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愛犬に服を着せる派?着せない派?犬服のメリット・デメリット【動物看護師が解説】

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犬に服を着せることに関して、どんなイメージを持っていますか?

「犬に服を着せるなんてかわいそう」「犬に服なんかいらない」など、犬に服を着せることに関してネガティブな意見もよく耳にします。

では、犬に服を着せることにメリットは全く無いのでしょうか。

今回は、「犬に服を着せるメリット・デメリット」や「犬に服を着せるときの注意点」を解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

犬に服を着せる人の割合は?

まず、犬に服を着用させている飼い主さんは、どのくらいいるのでしょうか。

少し古いデータになりますが、「博報堂生活総合研究所」が2009年に調査した「ドッグウェア着用実態」によると、下記のような結果となりました。

▼首都圏・阪神圏における散歩時のドッグウェアの着用率

・首都圏44% / 阪神圏38% (首都圏の方が着用率が高い)
・小型犬48% / 大型犬15% (小型犬の方が着用率が高い)
・女性48% / 男性35% (女性の飼い主方が着用率が高い)

首都圏でも阪神圏でも4割近くの方が「犬に服を着用している」という結果になりました。

また、大型犬よりも小型犬の方が、男性の飼い主より女性の飼い主の方が、犬に服を着用させている傾向が高いという結果がでました。

首都圏でも阪神圏でも4割近くの方が犬に服を着用させていると考えると、日常的に犬に服を着せている方は意外と多いのですね。

では、どういった目的で犬に服を着せているのでしょうか。

着用理由を飼い主さんに聞いたところ、下記のような回答が得られました。

▼犬に服を着せる理由
・寒さ対策で着用している
・汚れを防止するため
・毛並みの乱れを隠したいから
・犬の個性を表現したいから
・他の方との会話のきっかけになるから

寒さ対策や汚れを防止するといった機能面を求めて服を着用させている方もいれば、ファッション性やコミュニケーション面を気にして服を着用させている方もいるようです。

飼い主さんによってさまざまな着用理由があると思いますが、実際のところ犬に服を着せるのはどうなのでしょうか。

次は、犬に服を着せる「メリット・デメリット」をみていきましょう。

犬に服を着せるメリット・デメリット

犬に服を着せると「かわいそう」「嫌がってるんじゃないの」といった批判的な意見も多く耳にしますが、犬種や犬の状態によっては犬側にも多くのメリットがあります。

その半面、デメリットももちろんあるので、一方ばかり注目するのではなく、メリットもデメリットも把握しておくことが大事です。

犬に服を着せる「5つのメリット」

▼犬に服を着せる「5つのメリット」
①術後の傷のケア
➁皮膚を保護する
➂汚れを防止する
④暑さ・寒さ対策
➄毛並みを隠せる

①術後の傷のケア

術後は傷口を舐めないように「エリザベスカラー」をよく首に巻かれます。

傷口はガードできますが、重さもあり動きが制限されるので、嫌がる子も多いです。

そんな場合に「エリザベスウエア」という術後服を着せることがあります。

服を着用することで動きを制限せずに、傷口を保護することができます。

➁皮膚を保護する

服を着せると露出部分が少なくなるので、散歩中にマダニや蚊からの吸血のリスクを下げることができます。

また夏場などの紫外線が強い時期は、服を着用することで紫外線から皮膚を保護することもできます。

特に毛の色が白い犬や淡い犬は紫外線の影響を受けやすいですし、皮膚病がある子は敏感になっている部分を紫外線にさらすことによって、炎症がひどくなる可能性があります。

➂汚れを防止する

雨の日にお散歩に行くと雨水の跳ね返りなどで、汚れが付きやすいですね。

ですが、頻繁に足や体を洗って乾かすのは、犬の皮膚にとってよくありません。

レインコートなどを着用すれば、汚れを最小限にすることができますし、飼い主さん側の負担も減らすことができます。

また、花粉の付着や植物の種の付着も減らすことができます。

花粉は犬にとってもアレルゲンになりますし、植物の種が毛に絡まると毛玉の原因にもなります。

④暑さ・寒さ対策

防寒用の毛が少ないシングルコートの犬や短毛の犬、シニア犬などは寒さに弱いので、服を着ることで防寒対策をすることができます。

また人より地面に近いところを歩く犬達は、夏場はアスファルトの熱にさらされやすいです。

地面からの照り返しで火傷したり、熱中症にかかる危険もあるので、冷感素材の服を着ることでリスクを下げることができます。

➄毛並みを隠せる

皮膚病にかかったり年齢が高くなると、毛並みが乱れたり毛が薄くなることがあります。

毛や皮膚はどうしても人の目にふれる場所なので、ジロジロ見られたり心無い声をかけられることもあります。

服を着ることで気になる部分をカバーすることができます。

犬に服を着せる「4つのデメリット」

▼犬に服を着せる「4つのデメリット」
①犬側のストレスになる
➁毛玉ができやすい
➂皮膚病になるリスクがある
④服の装飾品を誤飲する危険がある

①犬側のストレスになる

服を気慣れていない犬の場合、服の圧迫感や動きにくさに違和感を感じて、ストレスになってしまうことがあります。

➁毛玉ができやすい

犬が動くと服と毛が擦れるので、毛玉ができやすいです。

とくに長毛の犬の場合、毛が絡まりやすいので定期的なブラッシングが必要になります。

➂皮膚病になるリスクがある

毛の上を常に何かで覆っているという状態は通気性が悪いので、皮膚病をまねく恐れがあります。

また、先ほど服と毛が擦れると毛玉ができやすくなるとお話ししましたが、毛玉は汚れが溜まりやすく皮膚の通気性も悪くするので、これも皮膚病をまねく恐れがあります。

④服の装飾品を誤飲する危険がある

ファッション性が高い服には、リボンやボタンなどがついていることがありますが、犬が気にして引きちぎったり、劣化で取れてしまうと犬が誤飲する危険があります。

犬に服を着せるときに注意したい3つのこと!

犬が服を着ることに関して「メリット」も「デメリット」もそれぞれあることがお分かり頂けたと思います。

それでは、犬に服を着せるときはどのような事に注意すれば良いのでしょうか。

ポイントを「3つ」にまとめました。

▼犬に服を着せるときの注意点3つ
①着せっぱなしにしない
➁過度な装飾は控える
➂犬の動きを制限させない

①着せっぱなしにしない

人には化粧をしない日を作って皮膚を休息させるという考え方がありますね。

犬にとっても皮膚を休ませる時間を作ってあげるのは、皮膚の健康のために重要なことであると考えられています。

服をずっと着せていると、ずっと皮膚を圧迫しますし、通気性も悪くなります。

皮膚病予防のために、ずっと服を着せたままにすることは避けましょう(術後服は傷口を保護する目的なので抜糸まで着せたままでもOKです)。

➁過度な装飾は控える

ファッション性の高い服は見ていてとても可愛らしいですが、装飾品が多ければ多いほど誤飲のリスクが高くなります。

飾りが無くなっていないか定期的にチェックすると共に、誤飲リスクを減らすために装飾が少ない物を選ぶと良いでしょう。

➂犬の動きを制限させない

体に合っていない服は、犬の動きを妨げるので犬が動かなくなったり、歩行に違和感が出できます。

そのまま着用を続けていると、体を傷める原因になるので、犬の動きに違和感があったら着せるのを止めましょう。

「犬に服を着せるのはかわいそう」とよく耳にしますが、必要に応じて短時間身に着けるなら犬にとってメリットも多いです。

ただ犬が嫌がっていないという事が大前提なので、愛犬の状態に応じて服を着せるか着せないか決めてあげてくださいね。

▼「コチラ」の記事もオススメです

<参考書籍>

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

<参考URL>

ドッグウェア着用実態観察定量調査
>https://seikatsusoken.jp/newsrelease/2966/

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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