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「ペットが起こした事故、最多は対人事故」よくある事例から学ぶ防止策は?【動物看護師が解説】

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「愛犬が他の人や犬に噛みついてしまった」こんな事故は絶対に起きてほしくありませんが、ペットが起こした事故を調べてみると、1年間で400件近く発生しています。

その中でも、人の体に障害を与えてしまう「対人事故」は一番多く発生しています。

そこで今回は、ペットが起こした事故の実態を紹介しながら、よくある事故事例と防止策も解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

ペットが起こした事故の最多は「対人事故」

下の図はペット保険のアニコム損保が発表した2020年1月から12月までに賠償責任が生じた事故の発生状況をまとめたグラフです。

▼事故の分類と発生割合(2020年1月1日~2020年12月31日まで)

発生割合を見てみると「対人事故」の割合が一番多く、次に「対物事故」が多いという結果になりました。

上の図は2020年のデータですが、2017年のデータも調べて見ると2020年と同じく対人事故が一番多く発生しており「対人事故206件」「対物事故115件」「対どうぶつ事故60件」という結果になっています。

2017年と2020年の比較しても、事故の発生割合がほぼ変わっていないことから「事故の中でも特に対人事故が起きやすいこと」「毎年多くの事故が発生していること」が推測できます。

事故を起こしたいと願っている飼い主さんは1人もいないでしょう。

しかし、これだけ多くの賠償責任を伴う事故が発生しているとなると「うちは大丈夫」ではなく「事故は起きるもの」と考えて備えておくことが大切です。

事故発生件数が多い犬種は?

では次に事故の詳細をみていきましょう。

下の図はアニコム損保が賠償責任事故のデータを集計し、犬種別にまとめた表です。

▼犬種別事故発生件数(2008年4月~2011年3月末まで)

対人や対物など全ての事故を含んだ数字だと「柴犬」がトップで、次に「ミニチュアダックスフンド」「トイ・プードル」の順になりました。

そして事故の区分を見ていくと、柴犬は「対人事故」が他の犬種より多く発生しており、ミニチュアダックスフンドは、「対人事故」だけでなく「対物事故」も多く発生していることがわかりました。

つまり、犬種によって起こしやすい事故の傾向があるという事が推測できます。

▼犬種ごとの事故区分

性格にもよりますが、柴犬やミニチュアダックスフンドは自我が強く警戒心も強い犬種です。

ぬいぐるみ感覚で無遠慮に触られたり近づかれると、嫌がって相手を攻撃してしまうことが考えられます。

またミニチュアダックスフンドやトイプードルなどの小型犬は、他の方のお家に遊びに行く機会も多いですね。

その際に「靴」や「服」をかじってしまったり「ソファーを傷つける」といった物を壊す事故が多く発生しているようです。

「この表に載っている犬種は危険」という風に捉えるのではなく、その犬の気質によって起こしやすい事故の傾向があるというのを知ったうえで、事故防止の対策を立てることが大切です。

▼犬種別の事故区分はこちらから確認できますので、興味がある方はご覧ください。
>https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2011/news_0110502.html

よくある事故発生状況と防止策は?

では、実際に起こるペット事故はどういったものがあるのでしょうか。

よくある事故の事例4つと防止策をご紹介いたします。

▼よくある事故事例4つと防止策
①玄関にきた宅配業者に噛みつく
➁散歩中のすれ違いで、相手に噛みつく
➂曲がり角の出会い頭で噛みつく、飛びつく
④リードなしやリードが外れて、他の人に噛みつく

①玄関にきた宅配業者に噛みつく

人は荷物を運んできてくれたと理解できますが、犬にとっては自分の縄張りに入ってきた侵入者です。

縄張りの外に追い返そうと、玄関に飛びだして噛みつく恐れがあります。

特にチャイムが鳴ると「ワンワン」吠えたてる子は要注意です。

今は吠えるだけかもしれませんが、吠えても相手が居なくならないとわかると、行動がエスカレートする可能性があります。

▼事故の防止策は?
部屋の出入り口や玄関前にペットゲートや柵を取り付けて、犬がすぐに玄関に出れないようにしましょう。
ちょっとした隙に犬がすり抜ける可能性もあるので、柵やゲートは二重に設置しておくと安心です。

➁散歩中のすれ違いで、相手に噛みつく

リードを長く持っていたり、通行人側に犬を歩かせていると、すれ違いざまに犬が噛みつく恐れがあります。

また、すれ違いざまに犬に触れようとする歩行者もいるので、警戒した犬が相手を攻撃してしまう場合もあります。

▼事故の防止策は?
リードは短く持ち、通行人との間には飼い主さんが入るようにしましょう。
また狭い道でのすれ違いになる場合は、先に相手に道を譲ったり、犬を道の端に寄せて飼い主さんが横に立つなどすれ違いざまに事故にならないように工夫しましょう。

➂曲がり角の出会い頭で噛みつく、飛びつく

曲がり角は見通しが悪く、植物などで死角ができている場合もあります。

そういった場所でロングリードを長く伸ばしていたり、犬に前を歩かせていると、出会い頭に事故を起こしてしまう場合があります。

▼事故の防止策は?
すぐに犬をコントロールできるようにリードは短く持ちましょう。
ロングリードは犬の運動が許可された広い場所で使用する際のリードなので、住宅街での散歩には向きません。
特に長くリードを伸ばしているといざという時に制御が効かないので、住宅街での使用は控えるようにしましょう。
曲がり角を曲がる際は、犬を飼い主さんの横か後ろにつけて、安全を確認したうえで曲がるようにしましょう。

④リードなしやリードが外れて、他の人に噛みつく

リードなしでの散歩や犬が暴れてリードを離したことが原因で事故を起こしてしまう事例は少なくありません。

犬が興奮して暴れるとついリードを強く引っ張りがちですが、リードと繋がっている首輪がすっぽ抜けてしまう場合もあります。

また、子供が犬の散歩をしている場合には、急に走り出した犬の力に負けて、リードを離してしまうこともあります。

▼事故の防止策は?
リードは相手だけでなく自分の犬の命を守る命綱でもあります。
安易にリードなしで外に出したり、手からリードを離すことは止めましょう。
また愛犬が他の犬や人に興奮する場合は、力ずくで引っ張るのではなく、手に持ったオヤツに集中させるなど力以外の方法で犬を落ち着かせる訓練をしましょう。
リードや首輪に破損がないかこまめにチェックすることも大切です。

「愛犬が他の人や犬を傷つける」という事は絶対に起こってほしくありませんが、事故は日常生活のいろいろなシーンに潜んでいます。

相手に与えた障害が重いと、多額の治療費や慰謝料が発生することもあります。

悲しい事故を起こさないために、今回ご紹介した事故事例と防止策をぜひ参考にしてみてくださいね。

<参考URL>

ペット賠償責任特約事故発生状況 アニコム損保
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201803_3.pdf

ペ ット 賠 償 責 任 特 約の事故発生状況
>https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_130422_2.pdf

ペット(犬)の賠償責任事故、保険金支払は平均10万円(対人)を超える!
>https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2011/news_0110502.html

<画像元>

Unsplash

写真AC

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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