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世界一人を殺した犬といわれるピットブルは、アメリカではセラピードッグ代表。

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闘犬種として生まれ育ち、「世界一人を殺した犬」という別名が付くピットブルですが、アメリカではセラピードッグの代表犬種として活躍しています。それはなぜでしょう。

この記事を読み終わる頃には、どんな犬種の短所も長所として活かせることがわかると思います。

セラピードッグってなに?

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セラピードッグは病気や怪我、精神的な痛手を受けた方たちの元へ行き、ふれあいや交流を通じて人を癒す活動を行っています。

犬は情緒が安定していて、いつも変わらぬ無邪気さは見ている人に癒しを与えてくれます。

彼らの長所を最大限に活かした仕事ともいえるのが、セラピードッグです。

 

以前、「ただ犬と触れ合って病気が治るの?」という質問を見受けましたが、セラピードッグの役割は人を癒すことであって病気を治すことではありません。

病気や怪我、精神的な痛手が原因となってネガティヴな思考になり、ベッドから動かなかった人が、犬の無邪気な誘いを断れず散歩に出掛けるようになったという報告もあります。

 

その場にいてニコニコ笑い、ふわふわの毛を撫でるだけのことですが、犬の存在感には人を変える力があるのです。

 

セラピードッグにはどうやったらなれるの?

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セラピードッグになるためには、警察犬や盲導犬と同様に特別な訓練を受ける必要があります。

盲導犬と同じように1歳になるまではパピーウォーカーの元で、家族の愛情をたっぷり受けて育ちます。

 

その後、適性検査や訓練を受け、セラピードッグになれるのです。

その中でも適性がないと判断された犬は、一般の家庭で家族として暮らすことが多いようです。

様々な検査や訓練を受け、合格した犬だけがセラピードッグとして活動することができます。

 

ピットブルはどんな犬種?

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ピットブルは3種類いて、それぞれ異なる歴史をたどってきました。

見た目も少しだけ異なるのですが、ピットブルの基本的なことについて解説していきます。

 

①【スタッフォードシャー・ブル・テリア】

ピットブルは「スタッフォードシャー・ブル・テリア」と「ブルドッグ」を交配させて生まれた犬種です。

ピットブルの代表ともいえるスタッフォードシャー・ブル・テリアは、19世紀のイギリスで、牛や熊いじめの為に闘犬として改良、交配されました。

 

1920年に完全に闘犬を卒業し、その後は「マンチェスター・テリア」という犬種と交配を重ね、徐々に闘犬特有の攻撃性が抑えられていきました。

 

ピットブルの中ではブルドッグに最も近い見た目をしており、がっしりした体格にぺちゃんこの顔が特徴的です。

国を問わずに愛好家が多く、イギリスでは常に人気5位以内に入るほど、現在でもたくさんの人に愛されている犬種です。

 

②【アメリカン・スタッフォードシャー・テリア】

アメリカン・スタッフォードシャー・テリアは、一般的に皆さんがピットブルと呼ぶ犬です。

1870年代にイギリスからアメリカに渡ったスタッフォードシャー・ブル・テリアを、より闘犬向きに交配させて、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアが生まれました。

 

スタッフォードシャー・ブル・テリアがアメリカへ渡ったときには、既にペットやショードッグ用に品種改良された状態でした。

ですが、闘犬として使い続けることを望んだ愛好家たちとの間で摩擦が起き、独立して闘犬種として育ってきたのが、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアです。

 

③【アイリッシュ・スタッフォードシャー・ブル・テリア】

ピットブル3犬種の中で1番歴史が浅く、スタッフォードシャー・ブル・テリアとアメリカン・スタッフォードシャー・テリアが闘犬用に交配されたのと異なり、アイリッシュ・スタッフォードシャー・ブル・テリアは犬としての本来の姿を取り戻すために交配されました。

 

現在のスタッフォードシャー・ブル・テリアやアメリカン・スタッフォードシャー・テリアも、闘犬向きというより家庭犬として生活する子の方が圧倒的に多いのですが、アイリッシュ・スタッフォードシャー・ブル・テリアはより穏やかで家庭犬向きの犬種です。

 

ピットブル初心者が飼うなら、3犬種のうちどの子がオススメ?

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日本でピットブルを飼おうとした場合、ブリーダーから購入するか里親募集を探すかの2択になります。

他の犬種とは異なりペットショップなどで販売されていることは、ほとんど0といっていいほどありません。

 

我が家で飼っているザウは、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアとアイリッシュ・スタッフォードシャー・ブル・テリアのミックスです。

穏やかな反面、強い攻撃性を見せることもありますが、この辺は犬種が理由ではなく、育った環境や性格によるところが大きいのではないでしょうか。

 

私はピットブルに対して何の知識もないまま飼い始めましたが、ピットブル愛好家の方たちに聞くと「親を見て決めるのがいい」とのことでした。

ブリーダーから購入する場合は直接見に行くことができますが、里親募集で引き取る際には必ず、どんな事情があって里親に出されたかを聞くようにしてください。

 

ザウは躾という名目で虐待を受けていて、生まれてから1度も檻から出たことがありませんでした。

幸い時々遊びに来ていた娘さんやご友人の方が外に連れ出してくれていたようで、それらが関係して大きなトラウマを抱えることはありませんでした。

 

ですが、闘犬として育てたものの尻込みしてしまい、そのまま繁殖犬になり、用事が済んだら里親に出されて、ドッグトレーナーの手にも負えないようなトラウマを抱えているピットブルもいます。

彼らは人に危害を加えますが、それは彼らが悪いのではありません。

それらも含めて最後まで一緒に過ごせるのか、里親として引き取る際には必ず事情を聞くようにしましょう。

 

闘犬が人を癒すことはできるの?

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時に相手の犬が亡くなるまで闘い続けてきたピットブルという犬種が、人を癒す活動をすることは無縁のような気がしますよね。

ところが、沖縄の米軍基地で働くアメリカ人の方に、とても面白い話を聞くことができました。

 

「ピットブルは強くてたくましくて、そして穏やかだ。飼い主がGOと言うまでは絶対に動かないし、GOと言えば動き続ける。彼らが生きてきた歴史は決して良いものとは言えないけど、彼らの持つパワーは人を癒してくれるんだよ。」

 

最初はただ純粋にピットブルが好きなんだと感じましたが、調べてみるとアメリカではセラピードッグとして活動するピットブルがたくさんいることを知りました。

 

闘犬種は第一に「我慢強いこと」が求められます。

その我慢強さは、穏やかさやちょっとしたことでは怒らないという長所として捉えることができます。

 

またピットブル共通で「鈍臭さと、マイペース」という特徴があります。

やる気のないときとあるときの差がはっきりしていて、いい意味で誰かに合わせることをしません。

誰にでも愛想を振るわけでもないのですが、その人間臭い特徴がピットブルの愛嬌でもあります。

 

闘犬とセラピードッグは無縁のように感じますが、見方を変えるだけで短所を長所として活かすことができるのです。

次の章で詳しく解説していきます。

 

犬種の短所は、長所として活かすことができる!

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人にも犬にも、必ず長所と短所があります。

お国柄という言葉があるように人にも国民性があり、犬も同様に犬種によって性格や特徴が似ていたりします。

 

愛玩犬と呼ばれる最初からペット向きに交配された犬種でも、気性の荒さや噛む力を侮ってはいけません。

かといって闘犬種と呼ばれる犬種が、すべて人に危害を加えるのかというとそれもまた違います。

 

飼い主のしつけだけではどうにもならないことは、遠慮なくプロであるドッグトレーナーに指示を仰ぎましょう。

人と犬が共存していく中で、犬に覚えてもらわなきゃいけないこともたくさんありますが、人が覚え学ぶべきこともたくさんあるのです。

愛犬のだめなところも可愛く思えてしまうように、犬種よりもその子の性格を見てあげるようにしましょう。

 

まとめ

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セラピードッグと世界一人を殺した犬と呼ばれるピットブルとの関係性についてお話ししてきましたが、以下の3つをご記憶いただければ幸いです。

 

1.セラピードッグは人を癒すために、日々活動している

2.闘犬種であるピットブルは、アメリカではセラピードッグ代表

3.どんな犬種も短所を長所に活かすことができる

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中川リナ
沖縄県在住のフリーライター。
沖縄移住をきっかけに保護犬ボランティアを始め、アメリカン・ピットブル・テリアとジャーマンシェパードドッグの元保護犬2匹と一緒に暮らす。
アメリカン・ピットブル・テリアがアレルギー疾患を抱えていたことをきっかけに、食の大切さを知り、現在は生食にこだわった食事を取り入れている。