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「その散歩、迷惑です!」マナーの悪い飼い主がよくしている犬の散歩4つ【動物看護師が解説】

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犬を飼うと必須になるのが毎日のお散歩ですね。

犬を連れてのお散歩となると、守るべき法律や配慮しなければならない事が人だけのお散歩よりもグッと増えますが、意外とマナーを守っていない飼い主さんが目立ちます。

もしかしたら、あなたが何気なく取っている行動はマナー違反かもしれません。

今回はマナーが悪い飼い主さんがよくしがちな犬の散歩を4つご紹介します。

どうすればマナー違反にならないのかも合わせてご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

マナーの悪い飼い主の散歩① 愛犬のお散歩前に家でトイレを済ませない

「散歩=排泄の時間」になっていませんか?

家で愛犬の排泄を済ませておかないと、家の外で排泄をすることになります。

犬に外で排泄をさせるのは、どんなマナー違反になるのでしょうか。

愛犬の排泄物をそのまま放置したら

軽犯罪法1条27では「公共の利益に反してみだりにゴミや鳥獣の死体その他の汚物または廃物を捨ててはいけない」と定められています。そのため、もし排泄物をそのまま放置した場合は、法律違反になり罰則が科されます。

愛犬の排泄物を片付ければ問題ない?

「排泄物を片付ければ問題ないのでは?」と思うかもしれません。でも、犬のお腹がゆるくなっていることもあるので、処理が難しいこともありますよね。

また、マーキングやおしっこを1匹の犬がすると、その匂いに誘発されて他の犬もその場所をトイレにしがちです。犬の尿は匂いが強いので、水で流したとしてもなかなか悪臭は消えません。

いくら処理はしていても、もし自分の家の前や周りが排泄物で汚れていたり、おしっこを流した水でビチャビチャになっていたとしたら「不快だなぁ」と感じてしまうのではないでしょうか。

▼マナー違反にならないためには?

では、マナーの悪い飼い主にならないようにするには、どうしたらいいのでしょうか。

一番良いのは、家で排泄を済ませてから散歩に行くことです。

しかし散歩前になっても排泄をしなかったり、外でしか排泄ができない犬もいます。その場合は、飼い主さんが排泄やマーキングをしても問題ない場所まで誘導して、排泄をさせるようにしましょう。

もし道路やお家の前で排泄をしてしまったときは、トイレシーツで尿を吸い取ったり、汚れをお水とブラシでこするなど、他の方が見たときに不快に感じないように処理をしましょう。

マナーの悪い飼い主の散歩➁ 愛犬が他の犬に吠えているのに止めない

散歩中、他の犬に「ワンワン」吠えかかっているというのもよく見かける光景ですね。この「吠えさせる」「吠え止ませることができない」というのも、違反行為です。

しかもこの「吠えさせる」という行為が自分の犬にも周りの犬にも悪影響を及ぼします。

愛犬が吠えているのに止めないのは違反?!

環境省が告示している「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 」では鳴き声は下記のように定めています。

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
犬の所有者等は、頻繁な鳴き声等の騒音又はふん尿の放置等により周辺地域の住民の日常生活に著しい支障を及ぼすことのないように努めること

犬は吠える生き物ですが、問題なのは吠え続けていることです。

道を歩いているのは犬が好きな方だけではありませんし、犬が好きだったとしても周りに住んでいる方は毎日のように繰り返される吠え声にうんざりします。

飼い主さんにとっては犬の声は日常でも、他の方にとっては騒音です。吠え止めるように犬をトレーニングをする必要があります。

吠え続けるのは愛犬にも悪影響

他の犬に吠えかかっているときは興奮して、リードをグイグイ引っ張っていることが多いですね。

引っ張るたびに首輪やハーネスが犬の首や肩に食い込み、犬は痛みや苦しさを感じます。興奮や痛みはストレスを生み出すきっかけになります。

つまりストレスを発散するために犬の散歩に出かけているのに、ストレスを与えて帰ってくるという状況を作り出してしまいます。

また、飼い主さんがコマンドを出しても飼い主さんに注目しない、吠えやめないという状況を繰り返すと「飼い主さんは無視してもいい存在」という学習を犬にさせていることと同じです。

学習は繰り返せば繰り返すほど強化されるので、言うことを聞かない犬を自分自身が作りあげてしまっていることになります。

犬が吠えるのは他の犬にも悪影響

一頭の犬が吠えると他の犬も一斉に吠え始めるといった光景をみたことはありませんか?

犬の興奮は他の犬にも伝染します。

先ほど興奮や痛みはストレスを引き起こすとお話ししましたね。つまりあなたの犬が吠えると、周りの犬にも興奮が移ってストレスを生み出すきっかけになってしまうということです。

また本来なら良い子で過ごせるはずの子も、周りに吠える犬がいると影響されてしまうので、叱らなくていい場面で犬を叱ることにも繋がってしまいます。

▼マナー違反にならないためには?

では、マナー違反にならないためにはどうすればよいのでしょうか。

犬を吠えさせないためにすること
・犬に反応する場合はそもそも犬に接近させない(例:脇道に入る、距離を取る)
・道幅が狭い道を散歩コースから外す
・犬が吠え始めたら犬の前に立つ
・オヤツで気をそらす

愛犬が吠えたり他の犬に反応し始めたら、犬の目の前に立ち、飼い主さんに意識を向けるようにしましょう。

犬の後ろに立って注意をしても、犬の意識は目の前にいる他の犬に向けられているので、飼い主さんの言葉は耳に入りにくいです。

効果のないコマンドで何度も注意をするよりも、犬の目線を遮って飼い主さんに意識を向けさせる、オヤツで気をそらす方が犬に「静かにしてほしい」という意思を上手に伝えることができます。

マナーの悪い飼い主の散歩➂ 犬友達が道路で集まる

道路で集まって立ち話をしている光景をよく見かけますが、こちらも違反行為です。

犬友達が住宅の前に集まって話すのはNG

先ほど「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」で「犬の所有者等は、頻繁な鳴き声等の騒音又はふん尿の放置等により周辺地域の住民の日常生活に著しい支障を及ぼすことのないように努めること」と定められているとお話ししました。

集まっている場所が住宅の前であれば、話し声や犬の吠え声が騒音とみなされます。

犬友達が道路で集まることの悪影響

他の犬に反応しやすい子の場合、犬が集まっていることでより反応しやすくなるので、周りの犬の散歩も邪魔してしまいます。

また道を通る人は犬が得意な方ばかりではありません。小さい子供を連れた親御さんであれば「子供に吠えられたり飛びかかられたらどうしよう」と不安になるでしょう。

飼い主さんが思っている以上に、道路に犬が集まっている状況は周りの人に威圧感を与えます。

▼マナー違反にならないためには?

散歩の時間は犬と向き合う時間にしましょう。

どうしても犬友達とお話ししたい場合は、公園のようにひらけた場所で短時間だけにして、他の方の通行や散歩を邪魔しないようにしましょう。

ただ、「東京都獣医師会」はコロナ感染防止の観点から散歩中の飼い主同士の立ち話は控えることを推奨しています。

愛犬のためにも自分が元気でいなくてはいけませんし、もし入院や自宅療養ということになっても感染者のペットを預かってくれる場所を探すのは非常に困難です。

マナーだけの問題ではなく、感染リスクを下げるという意味でも行動を考える必要がありますね。

マナーの悪い飼い主の散歩④ 愛犬を不用意に他の犬に近づける

「犬は犬と友達になりたがっている」「犬はどんな犬とでも仲良くなれる」と考えている方がいますがそれは違います。

飼い主さんが望んでいないのに、自分の犬を相手の犬に近づけるのもりっぱなマナー違反です。

なぜ愛犬を不用意に他の犬に近づけたらいけないの?

理由は「2つあります」

・犬同士にも相性があるから
・相手の犬のバックグラウンドがわからないから

犬同士にも相性があるから

人と同じように犬同士にも相性があります。

例えば臆病な犬に社交的な犬がグイグイ挨拶にいくと、「今は挨拶したくないのに」と臆病な犬が嫌な思いをしてしまいます。

また、飼い主さんが気づいて配慮してあげなければ「嫌なのに助けてくれない」と飼い主さんにも嫌な感情を抱いてしまいます。

自分の気持ちを優先させると相手の犬の心を傷つけてしまう可能性があるのです。

相手の犬のバックグラウンドがわからないから

あなたがふいに近づけた犬はもしかしたら、お散歩の練習中かもしれませんし、保護犬で初めてお外に出たのかもしれません。

外に出たての子は一度嫌な思いをすると、その先もずっとその思いを引きずりますし、お散歩の練習中であれば犬を興奮させる状況はよくありません。

相手の犬のバックグラウンドがわからないのに不用意に近づくと、知らないうちに相手の犬や飼い主さんに嫌な思いをさせてしまうことがあります。

▼マナー違反にならないためには?

愛犬を他の犬に接触させる前に必ず飼い主さんに許可をとるようにしましょう。

愛犬が相手の犬に興味があるからと犬の望むように行動させたり、「お友達がいるよ」と誘導するのはやめましょう。

相手の犬の興奮が激しかったり相手の飼い主さんが嫌がっている場合は、避けてあげるのもマナーです。

マナー違反の散歩の良くない点は気づかずに毎日繰り返してしまう事です。

マナーの悪い飼い主が増えると嫌な思いをする方も増えて、その地域で犬を飼うことができなくなったりルールが厳しくなるといったことが起きるかもしれません。

正しいお散歩方法を学ぶ場所はなかなかありませんが、この記事が少しでもお散歩マナーを考えるきっかけになることを願っています。

<参考書籍>

散歩でマスターする犬のしつけ術: 愛犬とより強い絆を築くために 田中雅織 (著)

ドッグ・トレーナーに必要な 「犬に信頼される」テクニック 

ヴィベケ・リーセ 藤田 りか子  (著)

<参考URL>

飼い主の皆様へ 東京都獣医師会
>https://www.tvma.or.jp/public/items/1-Q%EF%BC%86A.200709.pdf

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
>https://www.env.go.jp/hourei/add/r073.pdf

昭和二十三年法律第三十九号 軽犯罪法
>https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000039

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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