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愛犬がマラセチア性皮膚炎に!食事やシャンプーなど飼い主さんにできること【動物看護師が解説】

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愛犬を触ると、「ベタベタする」「酸っぱいような脂っぽいような匂いがする」「体をかゆがっている」といったことはありませんか?

そのような場合、もしかしたら「マラセチア性皮膚炎」になっているかもしれません。

愛犬がマラセチアと診断されたら、飼い主さんにできることは何でしょうか?

シャンプーや食事について、注意が必要な情報をまとめました。

犬のマラセチア性皮膚炎ってなに?

マラセチアはカビ(真菌)の一種で、健康な犬の皮膚にも存在する常在菌です。

普段は悪さをしませんが、何らかの原因でマラセチアが増え始めると、強いかゆみや皮膚に炎症を引き起こします。

これが「マラセチア性皮膚炎」です。

マラセチア性皮膚炎の症状
●ベタつき
●赤み
●かゆみ
●毛が抜ける
●べたつくフケやかさぶた
●慢性化すると、皮膚が黒くなる(色素沈着)
●慢性化すると硬い皮膚になる

カビの一種と聞くと人や犬同士で移ってしまうのではと心配になりますが、人には感染しませんし犬の場合はもともと菌を持っています。

マラセチアが増えているということは「増える原因」があるはずなので、それを探りましょう。

マラセチアが増える原因とは?

では、マラセチアが増える原因とは何でしょうか?

主な原因は大きく分けて2つあります。

①皮膚の抵抗力が下がっている
➁皮膚の皮脂が多くなっている

①皮膚の抵抗力が下がっている

皮膚には、外からの異物(花粉や微生物など)の侵入を防いだり、体内の水分の蒸発を防ぐバリア機能が備わっています。

しかし「アトピー性皮膚炎」「ホルモンの病気」「加齢による新陳代謝の低下」「ストレス」などが原因で皮膚のバリア機能が低下すると、ちょっとした刺激でも過敏に反応しやすくなります。

反応をすると炎症が起こるため皮膚のPH(ペーハー)が上がり、マラセチアが増えやすい環境になってしまいます。

また、「シャンプーの後に保湿をしない」「シャンプーの成分が合っていない」など不適切なスキンケアも皮膚の抵抗力を下げる原因になります。

➁皮膚の皮脂が多くなっている

マラセチアは皮脂が大好きです。

そのため、「脂漏症(新陳代謝異常で脂が多く出てしまう病気)」「バランスの悪い食事」「皮脂が多く出る犬種(ウェスティーなど)は、マラセチアが増えやすい傾向にあります。

「食事が関係あるの?」と思うかもしれませんが、糖質や脂質のバランスが崩れた食事を続けると、皮脂が多く分泌されるようになります。

では、増えてしまった「マラセチア」はどうすればいいのでしょうか?

犬のマラセチア性皮膚炎に効くシャンプーは?

マラセチア性皮膚炎の治療は、大きく分けると2つあります。

●抗真菌薬(飲み薬)
●塗り薬や薬用シャンプー

ここでは、この「薬用シャンプー」に関して触れていきたいと思います。

増えたマラセチアを除去するために、下記のような成分が含まれたシャンプーを使います。

●マラセチアを除去する働きのある成分(硝酸ミコナゾール・クロルヘキシジンなど)
●マラセチアが好きな皮脂を除去する成分(サリチル酸・二硫化セレンなど)
●皮膚の負担を軽くする保湿成分

一番有名なシャンプーだと「マラセブ」がありますね(皮膚トラブルを経験した方は耳なじみがあるかもしれません)。

薬用シャンプーを選ぶときは、皮膚の状態や病気の背景を考えながら決めないと逆効果になることもあります。

そのため、マラセチアのときはこのシャンプーがオススメとは一概に言えないので、必ず獣医師さんと相談しながら決めましょう。

<ここでちょっと注意!>

ただ薬用シャンプーを使っていく上で、飼い主さんに覚えていてほしい大事なことが3つあります。

薬用シャンプーを使う上で大事なこと
①マラセチアを「除去する」だけでは治らない!
➁毎日・長期使用は要注意!
➂しっかり保湿する!

①マラセチアを「除去する」だけでは治らない!

マラセチアが増えたから薬用シャンプーで除去すればOKかというとそうではありません。

最初にお話ししたように、マラセチアは常在菌なので「増えた原因」が必ずあります。

その原因を突き止めないと「マラセチアが増えた」→「薬用シャンプーをする」のループに陥ってなかなか改善しません。

シャンプーと名前はついていますが、菌を殺したり消毒をする成分が入っているので、洗浄力はとっても強いですし、皮膚にもダメージがあります。

マラセチアが増えたから薬用シャンプーで減らそうという考え方だと、根本解決にならない可能性があるので注意しましょう。

➁毎日・長期使用は要注意!

先ほど、薬用シャンプーは洗浄力がとっても強いとお話ししました。

そのため、毎日使用したり長期的に使用すると、肌のバリア機能に影響を及ぼしたり、薬の効きが悪くなる可能性が出てきます。

また、薬用シャンプーの中に含まれる「クロルヘキシジングルコン酸塩」は耳の中に入ると聴覚に影響を及ぼしたり、粘膜にアナフィラキシーを引き起こす可能性があります。

長期使用と耳まわりや粘膜があるところでの使用は避けるようにしましょう。

➂しっかり保湿する!

シャンプー後はしっかり保湿をするようにしましょう。

シャンプーの後の皮膚は非常に乾燥しやすいので、保湿をしないと皮膚にダメージが加わって余計にマラセチアが増えやすい環境を招いてしまいます。

また、薬用シャンプーはマラセチアが好きな皮脂を除去するので、乾燥して皮膚が皮脂を多く分泌するようになります。それを防ぐためにも、しっかりと保湿をすることが大切です。

愛犬がマラセチア性皮膚炎になったらドッグフードはどうする?

マラセチアが増えたときのシャンプー選びと注意点に関しては、お分かりいただけたかと思います。

それでは、ドッグフードはどうすればいいでしょうか。

●年齢にあった栄養バランスが取れているか?
●糖質や脂質が過剰に含まれていないか?
●犬自身に食物アレルギーがないか?
●手作りごはんの場合は、栄養バランスが崩れていないか?

年齢にあった栄養が取れていない(例:成犬なのに子犬のフードを食べている)場合や、栄養バランスが崩れた食事を続けていると皮脂が過剰に分泌されます。

過剰な皮脂はマラセチアの増加をまねく原因になるので、注意しましょう。

また、食物アレルギーをもっていると炎症が起きるので、マラセチアが増えやすくなります。

アトピー性皮膚炎を起こしている犬は、食物アレルギーも併発することが多いので、食物アレルギーにも注意しておきましょう。

マラセチアは夏など蒸し暑くなると増えてきます。

愛犬がマラセチア性皮膚炎と言われたら、飼い主さんができることをしっかりと覚えておいて、もしもの時に役立てていただければと思います。

<参考文献>

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

<参考URL>

マラセチアについて サーカス動物病院
>https://circus-ah.com/examination/skin/

日本医薬品添加剤協会
>http://www.jpec.gr.jp/detail=normal&date=safetydata/ka/daku15.html

<画像元>

Unsplash

写真AC

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伊藤さん

伊藤さん

宮崎出身の動物看護師。
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・日本動物看護職協会 認定動物看護師