春や秋の花粉が舞う季節になると気になるのが、アレルギー疾患ではないでしょうか?特にアレルギー疾患を持ちやすい犬種の場合、発症前からアレルギー検査は受けた方が良いのか、悩みどころですよね。
そこで今回は、今まさに健康診断シーズン真っ只中の秋に考えておきたいアレルギー検査について、その主な方法や受けるべき目安、注意点などをご紹介します。
大事な愛犬がアレルギーで苦しむことがないように、気になる方はぜひ最後までお付き合いください!
そもそもアレルギーって?

私たちが普段何気なく使っているアレルギーという言葉、この“アレルギー”とは、そもそも何なのでしょうか?
一般的にアレルギーとは、本来であれば無害な物質(アレルゲン)に対して、体に備わっている免疫機能が過剰に反応してしまうことで起こる症状を言います。
犬にも人にも備わっているこの防御システムは、通常であれば必要な作用です。
この防御システムが働いてくれるおかげで、動物の体に侵入してくる異物、あるいは病原菌を排除することが出来ます。
しかし、このような防御システムが、ある特定の物に対して過剰に反応してしまった時には、痒みや赤み、発疹といった症状となって、表れることがあります。
この症状こそが、「アレルギー」です。
アレルギーには、非常に多くの物質と関連性があり、アレルギー反応を起こす原因となるものを特定しない限りは、その改善を図ることは基本的に困難とされています。
特に犬の場合、人と違って口が聞けない分、単なる湿疹や蕁麻疹、膿皮症やアレルギー性皮膚炎、内分泌性皮膚疾患に該当する『非寄生性皮膚疾患(内因性)』と、疥癬症や耳疥癬症、毛包虫症(アカルス)、ノミアレルギー性皮膚炎に該当する『寄生性皮膚疾患(外因性)』を区別するには、動物病院でのアレルギー検査で正確なアレルゲンを特定する必要性が生じます。
動物病院のアレルギー検査方法の主な種類

それでは、動物病院で行われるアレルギーの主な検査方法の種類をここでは見ていきましょう。
犬のアレルギーの有無を調べるために使われる検査方法には、主に以下のような4つの種類が挙げられます。
アレルゲン特異的IgE検査
アレルゲン特異的IgE検査は、血液中のIgE抗体(免疫グロブリンの一種)が、特定のアレルゲン(ハウスダストや花粉、カビなど)に反応するかを調べる検査です。
アレルゲン特異的IgE検査のIgE抗体は、基本的にそれぞれのアレルゲンに対して特異的に作られる抗体のため、現在最も一般的に使われている方法です。例えば春や秋の季節に花粉やハウスダストなどの接触性アレルギーで、痒みや赤みが皮膚に表れている場合、その症状を改善させるためにアレルゲン特異的IgE検査が用いられます。
検査の仕方としては採血のみで行われることが多く、検査項目も40項目と多岐に渡るため、大まかなアレルゲン反応を知りたい場合に重宝します。
リンパ球反応試験
リンパ球反応試験は、主に食事中に含まれるたんぱく源に反応していないかどうかを調べます。
IgE検査では判明しない食物アレルギーを特定する方法として用いられ、愛犬の血液中のリンパ球とアレルゲンを混ぜて培養することで、リンパ球の反応を測定、活発化が見られればその食物へのアレルギーの可能性が高いと判断されます。
食物アレルギーが原因で愛犬に痒みや赤みが表れている場合、その約7割はIgEを介さない反応だと言われており、IgE検査だけでは特定が困難な場合やさらに詳細な検査が必要な場合には、この方法が用いられます。
除去食試験・食物負荷試験
除去食試験と食物負荷試験は、食物アレルギーを特定するために用いられる基本的な検査方法です。
まず、除去食試験ではそれまで食べていたフードをすべて除去し、病院が提供する療法食を一定期間(約1~2か月)与えて、アレルギー症状の緩和が見られるかどうかを調べます。その後、療法食以前に食べていたフードを再び与え、どの食物がアレルゲン反応を示すのかの特定を図ります。
ただし、この方法は長い時間や飼い主さんの根気が必要になり、期間中は決められたフード以外を与えない飼い主さん自身の強い意志も必要です。
アレルギー強度検査
アレルギー強度検査は、血液中のリンパ球の値を見て、体内で起きているアレルギー反応の強度を評価する検査方法です。
この検査では、血液中の特定のリンパ球の割合を測定したり、皮膚炎のアレルギー反応の原因が非アレルギー性かそうでないかの区別をしたり、アレルギーの重症度を把握して治療方針の判断に役立てたりするのに用いられます。
アレルギー検査を受けるべき目安はある?

犬へのアレルギー検査を検討する場合、その検査を受けるべき基本的な目安は存在するのでしょうか?
結論から申し上げれば、大切な愛犬に、ある日突然発疹や痒み・赤みなどが現れ、ツラそうに頻繁に皮膚を掻いたり齧ったり、あるいは舐めたりしている場合には、基本的にはそれがアレルギー検査を受ける目安になります。
ただし、環境中からくるアレルギーであれ、食物中からくるアレルギーであれ、アレルギーの原因というのはいつどんな時に発症するかは分かりません。
そのため、厳密な分け方で目安を知りたい場合は以下の時期を目安に、愛犬のアレルギー検査を受ける検討を心掛けると良いでしょう。
食物アレルギー
食物アレルギーが原因して起こるアレルギー症状の場合は、通年(1月~12月)を通して検査の目安時期となります。
食物アレルギーが起こってしまう原因は、主に食材のたんぱく源に犬の体が反応して起こってしまう症状のため、例えばフードの種類を変えた時に、体に合わず発症することは珍しくなく、季節とは直接関係しません。
年齢に合わせて切り替えを行なったり、また、ローテーションの最中にある特定のフードの時だけ症状が見られたりするような場合には、診られた段階でアレルギー検査の検討をすると良いでしょう。
マラセチア・膿皮症
犬の皮膚の常在菌であるマラセチア酵母菌やブドウ球菌などが原因で起こるアレルギー症状の場合は、梅雨時期の5月後半頃~夏頃にかけて、検査の目安時期とすると良いでしょう。
というのも、マラセチアや膿皮症がアレルギー症状の原因だった場合、それら症状が最も悪化する時期が、梅雨~夏場にかけて多いからです。
アレルギー疾患の多くは人の花粉症などの検査でもそうですが、最も症状が出ている時ほど判断しやすいものです。
梅雨~夏場に頻繁に皮膚を掻いたり舐めたりしていた場合、皮膚の状況を逐一観察しつつ、合わせてアレルギー検査の検討を心掛けると良いでしょう。
アトピー性皮膚疾患
花粉やハウスダスト、カビといった環境中が原因で起こったアレルギー症状が見られた場合、春または秋が検査目安となります。
花粉やハウスダスト、カビといった環境中に舞いやすいアレルゲン物質の多くは、一般的に春や秋に多く飛散し、また、それによって愛犬がアレルギー反応を引き起こしてしまう機会が多くなります。
そのため、環境中が原因で愛犬が皮膚の痒みや赤みなどを訴えている場合には、最も危険性が高くなる春または秋にアレルギー検査の検討をすると良いでしょう。
ただし、例外としてカビだけは梅雨の時期にも繁殖しやすいため、『春・梅雨・秋』のこの時期にアレルギー検査を検討して良いでしょう。
アレルギー検査を受ける場合の注意点

犬にアレルギー検査を受けさせる場合、愛犬の状態を正確に伝えるためにも、以下のポイントに注意しましょう。
▼【アレルギー検査を受けるための注意事項】
・愛犬の日頃の状態の把握
・症状の発現時期や状況のメモの持参
・日常使用している物の持参
・動画や写真など状況が分かる物の持参
愛犬にアレルギー検査を受けさせる場合、日頃から使用している物や食べさせている物、排便・排尿の状態や回数は、アレルギー疾患原因の特定に欠かせません。
また、この他にも、例えば別の動物病院に救急でかかって事前に処方されている薬があるなら、その情報は行きつけの獣医師さんに忘れず共有することも大切です。
犬のアレルギー検査は、日常を問題なく生活している分には、必ずしも必要とはなりません。
しかし、人でも大人になって突然花粉症などを発症してしまうことがあるように、犬も突然何かしらが原因のアレルギーの発症を起こしてしまうことがあります。
そして、それがもしもアレルギー体質になりやすい犬種だった場合には、そうでない犬と比べて一度検査をしていても別のアレルゲン物質によって、新たなアレルギー反応を引き起こしてしまうことも珍しくないため、詳細な情報を獣医師さんに伝えられるようにするためにも、最低でも上記4つのポイントは押さえておくと良いでしょう。
まとめ

今回は、犬にとってのアレルギー検査についてご紹介しました。
愛犬がアレルギーに苦しんでいる姿を見るのは、飼い主さんにとっても負担は大きいものです。筆者も2代目シェルティそらの時には、愛犬自身が食物アレルギーやマラセチア皮膚炎、アトピー性皮膚炎といった多くの皮膚疾患をもっていたため、大変悩まされました。
一度皮膚疾患を起こしてしまうと根治に至るのは難しいものではありますが、気になるような症状が見られるような時には、すぐにでも獣医さんに相談しましょう。
<参考サイト>
みんなのどうぶつ病気大百科
>https://www.anicom-sompo.co.jp/doubutsu_pedia/node/1422
<画像元>
photoAC
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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