私たち人でさえも厳しい暑さが応える夏。
そんな暑さでは、当然愛犬たちも参ってしまう暑さだと思いますが、犬たちの場合には、そこに合わせて体感温度の大切さにも注目しておきたいのをご存知でしょうか?
今回は、犬の夏の暮らしを快適にするために。
事前に知っておきたい人と犬の体感温度の違いと、暮らしを快適にする工夫や気を付けたいポイントを解説します。
<目次>
人と犬の体感温度の差と更新する夏の暑さ

日本に限らず、今や全世界で温暖化が深刻化し、毎年記録更新している夏の暑さですが、皆さんは体感温度にも変化を感じることはありませんか?
体感温度とは、実際の温度や湿度とは別に、人や犬が実際に感じる暑さや寒さへの感覚を、温度として数値に表したもののことを言います。そのため、同じ条件下(身長や体重、体高など)の元でも人や犬の感じる温度に違いが生じれば、一方では「暑い」と感じることがあっても、一方では「あまり変わらない」と感じることは少なくないことでしょう。
しかし、これはあくまでも人と人、犬と犬との関係で見た場合に限られます。
例えばこれが人と犬だった場合は、2014(平成26)年の時点で地面からの距離を基に試算した体感温度の違いに、おおよそ17℃の差があることが、アニコム損保(所在地:東京都新宿区、代表取締役:小森 伸昭)の調査にて分かっています。
▽『地面からの距離による体感温度の違い』
2025(令和7)年の7月は、史上最も暑かったとされる2024年7月の平均気温よりも+2.16℃を上回ったとされています。
ともなれば、少なくともこの年代時点で示された120cmの身長だった場合の体感温度の32.3℃、体高が30cmだった場合の体感温度の38.1℃は、今ではもう少し高くなっていることが予想されます。
この結果は犬種の大きさの違いによってもその体感温度には差が生まれるため、今後の夏の暑さ対策を工夫する際には、大型犬と小型犬で体感温度が違っていることに、今まで以上の心掛けを意識することが大切です。
人の『快適』と犬の【快適】の差とは?

人の場合、『快適』だと感じる夏の温度は一般的に25℃~28℃前後と言われています。
しかし、これが犬の場合で【快適】だと感じる夏の温度ということになると、それは一般的に21℃~25℃前後となってしまいます。
そのため、これらの事情を考慮すると、人で『快適』だと感じる温度で日々過ごす場合、犬ではこれが『暖かい』という体感温度になっている可能性が十分に考えられます。
また、これらの感覚は逆に人が『極寒』だと感じる寒さについても同じことが言えます。
この場合だと犬は『寒い』くらいの感覚であり、この感覚は寒い地域原産の犬の場合では、尚更強い傾向として表れることが考えられるでしょう。
▽『人の快適と犬の快適の違い』
ただ、上記で示した人と犬の快適度の差が例えば25℃前後で一致する時には、人も犬も“快適”だと感じられるかもしれません。
けれど、それでも人の場合では体毛の薄さや年齢、寒がりか暑がりかの違いなどが関係し、犬の場合でも原産地域の違いやシングルコートかダブルコートの違い、また人と同じく年齢の違いなどが関係し、加えてその時の湿度の状況がどうなっているかで、体感温度はだいぶ変わってくるため、やはり一概にお互いがお互い“快適”だと感じられる体感温度には、なりづらいと考えておくのが無難でしょう。
犬が【快適】になれる暑さ対策の工夫はどうすれば良い?

それでは、犬が【快適】になれる暑さ対策の工夫は、どのようにすれば良いのでしょうか?
以下で詳しく確認してみましょう。
空気の循環
犬が【快適】になれるような暑さ対策にするためには、空気の循環を意識することが大切です。
特にエアコンの温度を25℃前後に設定している場合、部屋全体は確かに25℃まで下がるかもしれませんが、その冷気は一般的に地面の方に溜まりやすいため、空気の循環を促してあげましょう。
具体的には、エアコンの向きは出来るだけ部屋に対して平行、または左右にし、冷気が直接愛犬の体などに当たらないようにします。
そして、エアコンを背にした形でサーキュレーターや扇風機の風を送り込むことで、空気の循環が生まれ、愛犬が快適に過ごしやすくなります。
このように空気の循環を促してあげることで、エアコンの設定温度も25℃前後ではなく、26~28℃設定であっても涼しく感じられるようになります。
また、冷房だけでは心配な夏冷えなども、このような工夫を施すだけで、だいぶ対策が可能となります。
留守番中の場所移動の確保
愛犬の生活環境は、その地域や家の構造、普段の留守番状況などで変わることが多いものです。
それこそ、一日中室内フリーで問題ない子も居れば、留守番の時だけはゲージやサークル内に入って過ごしている子も居ることでしょう。しかし、夏の間の留守番を愛犬にさせる時には、寒くなり過ぎないような工夫を忘れてはいけません。
特に留守番時ゲージやサークル内で過ごすことの多いワンコの場合は、お部屋の空気を循環させつつ、体が冷えすぎないように毛布を用意したり、ルートを作ってあげたりしましょう。
室内フリーのワンコであれば、寒くなった際、自分から別の部屋に移動することも可能ですが、留守番がゲージやサークルのワンコの場合は、このような工夫をして快適に過ごせるような空間を作ってあげてください。
ゲージやサークルも、ある程度の広さを確保してあげられれば、その中にもう一つ安心できる空間、暖まれる空間を作ってあげることが可能です。
犬の暑さ対策で気を付けておきたいポイントとは?

人と犬の体感温度の違いを知ったり、愛犬が快適に過ごせる環境作りを徹底したりしても、気を付けておきたいポイントは存在します。
それは、何と言っても熱中症です。
熱中症は、炎天下の中の活動や適切な水分補給の怠りなど、イメージ的に屋外で起こりやすい印象を持たれている方は多いかもしれません。しかし実は、犬の熱中症の場合には、犬自身がまだ暑さに慣れていない5月から6月頃に増え始め、6月から7月にかけて発生件数が3倍に一気に跳ね上がることが多い症状の一つなのです。
▽『犬の熱中症発生件数及び発生場所』
そしてその熱中症の多くは、私たちの想像を大きく外れた屋内で起こしやすい症状のため、「エアコンも付けているから大丈夫」と過信するのは危険です。
中でも人感センサーが働くことで作動するエアコンを設置している場合、エアコンの性能によっては文字通り人にしか作動せず、犬は見過ごされていつの間にかエアコンの電源がオフ…などという最悪な事態も考えられるのです。
ただ、だからと言って屋外の方が安全なのかと言えば、そういう訳ではありません。
屋外の場合であったとしても、時間によるタイミングや散歩する場所によっては、暑さ対策をしっかりしていたとしても、熱中症の危険性があります。
▽『散歩場所の犬の体感温度の違い』
上記の表は、散歩をする際の場所でどれだけの体感温度の違いがあるかを表したグラフです。
ご覧いただいて分かるように、天然芝(日陰)の場合なら14:00の時点でも犬からしたら29.3℃となっています。とはいえ、夏場の14:00時点の記録のため、犬からすればまだまだ散歩に出られるタイミングではありません。
しかし、それでも同じ時間帯の天然芝(日向)37℃~38℃前後やアスファルトの44.5℃と比べたら、だいぶ涼しく、歩きやすい環境だと言えます。
屋外であれ屋内であれ、熱中症という観点から見た際には例え暑さ対策を徹底していたとしても、しっかりと気を付けておきたいポイントとして、覚えておきましょう。
まとめ

いかがでしたか?
暑い季節は犬にとって、体温調整が特に難しくなる季節と言っても過言ではありません。飼い主さんは出来る限り愛犬に快適な空間を作ってあげようと、色々な工夫をしてあげていると思いますが、さらに愛犬目線の体感温度、愛犬の立場に立った暑さ対策で、この夏を一緒に乗り切ってあげてください。
そうしてあげることで、自然と飼い主さんと愛犬の体感温度も、差を縮めていけるはずです。
<参考サイト>
日本の7月の平均気温|気象庁
>https://www.jma.go.jp/jma/press/2508/01a/betten.pdf
犬の暑さ対策|ユニ・チャーム
>https://jp.unicharmpet.com/ja/web-magazine/dog-000016.html
ヒトと犬の体感温度の違い|バデッジ ペットと幸せな日々を
>https://bonoops.com/
STOP熱中症新聞|アニコム損害保険株式会社
>https://www.anicom-sompo.co.jp/prevention/stopheatstroke/pdf/20160629.pdf
<画像元>
Canva
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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