人の食べ物でも犬のおやつでも、品質を損なわないために入っている乾燥材。
基本的に乾燥材は色々な物に入っているため、食いしん坊なワンコだと、あわや誤飲しそうになった!なんて経験をした飼い主さんも少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、犬が乾燥材を口にしてしまった時の種類別の危険性や正しい対処法について、ご紹介します。
種類別の危険性の有無や対処法を知って、いざという時の参考にしてみてくださいね。
<目次>
犬による乾燥材の誤飲件数は意外に上位⁉

犬にとって異物の誤飲件数というのは、2022(令和4)年度にアニコム損害保険株式会社(所在地:東京都新宿区 代表取締役:野田 真吾氏)の犬・猫統計で、以下のようなデータが公表されています。
▽『犬・猫の誤飲による診療件数の月別推移』
このデータは、あくまで種類を問わず取った統計のため、乾燥材という枠組みではありません。
しかし、それを除いても2022(令和4)年度だけの統計であっても、犬で起こってしまった誤飲件数はこの1年だけで合計46,155件にも及びます。
また古いデータではあるものの、2011(平成23)年度に同社が犬猫の誤飲件数統計を取ったものでは、冬に誤飲した異物別での犬の頭数データが発表されています。そこには冬だけでの統計だと思われますが、乾燥材での誤飲をした犬が40頭報告されていることから、意外にも乾燥材は犬の誤飲事故で多いということが窺えます。
▽『異物別での犬の通院頭数』
犬による乾燥材の誤飲は、決して多いというものではありませんが、珍しいものという訳でもありません。
身近に存在するものだからこそ、好奇心旺盛だったり、食いしん坊だったりする愛犬の場合には、特に注意するよう心掛けましょう。
乾燥材の危険性と種類の違いとは?

犬が乾燥材を誤って誤飲してしまう前に、まず知っておきたい事にズバリ、その乾燥材の危険性と種類が挙げられます。
乾燥材には主に食品に使われるもの、除湿剤や融雪剤に使われるものなど様々のため、一口に乾燥材と言っても、使われている中身はものによって違いがあります。
愛犬のいざという時のためにも、まずは乾燥材の中身の種類を確認しておきましょう。
シリカゲル
シリカゲルは、無色透明なビーズ状のもので、私たちが普段口にするクッキーやお菓子などに良く入っているものです。
原料は主に二酸化珪素で作られており、一度吸湿すると放湿には150℃以上の高温を要するA型と吸湿しても常温で放湿できるB型があると言われています。
一般的にシリカゲルの中毒性は低いとされており、愛犬が、万が一口にしてしまったとしても、その量が例えば1kgあたり15g以下であった場合には、危険性はほぼありません。
生石灰
生石灰は、白色の粉末状または塊生石灰(酸化カルシウム)で出来ている乾燥材です。主に海苔やおせんべいなどの食品やお菓子に良く入っています。
このタイプの乾燥材は、水または空気中の水分を吸収すると消石灰(水酸化カルシウム)となって、熱を発する特徴を持ち合わせているため、一番危険性が高い乾燥材とされています。
発熱した乾燥材は、口腔内や食道、胃の火傷の危険性があるため、このタイプの乾燥材があった際には愛犬が誤って口にしないよう、高い場所に必ず保管するよう心掛けましょう。
塩化カルシウム
塩化カルシウムは、生石灰同様白色の粉末状または塊状で出来ている乾燥材です。主にタンスや靴箱の除湿剤として用いられることが多いものです。
塩化カルシウムの毒性はそこまで強くなく、味も苦いとされています。ただし、犬が誤って口にしてしまった場合には、下痢や嘔吐、吐き気、腹痛、出血などの症状が見られる場合があります。
塩化カルシウムの乾燥材は、生石灰の乾燥材と比べてそこまで熱を発するものではないと言われていますが、生石灰同様危険性があることに違いはないため、最善の注意を怠らないよう心掛けてください。
エージレス
あまり聞き慣れないエージレス(脱酸素剤)は、お饅頭や生菓子、また、ペットのおやつのジャーキーなどに良く入っているものです。
厳密に言えば乾燥材ではないものの、原料が主に鉄材とビタミンCなどから作られているエージレスは、公的機関による急性毒性試験でも、安全性が確認されていることから、万が一愛犬が誤飲してしまったとしても体内には無害なので、危険性はありません。
ただし、袋ごと食べてしまった場合には腸閉塞などの危険性があるため、愛犬の様子に問題がなかったとしても、動物病院は受診しましょう。
愛犬が乾燥材を食べた時に吐かせてはNG?

愛犬が乾燥材を誤って食べてしまった場合、すぐにでもその乾燥材を吐き出させなければと焦ってしまいますが、場合によってはその行動を起こしてしまうことで、状況が悪化してしまうケースがあるため、注意が必要です。
特に上記でご紹介した生石灰タイプの乾燥材と塩化カルシウムの乾燥材では、催吐処置は禁忌とされ難しいとされています。
また、ペットのおやつなどに用いられる乾燥材も、そこまで危険性はないとはいえ、基本的に食べ物を噛まずに丸呑みできてしまう犬の食性では、包装紙を千切って中身だけを器用に舐めたり食べたりということは、犬の誤飲では考えづらい状況でしょう。
応急処置として、大量のお水を飲ませたりする方法もあるにはありますが、そういった場合には、犬の大きさやその時の状況、また、それとは別に愛犬を水中毒にさせないための専門的知識などが必要となってきます。
そのため、犬が誤飲してしまった際には、無理に愛犬の口にしてしまった物を吐かせようとするのではなく、まずはかかりつけの動物病院に連絡して、適切な処置を施してもらいましょう。
愛犬の乾燥材誤飲をさせないためにできること

犬にとって食べられるおやつと乾燥材の違いを判断する事は当然できないため、飼い主さん自身が気を付けてあげなければいけません。
ここでは、愛犬の乾燥材誤飲をさせないためにできることを2つご紹介します。
▼【犬の乾燥材誤飲を防ぐためにできること】
・愛犬の手の届かないところに保管する
・ゴミ箱は愛犬が開けられない状態にしておく
愛犬の手の届かないところに保管する
ありきたりな方法にはなりますが、愛犬に乾燥材の誤飲をさせないためにできることの一つ目は、やはり愛犬の手の届かないところに乾燥材が入っているものを保管する事です。
愛犬用に買ったおやつはもちろんのこと、人間用のお菓子なども愛犬の手の届かないところに保管すれば、まず誤飲に繋がることはありません。
ただ、それでも留守番中の愛犬の行動が心配だという場合には、愛犬にはケージに入ってもらって、イタズラされないような対応を心掛けましょう。
ゴミ箱は愛犬が開けられない状態にしておく
乾燥材が入っているものをゴミ箱に捨ててもゴミ箱の蓋がない場合、その乾燥材は犬がゴミを漁って食べてしまう危険性があります。
そのため、乾燥材を捨てる際には蓋つきのゴミ箱に捨てるよう意識し、ゴミ箱を愛犬が容易に開けられない状態にするよう心掛けると良いでしょう。
万が一愛犬がゴミ箱を倒してでも中身を漁ってしまうようなら、ゴミ箱は床には置かず、愛犬の手の届かないところに置きましょう。
そうすることで、乾燥材だけではなく愛犬が口にしてはいけない生ごみなどを食べてしまうリスクも、防ぐことができます。
それでも誤って愛犬が乾燥材を食べてしまったら…

気を付けていたのに、それでも誤って愛犬が乾燥材を食べてしまった場合には、まずは食べてしまった乾燥材の成分を確認しましょう。
乾燥材は、前述でも述べた通り種類によって、対処する方法が違います。
愛犬が乾燥材を誤って食べてしまった時には、まずはいち早く乾燥材の成分を確認し、それが生石灰や塩化カルシウムだった場合には、すぐにかかりつけ医のいる動物病院に連絡しましょう。
逆に乾燥材の成分がシリカゲルまたはエージレスだった場合、その時には中身だけを食べてしまっているのか、そうではなく袋や包装紙ごと食べてしまっているのかを確認します。
その上で、もしも愛犬が中身だけを口にしたような場合には、水を飲ませて一旦様子を窺がっても良いでしょう。
しかし、中身だけなのか袋や包装紙ごとなのか判断が付かないような場合には、愛犬の症状の有無に関わらず30分を目途に動物病院に連絡し、診察を受けましょう。
犬は乾燥材に限らず、色々なものを誤飲してしまいやすい動物です。
そのため、普段から犬が口にすると危険なものは、なるべく愛犬の手の届かないような所に保管し、万が一誤飲をしてしまうようなことがあった時には、迷わず動物病院に連れて行ってあげてくださいね。
<参考サイト>
乾燥材の誤飲
>https://www.fpa.or.jp/library/kusuriQA/32.pdf
犬・猫の誤飲|アニコム損保
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202412_2_3.pdf
~犬の異物誤飲に関するアンケート調査を実施、人の乳幼児の誤飲事故と同様の傾向も~ 冬場は犬の異物誤飲事故が増加、12月が最多|アニコム損保
>https://www.anicom-page.com/hakusho/statistics/pdf/20111221.pdf
<画像元>
Canva
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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