピングとして与える時には、整腸作用効果のあるペクチンなどを生かすためにも皮ごとすり下ろして与えてあげると良いでしょう。
ただし、リンゴの場合は残留農薬が多く使われている果物でもあるため、減農薬または無農薬でない時には、念のため皮をむいて愛犬に与えるよう注意しましょう。
『秋バテ』予防オススメ旬食材③:カツオ
春に食べられる初ガツオと秋に食べられる戻りガツオは、犬の『秋バテ』予防にとても最適な食材です。
戻りガツオは東洋医学の観点からでは、泌尿器系のトラブルや生命力の源である精力を蓄える効果の手助けに役立てられます。
カツオの栄養効果
カツオはたんぱく質を豊富に含み、血液サラサラ成分のEPA(エイコサペンタエン酸)や脳の活性化成分のDHA(ドコサヘキサエン酸)、うまみ成分のイノシン酸も豊富に含みます。
また、血合いにはビタミンB12、ナイアシン、鉄、タウリンなどが多く含まれているため、食欲の減退や疲労、不眠、被毛の乾燥などがある際に、特に効果を期待できます。
さらに、カツオなどの赤身魚はトリプトファンも豊富に含んでいるため、自律神経の乱れにも効果を発揮してくれます。
カツオをトッピングする時の調理方法
カツオを愛犬の食事のトッピングとして与える際には、煮るのであれば煮汁ごと与え、油で焼くのであれば、少量のオリーブオイルなどで焼くと、ビタミンDの吸収率がアップするのでオススメです。
ただ、カツオは加熱し過ぎてしまうとパサパサになったり、せっかくの栄養価が低減してしまうため、油で焼く場合には特に中心部までしっかりと焼くのではなく、余熱で火を通すように気を付けましょう。
なお戻りガツオ(秋)の場合、初ガツオよりも約12倍以上の脂質を含むとされているため、肥満気味の愛犬などは与える量に注意しましょう。
『秋バテ』予防オススメ旬食材④:エノキ
実は秋から冬にかけてが旬のエノキタケ。
『秋バテ』予防食材のエノキは、東洋医学の観点からでは、サツマイモ同様、胃の機能に関係する症状を手助けしてくれます。
また、免疫力の向上や疲労回復などにも効果を発揮するため、購入した際にはぜひとも愛犬にも食べさせてあげると良いでしょう。
エノキの栄養効果
エノキには、疲労回復などに効果的なビタミンB1がキノコ類において最高値を誇っている秋の旬食材です。
また、他にも食物繊維、ナイアシン、カリウム、リン、βグルカン、GABAなどが豊富に含まれているため、便秘の解消や体力維持、免疫力アップ、ストレス軽減などが期待できます。
さらに、エノキタケエキスに含まれるキノコキトサンは、がんの予防になることも期待されています。
エノキをトッピングする時の調理方法
エノキを調理し、愛犬にトッピングとして与える時には、細かく刻むかフードプロセッサーでペースト状にした後しっかりと茹でた上で煮汁ごと与えると良いでしょう。
エノキをペースト状にして茹でた際には、その煮汁ごと製氷機などで凍らせて、使用する時に都度解凍すれば、いちいちペーストにする手間が省け、また、簡単に『秋バテ』予防に役立てることが出来ます。
まとめ
犬の『秋バテ』予防に最適な食材には、他にもβカロテンや食物繊維、ビタミンEが豊富で、犬にも多く好まれるかぼちゃが、疲労や胃の機能低下に役立ちます。
また、レンコンやサケなどの食材も、倦怠感や疲労、下痢、貧血などに効果的で『秋バテ』対策に役立てることが出来ます。
ただ、こうした食材は当然のことながら与え過ぎには注意しましょう。
昨今は犬や猫に対して、添加物の極力入っていない、飼い主さんご自身で調理した手作り食を愛犬たちの主食としている場合も多いと思います。
しかし、そうした場合には特に栄養過多や逆に栄養不足にならないよう、常に愛犬の栄養要求量には配慮する必要があります。
『秋バテ』は夏バテ同様、ある種の一過性である場合も少なくありません。そのため、そうした場合にはちょっとしたトッピングを駆使することで、愛犬の『秋バテ』対策を心掛けてあげましょう。
<参考書籍>
愛犬のためのホリスティック食材事典
スープストックで手軽に続けられる体によい食事 犬ごはんの教科書
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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